芸能界の闇ってオカルトと相性がいいのでしょうか。2014年『セーラ 少女のめざめ』。アメリカ/ベルギー映画です。
DVDだと「セーラ 少女覚醒」。このタイトルだとエスターとかミーガンみたいな話かと思っていたら、立派な大人でした。少女っていう年齢じゃないです。
ストーリーは非常に単純で
- 女優を目指してオーディションを受け続けるも目が出ず、フーターズのパクリみたいな店でアルバイトを続ける日々を送る主人公
- オーディションで抜毛症であることがバレ、その場で髪の毛を抜かせられる
- 次のオーディションで全裸にならされる
- 映画のプロデューサーと会わされるが、主演になるなら性的関係を持てと迫られる
- 一度は断るものの、どうしても諦めきれずに承諾しちゃう主人公。おじいちゃんの股間に顔をうずめるが、そのじいちゃんの手の甲には五芒星が…!?(つまり、彼女は悪魔を崇拝する集団に依り代として選ばれた)
- この出来事以降、主人公は体調を崩してしまい、体は異臭を放ち美しい顔も崩れていく
- ルームメイトに枕営業をしたことを広められ、いい感じだった監督志望の男の子はイヤミなマウンティング女に寝取られ、狂ってしまう主人公
- マウンティング女と監督志望の男どもをまとめて始末し、気が付いたら主人公は埋められている。老人たち(ハリウッドの重鎮?)が集まってきて儀式をはじめ、祈りをささげる。翌朝、主人公はスキンヘッドに生まれ変わって土から這い出して来る
- 最後に主人公は口の軽いルームメイトの口に吸いついて殺してしまう
どうでしょう?もう、ものすごいインパクトがございますね。
まず、主人公がバイトしていたフーターズのパクリの店について。ぴたぴたTシャツにスパッツをはかされて、おっさん客の誕生日には「〇〇くぅ~ん、3ちゃいのおたんじょうびおめでと~う!キャハッ(ぴょんぴょん飛び跳ねる)」と祝うサービスをさせられる。アメリカにはメイド喫茶のような文化はないらしいですが、やってることはあんまり変わらないですね… そりゃ辞めたいわ。
たぶんギャラがいいし、ある程度シフトに融通が利くのでしょうが、無理ならやめたほうがいいのでは…?
この、バイトの選び方からしても主人公が非常に効率が悪く、自分のことをちゃんと見れていない=女優として成功しそうにない ということがよーくわかります。
また、主人公が非常にストレスを抱えていることがわかる設定、それこそ「抜毛症」。ただ、これがどうして悪魔に選ばれるきっかけになったのかはわからないし、中盤からこの設定はまったく出てこなくなります。
そして、おじいの性的処理をするシーンは非常に気持ち悪かった。これを機に、主人公の顔がどんどん体調を崩していくさまはリアルでしたが、全体を通して2013年に公開されたアメリカ映画「スリーデイズ・ボディ」と似ているコンセプトのような…??
- 悪魔を崇拝しながら芸能界を牛耳る闇の組織に利用され、翻弄されるオカルト要素
- 友達だと思っていた人たちは、本当は誰も彼女を愛していなかった。それを知ってからの復讐譚スプラッター
この2つを組み合わせているので、ゾンビ映画でもある「スリーデイズ・ボディ」とは違う特色も併せ持っています。
ただひとつ気になるのは、蘇った時にスキンヘッドになってた理由。毛はどこに消えたのでしょうか。謎。