17歳の女の子を誘拐する方法なんて知りたくない『ガール・イン・ザ・ルーム13』

アメリカ/カナダ製作『ガール・イン・ザ・ルーム13』。劇場公開作ではなくテレビ映画です。2022年製作。

もともと「これは怖い」という噂を聞いていたものの、

娘の誘拐

元薬物中毒のせいで、失踪してまた薬物にふけっているんだろと誤解されて警察も動かず

家族は娘を信じ、一丸となり娘を取り戻す

という展開を聞き、これはシリアスだぞ…落ち込むやつだぞ… とちょっと手が伸びない状況だったのですが…

思い切って見てみる。うん、怖い。

以前にも紹介した(アメブロのほうでだけど)『闇の子供たち』にも通じる、アメリカの闇を描いています。

一般的に、誘拐されて人身売買される子供=貧困層出身というイメージがありますが、本作では中流家庭の白人少女が薬物中毒の男によって売り飛ばされそうになるという事実に基づいたお話を描いています。

主人公は飛び込みのジュニア選手として将来を期待されるも、首をケガして医療用の薬物を使用するようになり、そこから中毒へ転落…

しかし、主人公は薬物中毒から立ち直ります。ここから映画がスタート。めちゃくちゃ幸せそうな家族がもう、フラグな感じで…(この時点で泣きそう。)しかし麻薬中毒時に知り合ったレ〇プドラッグ売人の元カレと再会したことで、急展開という流れ。

元カレがまたいやらしいんだ。主人公のお兄さんが飲食店をしているのですが、そこの店員を買収して彼女に近付かせ、「元カレが更生した」とか「まだ彼女のことを好きだ(最近彼女の名前のタトゥウーを入れた)」とか吹き込ませるわけ。そして元カレの息子(この子がまたかわいいんだ)がケガをしたという嘘をつき、主人公を騙して「荷物を渡して」と頼み、無理くり再会させるわけ。この女店員はもちろん元カレにしょーもない額の小銭をもらって嘘をついているんです。

あー腹立つ!こいつに正義の鉄槌よ下れ!!!とイライラ。元カレよりイライラしたかもしれん。途中で「私にだって罪悪感がある、この仕事から降りる」とか言い出すのですが、だったら主人公を解放してやれよ!!!と思いましたね!!!罪悪感もてる人はこんなことしません!!!

再会した瞬間に彼女は連れ去られ、モーテルに監禁されます。何度逃げようとしても捕まり、ボコられ、絶望して… の繰り返し。しかも必死の思いで断ったはずの薬物(しかも大麻とかじゃなく、コカインをやらされるという…)をガンガン摂取させられ、吐くほど酒を飲まされ… まさに地獄。

さらに人身売買される前に客をとらされたり(この買春してるおっさんが子供の親なのもまた吐き気がするほどムカつく)、その様子を撮影されたり、元カレにも乱暴されたりと、ものすごく傷付けられます。

大人っぽいので当初良く把握していなかったのですが、主人公は17歳なんですね。成人してたらつらさが減るわけでもないが、17歳でこんな目に遭うのを想像するのはキツい…

しかし、彼女の母親は諦めず、娘の痕跡を辿り、ビラをまき、情報を集め続けます。そして父親や兄姉も一緒に行動してくれるように。

途中、子供の人身売買に詳しいNPO団体みたいな組織と接触するのですが、そこで「10日間あれば、子供は売られてしまう」「中流階級でも白人でも関係ない」といった情報(これがまた事実らしい)が開示され、驚かされる。

結局、母親が娘を助け出すのですが、同じモーテルの別の部屋にこれから売られる予定の女の子たちが詰め込まれた部屋があったのもまた闇深い。

この監禁場所となったモーテルの部屋が映画のタイトルにもなっています。

だめんずうぉ~か~で薬物中毒の彼氏に監禁されていた人の話を思いだした。あちらもなかなかヘビーでした(複数人いらっしゃったのでエピソード混在してたらごめんだけど、相手が薬物中毒なので全然寝ないから逃げ出せないとか、裸で逃げても引きずられて家に戻されるとか)けど、やっぱり薬物は怖いですね。薬物って自分の人生において絶対に避けられるものだから、リスクは回避したいものです。

あと、元カレがまだ自分のこと好きかもって聞いて揺れる女心がわからなかった。別れてから自分の名前をタトゥーで入れてくるって、めちゃくちゃ怖くないですか?明らかにメンヘラ。こういう男大嫌い。

もうひとつ、関係ないけど「中流階級」がけっこう強調されていたのですが、出てきた家がめっちゃいい家で羨ましかったです。コーギー飼って、家も広くてでっかいプールもあって車もあって…すごい豪勢でした。わたしもマジメに働こうと思いました。という小物感。

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