「シンデレラゲーム」

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2016年の映画「シンデレラゲーム」を見ました。
・アイドルのデスゲームという、テーマ的にはかなりやり尽くされているジャンル
(ホラー映画はもちろん、ライトノベルやゲーム、漫画など広く浅くやられている感じ?)
・カードゲームのルールはまんま「カイジ」のじゃんけんゲーム。そこにバトロワを足した感じ?
・もちろん、殺し合いはネット配信されてます
いいかげん、殺し合いを娯楽としてネット配信しているんだハハハという展開はやめてほしい。「何十万もの人が見ているんだよ」なんてことあるか?

あらすじ

拉致され孤島に集められた落ちこぼれアイドル20人が、優勝すればトップアイドルの座が与えられる一方、負ければ即“死”という究極のカードバトルで壮絶なサバイバルを繰り広げるサスペンス・スリラー。主演は「手裏剣戦隊ニンニンジャー」の山谷花純、共演に「夢二~愛のとばしり」の駿河太郎。監督は「死んだ目をした少年」の加納隼。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=358091

登場人物

灰谷沙奈:アイドルの姉が失踪したことで、自分もアイドルになった。まじめで心優しい優等生。
金原エリナ:エリナと同じグループのアイドル。関西弁が特徴。沙奈をいつも助けてくれる。
紅林ルイ:男装アイドルグループのメンバー。王子様的なキャラで、沙奈を助けてくれる。
蒼井涼夏:沙奈の所属するグループのリーダー的存在。ゲームのプレッシャーからおかしくなっていく。
柴垣菖蒲:グラビアアイドル。枕営業で今までのぼりつめてきた。
白石雪乃:ファンのストーカーに襲われて、アイドルを休業状態。常に眼帯をしている。
桃園りん:15歳のアイドル。かわいらしいキャラだが、実は……?
灰谷沙里:沙奈の失踪した姉。かつてグループでセンターをしていた。
タキモト:このゲームの司会者。

ルール

①アイドル20人は、無人島にバラまかれたカードを集めていく。だが、この時に暴力行為を行ったら失格(死亡)となる。
②カードは3種類。「王子」「魔女」「継母」がいる。王子は継母に勝ち、継母は魔女に勝ち、魔女は王子に勝つことができる。
③ゲームは毎日、19時に開催される。
④敗者はその場で処刑となる(首輪から毒針が撃ち込まれる)
⑤ある条件でそれぞれ、ポイントを得ることができる(どうやってポイントを得ているのかは参加者にはわからない)。そのポイントで、「カボチャの馬車」「十二時の鐘」「ガラスの靴」を購入することができる。
⑥最後まで残ったものは、トップアイドルの座が保障される。

ネタバレ

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ステージで踊るアイドルたち。

沙奈のインタビュー。失踪した姉のぶんも、アイドルとして頑張りたいと語る。

だが、気が付くと海辺に倒れている少女たち。突然、タキモトとネズミマスクのスタッフ2名が現れる。彼は自身をタキモトと名乗り、シンデレラゲームについて説明をする(詳細は上記)。
反抗的な態度を取り、その場を離れようとするアイドルも出てくるが、「失格」という言葉と共に彼女は倒れ、死亡する。慌てて、カードを集めに走り出す沙奈たち。

DAY1

沙奈はエリナとカードを探すが、エリナは彼女にカードを譲る。だが、追いかけっこを目撃した沙奈は、追われているりんを助ける。追っていた少女は首輪が作動して死んでしまう。追われていた少女・りんはカードの奪い合いに巻き込まれたと語り、沙奈を「お姉ちゃん」と呼んでなつく。

ゲーム開始直前。りんは、沙奈の持っているカードを見せてほしいと懇願する。だが、りんはそのカードをもぎとり、態度を急変させる。逃げ出すりん。再会したエリナは、彼女にカードを渡そうとする。だが、それを断る沙奈。エリナに勧められるまま、いつの間にか溜まっていたポイントで「カボチャの馬車」のカードを購入する。

ゲーム開始。まず、エリナと犬猿の仲の菖蒲が勝ち抜ける。あっさりと死ぬ対戦少女。
沙奈は、りんと対戦することになる。りんは魔女のカード、沙奈はかぼちゃの馬車のカードを出すしかない。だが、かぼちゃの馬車のカードの力は「強制あいこ」だった。りんと沙奈は引き分けになる。
タキモトは「かぼちゃの馬車」は強制あいこ、さらに「十二時の鐘」は「かぼちゃの馬車」を無効にする力があると説明する。だが、「カボチャの馬車」<「十二時の鐘」<「ガラスの靴」の順番に、引換に必要なポイントは高くなる。「ガラスの靴」はあまりに必要ポイントが高すぎるため、説明すらなされない。
りんは手持ちのカードが切れてしまう。沙奈がカードをテーブルの上に置いたら、りんの負けが確定する。りんは自分を助けてほしいと懇願するが、迷った沙奈はカードを置いてしまう。

りんのインタビュー。ママにいい暮らしをプレゼントしたいから、トップアイドルになりたいと語る。

呆然とする沙奈に、「嫌なら、あんたが死ねばよかったんだよ!」と叫ぶ雪乃。

沙奈たちがそれぞれ入れられた個室には、ベッドと首吊りロープしかない。沙奈は隣室のエリナと話をする。2人はカードを一緒に集め、共有することを決める。思い思いに過ごす生存者たち。涼夏はおかしくなりかけているし、ルイは腹筋をしている。菖蒲はスマホをいじっている。

DAY2

涼夏は様子がおかしい。それを心配する沙奈だが、その彼女を見つめているネズミスタッフの1人。

カード集めに奔走する沙奈だが、ルイとカードの奪い合いになる。だが、崖から落ちそうになったのを助けてくれたルイ。ルイは助けたお礼にカードを要求するが、素直にカードを出した沙奈に「ボクとあなたは、気が合いそうだ」と言い、去ってい。

タキモトは休憩しているのか、アイコスを吸っている。そこに、菖蒲がやってきて色仕掛けをするが、ネズミスタッフが登場して失格を臭わせる。舌打ちして去っていく菖蒲。

沙奈は島の中でカメラを発見する。だが、倒れている雪乃をも見つけて慌てて介抱するが、逆に罵倒されてしまう。

菖蒲はエレナを襲う。死角で襲ったつもりが、バレていた菖蒲。そのまま死亡する。

菖蒲のインタビュー。「バカにしてきた人を見返したい」「みんなに愛されたい」と語る。

ゲーム開始。
先にゲームに参加することとなったエリナは、相手を煽る。エリナは魔女のカード、相手は「十二時の鐘」を出す。だが、勝者はエリナ。実は、「十二時の鐘」は「かぼちゃの馬車」には勝てるが、他のカードには負けてしまうのだ。エリナが勝ち、彼女は沙奈にそのままカードを渡す。
雪乃や鈴夏が勝ち抜いていくが、沙奈はルイと対戦することになってしまう。駆け引きをするルイ。沙奈は「かぼちゃの馬車」を出し、強制あいことなる。ルイは勝負を避けた彼女を暗に非難するが、ルイはすぐ手持ちのカードをなくしてしまい、負けてしまう。
「あなたとボクは、どこか似ている」

ルイのインタビュー。彼女は、性同一性障害をにおわせ、だからこそ、自分の居場所が男装アイドルグループにあったと語る。

個室に戻った沙奈とエリナは、壁越しに作戦会議を建てる。カードは初日から補充されていない。エリナは10枚のカードをまとめて発見したそうだが、それだけにその場所に裏があるのではと睨んでいる。だから、翌日は2人で行動しようと沙奈を誘う。
「一緒に帰るのは無理でも、どっちかがトップアイドルになれれば」というエリナ。

DAY3

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生き残っているのは沙奈、エリナ、雪乃、涼夏。
沙奈とエリナは10枚のカードを探しに行くが、そこには無数のカードがばらまかれていた。ひたすらカードを探す2人。だが、そこに雪乃が現れる。雪乃とエリナが喧嘩になっているうちに、雪乃の眼帯が外れてしまう。彼女の片目はただれ、潰れてしまっている。エリナは彼女の眼帯を奪って、雪乃を煽る。雪乃はトップアイドルになり、眼を治したいと考えていたのだ。眼帯を取り返そうとする雪乃をハメ、エリナは暴力を振るわれたふりをする。雪乃はそのまま、処刑されてしまう。

雪乃のインタビュー。美しさはこの世を支配する力があると思っているから、自分には価値があると語る。

沙奈は問題行動を起こしたエリナと喧嘩になる。だが、そこに正気を失った涼夏が現れ、カードを奪って海に捨ててしまう。
「バケモノ!バケモノだよ、み~んなバケモノになっちゃってんだよ!」
だが、涼夏は崖から落ちそうになる。その手をとっさに掴む沙奈。だが、その沙奈を支えていたはずのエリナが手を放し、そのまま2人は海に落下する。

だが、沙奈は生きていた。彼女は涼夏を助け、海からあがる。涼夏は沙奈に感謝し「沙奈はきっと、多くの人の特別な存在になれる」と言いながら死んでしまう。

涼夏のインタビュー。リーダー論。

沙奈は怒り狂い、ゲーム会場に乗り込む。だが、タキモトと話していたエリナの首輪が作動し、彼女は突然「沙奈の姉を殺したのは自分だ」とカミングアウトして死亡する。彼女は実は、前回のゲームの優勝者だった。だが、その連覇はつまらないという理由から処刑されたのだ。
このゲームは全世界に配信されているショーであり、ポイントはお客様からの“愛”。沙奈は優勝者となったのかと思いきや、サドンデスマッチが用意されていた。相手は、沙奈の姉の沙里だ。彼女はエリナに前回負けていたが、タキモトにスカウトされ、運営に加わっていたのだ。沙里はグループのセンターの位置を奪われそうになっていたことに焦っており、さらにはスタッフたちが沙奈をスカウトすると話していたのを知り、焦燥していた。
「沙奈に負けるくらいなら、死んだほうがましだもん」

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2人は戦うことになる。沙奈は、幼いころから自分がずっと姉の付属品だった、でもステージの上では自分を見てもらえた、だからアイドルをやりたいと熱く語る。
カードを出す2人。沙奈の手の中には、「ガラスの靴」のカードがある。このカードは無敵。沙奈の負けが確定する。
沙奈は配信で支持され、今までにないほどのポイントを獲得していたのだ。このカードが使用されたのは、初めてだと語るタキモト。

沙里は狂い、そのまま海辺に走り出す。暴れながら死んでいく姉。
「お姉さんの屍の上に立った気持ちはどうですか?」
タキモトは沙奈を撮影しながらまた煽る。彼女は泣きながらトロフィーを破壊し、海に入っていく。しつこく撮影するタキモト。
だが、タキモトに「一言どうぞ」と言われると、泣いていた沙奈は顔を上げる。その顔は、恐ろしいほど清々しい笑顔であり、アイドルスマイルである。

感想

・演技のうまい人が集まってるなーという印象。じゃないと、けっこう見続けるのがキツイ設定だからでしょうか……?あと、女の子はかわいかったです。ただ、明らかにエキストラで混じっている人は……。
・この手の映画は心理戦がメインかと思いきや、特殊カードやらカード切れやら使用したり、基本的には運の勝負だったりと、なんだかなぁ。という気はする。
・ネズミマスクがネズミに見えないぞ。
・けっこう不明瞭な点が多くて、「クソゴミアイドル」のわりに前回の優勝者が混じっていたり(トップアイドルにしてくれるんじゃなかったのか???)、亡き姉の夢を継ぐのと自分がアイドルになるのは別の話のような?と思ったり。
・こういうゲームを謎の大人たちがネット配信で楽しんでいる設定があるけど、どう考えても内容が楽しそうじゃないんだよな。「うっ」と言ってただ倒れるのを見ていても楽しくなさそうだけど。