ムチャクチャなこじつけも愛おしい!あの情けないキラーマスクが堂々と帰還『スクリーム6』の感想と解説(ネタバレあり)

みなさんはどこまで覚えているのでしょうか?『スクリーム6』。2023年、アメリカ/カナダ製作。

 

オリジナルは語るまでもない名作。

「2」は正統派の続編で、大学生になった主人公が主役。

「3」は事件をモチーフにした映画製作が始まり、メタメタしさがより強調された。

「4」は続編でありつつ、新しい出演者を加えて原点に戻る(エマ・ロバーツが出ていたことを思い出した)。

「5」は完全にリブート。シドニーからサムとタラ姉妹に主役が変わる。

で、「6」は、「5」の続編です。立ち位置からすると「2」にとても近い。

と、整理をしてみました。

感想を先に言っておきますと、面白かったです。シリーズのファンだからかな?でも、キャストが全員かわいいし、かっこいいし、嫌味がないし、殺人犯は相変わらず読めないし(犯行が露呈してからの犯人の演技のオーバーさもこのシリーズの魅力のひとつな気がする)。

ただし、シドニーは完全に出演していません。オリジナルキャストで生き残っている2人のうち、ゲイルのみ出演。というより、ゲイルを演じたコートニー・コックスが製作総指揮だからね…

 

今回の登場人物から。

サム:前作主人公。初代殺人鬼のビリーの娘であり、殺人事件に巻き込まれたトラウマを抱え、自分がビリーのようにならないか怯え続けている。前作で犯人を撃退したが、そのせいで父が犯罪者であることが拡散され、「サムが本当の黒幕」説も広まる。そのせいで差別されたり迫害されたりすることも多々あり、かなり参っている。

タラ:サムの妹。姉とは仲がいいが、過保護ぶりから反発することも多い。演じるはジェナ・オルテガ。そう、ネットフリックス配信ドラマ「ウェンズデー」の主演!この子めっちゃくちゃかわいい。ほんとにかわいい。すき。

チャド:前作の生存者。ややナルシストでお調子者だが、仲間思いでタラのことが好き。力が強いので頼りになる。

ミンディ:前作の生存者。ホラーマニアであり、今作でも犯人を当てようと躍起になる。

クイン:サラやタラのルームメイト。父親は警察官で、兄を亡くしている。男好き。

アニカ:ミンディの彼女。かわいい。

イーサン:気弱でモテない青年。チャドのルームメイト。

カーヴィ:「4」での生存者で「5」にも出演。サムたちにとっては高校の先輩で、同じ被害者として頼れる存在。現在はFBI捜査官。

ゲイル:オリジナル生存者。芸能リポーター。「5」ではサムとタラと協力して犯人を追い詰めたが、その後事件の顛末を本にし、そのせいで「サムが本当の黒幕で殺人鬼」説がネットを中心に拡散。姉妹からは恨まれている。

クインの父:警察官として、サムとタラの犯人探しに協力してくれる。

サムの恋人:サムが落ち込んでいる時に、優しくしてくれた向かいのマンションの青年。体の関係はあるが、恋人同士ではない。でもイチャイチャしている。(全然名前が出てこないので忘れてしまった…)

謎の殺人犯:今回もマスクを作って登場。ボコボコにされたり吹っ飛ばされたり電話を切られたりしていて情けない。

 

ストーリーを振り返ることにします。

初デート(ネットで知り合ったのかブラインドデートと思われる)にウキウキしている女性。スラッシャー映画を研究しているという彼女だが、セオリーを無視して行動し続け、マスクの人物に刺される…

突然、マスクを取る人物。こんな序盤でとるの!?そして…えっ、アンタ誰…!?

その正体は「5」の犯人・リッチーに傾倒しているジェイソンという学生。新キャラなので知らないの当たり前。この人、ルームメイトのグレッグとともに、リッチーの遺志を継ごうとサムとタラ姉妹を狙っていた(しかもタラにとっては大学の同窓生で、顔見知り!)。しかし、彼らは別のマスク(今回の正統な犯人)に襲われてしまう。

サムはカウンセリングを受け続けていたが、周囲の人間からは差別を受け続け、知らない人間に罵声を浴びせられるなどの被害に遭い続けていた。一方、タラは過去から目を背けており、姉妹仲はぎくしゃくしていた。

※生存者たちは全員ニューヨークに移住している。

しかし、ジェイソンとグレッグの事件現場にサムの免許証が落ちていたことから、事情聴取に呼ばれることに。サムとタラは現場に向かうが、その途中で襲われる。

雑貨店に逃げ込むも、マスクの人物は客や店主をも襲い、彼女たちを追い詰める。しかし、マスクさんは今作でも姉妹にどつかれて自転車と一緒に倒れてベルがチリンチリンなったり、倒れてきた棚の下敷きになったりまあまあバカらしくていいですね。ちょっと勝てそう感あるのよね、戦略と武器さえあれば。

事件現場には必ずマスクが残されていた。ということで、強制的に振り返りイベントが発生(わりと覚えてない今までの犯人たち)。「5」の犯人のマスクから「4」、「3」と前にスライドしていくので、カウントダウンにもなっています。

このあたりで捜査に「4」出演者のカーヴィ(現在FBI)が合流。シドニーは今作は不参加確定。

そしてサムのカウンセラーが意味なくマスクさんにドア越しパンチ&ドア金具を目にinされて退場させられます。

 

ここで、ミンディのメタ発言&犯人当てゲームがスタート。

①前作より大がかり②前作とは逆のことが起こる(想像を裏切る展開)③全員いつ退場するかわからない(レジェンドキャラでも容赦なく退場させられる)と説明。

そして容疑者として①イーサン(気弱でいかにも後で豹変しそう)②クイン(新キャラだし)③アニカ(ミンディの恋人だけど、恋人も信用するな)④そんなこといったら前作からの出演者4人だって怪しいだろバーロー と、全員容疑者状態。

 

サムとタラは主要キャラを集めて一緒に過ごして犯人から身を守ろうとしますが…(イーサンのみ不参加)(サムの恋人もこの時点ではほぼ無関係なので不参加)クインが襲われそうになっているのを、窓から見ているサムの恋人(本当に真ん前のマンションの真ん前の部屋に住んでいる。建物同士の距離は5~6メートルくらい?)。

志村!うしろうしろ!というノリでサムの恋人は叫び続けますが、クインは気付かずに背後の犯人に襲われて退場。そして次はアニカ。ミンディをかばって刺され、窓からはしごを渡してサムの恋人の部屋に逃げようとするも、ひとりだけ落とされて退場。落ちどころが悪すぎてぐんにゃりするのがかわいそうすぎる。

あとよくわからないうちにクインの彼氏(いつの間にいたんだコイツ)も風呂場で見つかります。すごい事故物件にされて大家さんがかわいそうですね。

翌日のこのこ現れたイーサンはめちゃくちゃ疑われますが、ゲイルの協力により最初の加害者であり被害者でもある・ジェイソンとグレッグのアジトが見つかります。使われなくなった映画館に、「1」から「5」までの事件にまつわる証拠品などがズラリと並びます。なんだよこれ。

いや~これは警察内に協力者がいるフラグでは… ということは、カーヴィかクインのパパでは…??

 

サムはカーヴィの助けを借りて、犯人をおびき寄せる計画を立てます。しかし、裏をかかれて?ターゲットとなったのはゲイル。オシャレな高級住宅地にあるゲイルの家で、まず襲われたのは彼女のボーイフレンド(誰?)。めっちゃ戦いますが、ゲイルは刺されてしまいます。ただ、ゲイルは犯人からの電話をブチッと切ってリダイヤルし、その電話の着信音を辿る展開があったのですが、そこで犯人が「アッ…」と言っていたのが情けなくてよかった。

ゲイルは生きていましたが、これ以降は登場しません。でも生存確定。

もう一度犯人をおびき寄せるために件の映画館に集まることにしたサム、タラ、ミンディ、チャド、イーサン、サムの恋人。しかし、地下鉄移動(なんで地下鉄にしたんだろう?)でミンディとイーサンだけが別の電車に乗る羽目になり、案の定ミンディは刺されてしまいます。

映画館で待つサム、タラ、チャド、カーヴィ。サムの恋人は「外で待て」と指示されて合流せず。しかしクインのお父さんからサムに電話があり、「カーヴィは心を病んでいる、FBIももうやめている」との連絡が!

一方、チャドとタラは初めてのキスを交わした後に襲われます(フラグ)。チャドをブスブス刺す2人のマスク。そう、犯人は案の定複数だった!(まぁそうじゃないと成立しない流れですね)

クインの父も登場し、生きていたカーヴィも登場し… だが、真の黒幕はやはりクインの父だった!そして登場するマスク。さらにもうひとりのマスクも出てきます。そう、犯人は2人じゃなく3人だったのだ!

 

マスクを脱いだのはイーサン、そして死んだはずのクイン!実は彼らは前作「5」で犯人だったサイコパス・リッチーの家族だったのだ!家族で素養がありすぎでは?

クインは亡くなったはずでは…?というのは、お父さんが警察関係者でごまかせたと言い訳。何がどうしたらごまかせるんだよ!ごまかせるわけなくない?

そしてクインの父は、初代マスク(サムの父親がかぶっていたもの)をサムにかぶらせようとします。えっ、なんで…?目覚めよってこと?DNA的なこと?(サムに犯行をなすりつけるため??)

そもそも、彼らはリッチーの復讐のためにサムとタラを狙っていたわけですが、イーサンは目をかっぴろげてノリノリだし、クインはナイフを舐めそうな勢いだし、パパもキレキレだし、絵面がとにかく騒々しい。カーヴィはめちゃめちゃに痛めつけられていてもなんとか生きていて、ちょこちょこサムを助けてくれます。シドニーも硬いけどこの人も硬いんだ。喉を裂かれても刺されても動けるのがすごい。

タラVSイーサン(口の中にナイフをぶっこんでタラ勝利)、クインVSサム(あっさり射殺してサム勝利)とそそくさと戦いが済み、クインの父も退場。

ほっとしたところでどうやって生きていたんだかわからないけどまた襲ってきたイーサンですが、オリジナルリスペクトの流れでテレビで頭を割られて本当に退場。

サム生存、タラ生存、サムの恋人生存、ミンディとカーヴィも生存、チャドも恐ろしいことに生存しており、「レジェンドキャラが誰も退場しなかった」という裏切りで終了。

わりとハッピーエンドに近い終わり方なのでシリーズのなかでも珍しくはある。

 

イーサンとクインの父親が怪しいとは思っていましたが、亡くなったと思っていたクインが生きていたというオチは予想できなかった。

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