エッチなオイルマッサージと怨霊とヨガのごった煮に酔う。韓国ホラー『ヨガ学院:死のクンダリニー』

インド人、怒っていいぞ。

2019年の韓国映画『ヨガ学院:死のクンダリニー』。原題は直訳すると「呪われたレッスン」なので、この邦題には呆れるしかないのですが…

いや、ぶったまげましたね。こんな映画が韓国にあるんですね。

ものすごくエッチです。女優は脱ぎまくり、オイルマッサージでヌルヌルしながら男女が絡み合いヨガしながら合体… しかもこのシーンが長い。家族に見られたら恥ずかしいやつ。見たことないけど、テイストとしては女性向けのポルノっぽい(男性が小奇麗なハンサムでマッチョだし)。わあ、ドキドキしちゃう~なんてことは一切なくて、気まずいです。ひとりで見ていてもすごく気まずい。

邦画だと、たぶんアダルト出身の女優さんしかやってくれなさそうな展開ばかりです。

しかも、大まじめにヨガのポーズをとりまくりながら合体しているので、絶句。最初はなんだこれ~ハハハと言える余裕があるんですけど、数分間にわたって見せられ続けると真顔ですよ、真顔。

わたし、ボボボーボ・ボーボボのところ天の助みたいな顔してたと思う。

 

露出が高いシーンが多い以外にも、もうひとつ特徴があります。

主人公の性格がクソ悪いということ。美に執着して感情的になり、努力をしない。嘘つき。嫉妬深い。でもそれを全部隠して、自分を騙して、他責している。という感じの性格であります。

ホラー映画において、主人公の性格が悪いとたいてい酷い目に遭いますね。そうです、今回も酷い目に遭います。

 

そもそも、ヨガをモチーフにしている映画ですが、こんなに冒涜していいのかなぁってぐらいヨガをおもちゃにしてます。インド人とか真剣にヨガやっている人、嫌悪感を示しそう。

ただ、幽霊が出現するシーンだけはマジメに怖い。雰囲気としては清水崇さんとか、あのあたりを感じさせる。エッチなシーンじゃなくとも、空気が艶やかな感じの映画です。

主人公はイ・ヒョジョンという女性。売れっ子通販モデルだが、最近は若手に押され気味。それで美しくなるために、完全会員制のヨガ学院に入ることに(イメージは断食道場みたいな感じで、泊まり込み食事つきでレッスンします)。

ヨガ学院で一緒になるレッスン仲間には、総合格闘技の選手のカン・ミヨン(ハキハキしていてかわいい)、高慢な女優のチェン・イエナ(いかにも脱落しそう)、モジモジおとなしいキム・ジウォン(一応芸能人らしい)。

そしてヒョジョンにヨガ学院を教えたのが、元同級生ののチェ・ガヨン。しかしヒョジョンと彼女は因縁があるようで…

 

ヨガ学院にはいかにもツンとした美人院長、男性の秘書、女性職員、男性の料理人がいます。

まずおかしくなるのはジウォン。どう見てもお茶にヤクを盛られているのですが、そのせいで覚醒して急にヨガがうまくなります。そんなことあるのか?一方、ヒジョンは後ろめたい関係性のガヨンが幽霊となって自分の前に現れる夢ばかり見ます。

ヒョジョンは恐怖のあまりヨガ学院をやめようとするも、肌がきれいになった自分の姿を見て続けることに。

女優のイエナはジウォンとヒョジョンが急にきれいになったのを見て、自分にも特別サービスを要求。だが、男性秘書とヌルヌルしていたら、彼の顔がヘビに見えて…!?

 

同時並行で、ヨガ学院で学んだ女性が起こした殺人事件の捜査を行う刑事たちの姿も描かれます。その捜査の一環でわかったのが、そもそも、このヨガ学院は女性が処女をヘビに捧げたパワースポットの隣にあるらしい。こんなパワースポット嫌なんですけど… あと、「隣」ってアリなの?その場所に建てられたのならばまだしも「隣」ぐらいなら、訳あり物件で安かったのかな?という印象ぐらいしかないぞ。

 

その後、体調を崩すジウォン、精神のバランスを崩し過去のトラウマ(トレーナーに乱暴された)を思い出してフラッシュバックに苦しむミヨン、同じく取り乱すイエナ。そして明らかになるヒョジョンの過去。

彼女は学生の時に、いじめっ子のブランドアクセを盗んで、その罪をガヨンになすりつけたという過去があったのです。深まる罪悪感。

そんなことよりジウォンは彼女の眼の前で首を折り、ミヨンは姿を消してしまいます。

錯乱するヒョジョンの前に現れた男性秘書はヘビ化しているし、院長は額にある三つ目の眼が開いてめちゃくちゃ怖い。ヒョジョンは錯乱した状態で院長を刺してしまう(ガヨンの幽霊のせいだと思い込んでいる)のですが…

 

逮捕されるヒョジョン。以下、判明した事実。

  • 院長、秘書、女性職員などスタッフを襲ったヒョジョン
  • ガヨンがこれらの犯行をやらせたと主張するヒョジョン。しかし本物のガヨンは彼女にそんなことをしていない。彼女は自分から仕事を奪ったモデルへの憎しみをこじらせ、そのモデルにガヨンを投影していた。彼女をヨガ学院に誘ったのは、冒頭で殺人事件を起こしたチョン・ボラというホステス(ガヨンをいじめたブランドアクセの持ち主?)
  • ヨガ学院では麻薬入りのお茶を提供していた
  • ヒョジョンに処方された薬と睡眠薬を併用しており、その飲み合わせで幻聴・幻覚が起きていた。さらにそこに麻薬が入り、正常な判断ができなくなった。
  • ジウォンも持病があり、処方薬との組み合わせが悪く、そのせいで体調を崩していた

みたいな話が出て、でも幻覚は消えず、ヒョジョンは自分の首をハサミで刺してしまいます。

一方、姿を消したカン・ミヨンはトレーナーを刺し、クンダリニーにうっとり…というラスト。

 

途中、ヒョジョンが取り乱すシーンがとにかく長いのですが、おまけに画面が暗い!何してるかよくわからない。

あと、近くの海で若い女性の遺体が良く見つかるというエピソードが出てきたのですが、これってヨガ学院が受講生の遺体を海に捨てていたってこと?雑な犯行ですね。

あと、男性の料理人スタッフはどういう立ち位置だったのかわからない。秘書はいかにもヘビ的なルックスの役者さんだったんだけど、料理人は朴訥とした感じなんです。でも、この料理人も女性と絡み合うシーンが出てきてびびった。女性の職員と院長のルックスも遠めにはやや似ていたので、混同したし…

そう、女性陣のルックスがやや似てるから混同するのよ。ヨガウェアもころころ変わるし、髪型が変わっているとぱっと見わからない。イエナさんが茶髪なんで唯一すぐわかりましたが。

だけど、まあこんだけ裸が出てきたらなんでもいいか!裸になってがんばった!あと、整形と薬物とオイルマッサージが得意な男性は怖いと改めて思いました。

 

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