「ドクムシ」

dokumushi

2015年の映画「ドクムシ」。
・「クソすばらしいこの世界」の朝倉監督が担当
・武田梨奈ちゃんがヒロイン
・密室閉じ込められ系ホラー、ゲームで生者を決める
まあ、いわゆる「SAW」的なホラーです。今さらですが。にしても、この映画は特筆すべきところがないのですね。エッチなシーンが邦画ホラーにしても異様に多い(露出ではなく、キスシーンなど)のは特徴でしょうか。

あらすじ

合田蛍冬の同名コミックを村井良大、武田梨奈主演で映画化したバイオレンス・ホラー。監督は「クソすばらしいこの世界」「女の子よ死体と踊れ」の朝倉加葉子。
学校の教室と思われる場所で目を覚ました大学生のレイジ。状況がまるで分からない彼は、ほどなく同じようにどうやってここに連れてこられたかも分からない男女6人と出会う。やがて7人は、自分たちが学校らしき建物に監禁されたことを知る。すると彼らの一人から“蠱毒(コドク)”という言葉が発せられる。それは、ネット上の都市伝説で、7人を監禁して1人になるまで殺し合わせるデス・ゲームだというのだったが…。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=355096

登場人物

レイジ:大学生。主人公。
アカネ:キャバ嬢。レイジをたらしこむ。家族のためになんとしても脱出したいというが……
ユキトシ:新聞記者。「蟲毒」(こどく)について皆に教える。
トシオ:チンピラ。自分勝手で暴力的。
ユミ:女子大生。アカネに異常に懐く。
タイチ:デブ。自己中心的。
ミチカ:無口な少女。レイジに一目惚れしたようだ。

ネタバレ

dokumushi1

ふと気づくと、廃校に閉じ込められている若者たち。鍵が閉められているし、食料もない。ある部屋にチェーンで持ち出せないようにされた包丁(これ、「SAW」そのまんまだね)が置かれており、時計がカウントダウンを開始している。
ユキトシは「ドクムシをひとつのツボに入れて食い合わせ、最後に残った一匹が最強の毒の呪いを持つ。これが『蟲毒』(こどく)であり、これはそれを導き出すためのゲームである」と明言し、彼らが殺し合いをしなければいけないと気付かせる。そして壁に包丁で「蟲毒」と刻み込む。
ここに集められた彼らは全員、「毒」を持っているのか?

dokumusi2

彼らは迷い、とりあえずはそれぞれ思い思いに過ごす。
ユミは異常に男性に怯え、「私、クサイですよね」と自虐的に振る舞う。そんな裕美を襲うトシオ。彼女は強姦されてしまう。トシオは止めに来たアカネやレイジを襲おうとするが、ユミはトシオの首を掴んだまま階段の踊り場から飛び降り、引っ張られた彼の首を折ってしまう(ユミは助かる)。

ユミはアカネを「先輩」と呼び、アカネは困惑する。
その一方で、レイジとアカネは密会して、トイレの中で関係を持つ。アカネは家が貧しく、家族のために脱出したいと語る。

ユミは過去に、同性愛の彼女(先輩)を持っていたこと、彼女の浮気のせいで突き放され、怒りに任せてその先輩を突き落として殺していた。ユミはアカネとその先輩を混同しており、レイジに異様な敵対心を燃やし、彼を襲う。

レイジは逃げ惑うが、誰かがユミを階段から突き落とす。アカネは、ユキトシがユミを殺した犯人ではないかと疑っている。
ミチカはレイジに親切だ。レイジは彼女に癒やされる。
だが、ミチカをトイレで襲おうとするタイチ。彼は「どうせ死ぬんだから、好きなことをする」と明言する。

レイジとアカネはまたセックスをしようとしているが、変な音が聞こえてくる。タイチが、死んだユミやトシオの死体を食べていたのだ。彼はアカネにも襲い掛かるが、アカネは突発的に彼にキスをしてひるませ、そのまま包丁で殺す。

dokumusi3

アカネはユキトシから情報を引き出すために、彼と関係を持とうとする。だが、それをレイジに見られてしまう。アカネは嘘をついていた(それぞれに「病気の弟がいる」「病気の妹がいる」と言っていた)。レイジはアカネに裏切られていたことを知り、ミチカにすがりつく。

アカネは拘束したユキトシと情報交換をする。彼らは、この事態を仕組んでいる組織が送り込んだ内通者がミチカだと思い始める。だが、ミチカは実は恐ろしい秘密を抱えていた。彼女は病気で、カツラをかぶっていたのだ。しかも、彼女は子供のフリをしていたがこのなかの誰よりも年上だという。ミチカはレイジが好きで、ユミを殺したのも彼女だった。レイジに拒否され、ミチカは自殺してしまう。

ユキトシは拘束を解いて逃げ、殺し合いが始まる。アカネを刺すユキトシ。彼女は倒れる。だが、ユキトシをレイジが刺し、生き残ったと思われたレイジを起き上がったアカネが刺す。レイジはゆっくりと、アカネの喉を掻っ切る。
レイジは「出せよ!」と叫ぶが、誰も返事をしない。

数日後、建物の扉が開く。救助隊が惨劇を目の当たりにし、生存していたレイジを助け出す。

レイジは病院に収容された。そして、刑事から説明を受ける。
・この付近で、大地震が起きた
・被害者(気絶している)を一時的にシェルターに避難させた(意識不明者を教室に並べただけ)
・余震でシェルターが作動し、彼らは閉じ込められてしまった
・カウントダウン用の時計は、シェルターの電源が切れるまでの目安の時計
・これみよがしに置かれていた包丁や鍋は、食糧倉庫用のものだった

そもそもユキトシは新聞記者ではなく、指名手配されていた詐欺師だった。レイジは騙されたのだろう。刑事はそうやって慰めるが、レイジは「これは蟲毒なんだ」と叫び、暴れ続ける。

感想

・ドクムシじゃなくてコドクコドクと連呼されるのですが、孤独とかけてるの?
・いろんな男性とキスシーンをさせられている武田さんが大変そう、という気持ちが最初に湧いてくる。
・チェーンつきの包丁と大鍋一個だけ放置するってどういうチョイスなんだ。
・大規模地震があっても、建物にはヒビひとつなく、被害者も「頭が痛い」「記憶がないんだ」って、そりゃあないだろう。PTSDってこと?
・アカネが何で生きて帰りたかったのか不明。なぜかユミの同性愛シーンだけ丹念に見せられたのも謎。
・ミチカの病気はなんなんだ。「エスター」かよ。あと、レイジがどうして好きなのかもよくわかんないっす。
・ユキトシはなんで殺し合いを提案したのでしょうか?
・頭打った人をそのへんに大量放置してはいけないと思うのですが……。
・世の中にはおっぱいを出すホラーはたくさんありますが、キスシーンやセックシシーンをふんだんに盛り込んだ邦画ホラーはあまり見かけないので、まあ新鮮といえば新鮮かもしれない。
ユミがトシオの首にブラ下がって折るシーンと、ユミが先輩を突き落としたシーンはそれぞれ鮮烈だったのですが、それ以外のシーンはあまり印象に残らず。