2010年の韓国のアイドルホラー『コ死:デスロワイヤル』を見ました。なんちゅうタイトルなんだ。意味がわからない。はっ、コロシってこと?コシって読んでたよ。
原題だと「DEATH BELL2」ってあったので、もしかして続編なのかな?と思ったら、「ブラッディ・ミッション」という映画がオリジナルなんですね。こっちの主演はイ・ボムス。
続編が作られるくらい人気だったわりには今までレンタルで見かけたことなかったんですけど(とはいえ、この5年くらいはほぼレンタル利用してないんですけどね)、アジア映画の棚にあったんだろうか?
私はHuluで見ました。
優等生だけを集めた学校の勉強合宿で、突然起きた殺人事件。生徒たちは誰が何のためにこの事件を起こしたのか、命を賭けて当てろと命じられる… というもの。
日本テレビで放送されたドラマの三年ナントカ組みたいな感じですね。(この映画のほうが先ですが)(タイトル忘れたよごめんなさい)
ホラーとして王道な印象のストーリー(学園モノだし)ではあるんですが、もちろん内容は復讐劇。それにスプラッターとオカルト要素を足したような感じです。邦画だと、『×ゲーム』とか『シグナル100』とかが似たテイストかもしれない。あと『悪の教典』かなぁ?
優等生を集めた勉強合宿という設定は関よしみのホラー漫画「マッドサマースクール」を思い出させる(塾の合宿中、食料も水分もないまま高層ビルに閉じ込められて血なまぐさい争いに発展。ハイライトはトイレの水を飲む優等生)。
それはいいんだ。
登場人物が多いのは好ましい。
イ・セヒ(主人公):言葉が少なく、感情も薄い。勉強家だがなぜか成績はあまりよくない。周囲に心を閉ざしているのは、過去にあったことが原因のようで…?
ユン・ナレ:水泳部を退部したばかり。成績は悪いが、実家が太いので勉強合宿に参加できた。でもやる気はない。セヒとは仲がよかったが、現在は距離を置いている。
パク・ウンス:教育実習生(というか新人教師か?韓国のシステムがわからない)。一生懸命でかわいい。
ヨム・ジュン:親が金持ち。成績トップだがイジワル。
クァク・スイル:成績は万年2位。親が検事。
キム・ジャングク:ヤンキーだが成績がいいようで、勉強合宿に参加する。陽キャを通り越して頭がおかしいレベルのヤンキー。
ヨンナン:ジャングクの彼女。こいつもあっぱらぱーだが、勉強合宿には参加。
シム・ウォノ:カメラで盗撮ばかりしているド変態野郎。みんなの携帯電話を回収するパク先生に亀甲縛りをしたフィギュアをチラチラ見せつけるという謎の性癖を披露。私の度肝を抜く。
ヒョンナン:ジュンとつるんでいるメガネちゃん。
ユン・クァス:謎のイケメン転校生。
チョン・テヨン:不幸な事故で亡くなり「水泳部の幽霊」と噂される存在となる。生前はセヒとナレの親友だった。
しかし、こういう時の謎のイケメン転校生枠ってなんなんでしょうか。明らかに怪しいんだけど。
ストーリーを振り返っていこう。先に言っておくと、この映画はかなり説明不足。
成績優秀者だけを集めて行われる勉強合宿。しかし、その夜に事件が起きる。
ヒョンナンは服用している薬をすり替えられ、大量の髪の毛がスカートから生えてきたうえに大量の血をかぶる幻覚に襲われる。ジョングクとイチャついていたヨンナンは針と糸で顔を縫われた後につるされ、自習室の天井を突き破って落下する。
ヨンナンの顔には「忘」と縫い込まれている。
ハイ、もうこの時点ですごいですよね。大量の血は「キャリー」っぽくてすごかったですけど、顔にメッセージを縫い込まれるというのもものすごい執念を感じるし、天井を突き破ってきたところでは「どんな強度の学校?」とポカンとさせられました。フジテレビのドッキリ番組のセットみたい。
そして流れる「今からクラスメートが一人ずつ襲われます。理由を当てて下さい。当てた人だけ帰れます」という謎アナウンス。信じていない生徒たちですが、今度はジョングクが襲われることに。
襲われ方がまたすごい。学校の廊下で(彼自身のバイクに鉄の刃を組み込んだ)改造バイクに何度も轢かれて血みどろに… 後輪で立ち上がって追ってくるので、高いところに登っても無駄そうです。しかし犯人は生徒たちが勉強している間に必死こいてバイク改造したのか。スゴイ労力。
ヒョンナンも幻覚に襲われて死亡。
ここからちょっと閑話休題って感じで、「実は」みたいな話が進むのですが…
- セヒとテヨンは親同士が再婚して義理の姉妹だった→セヒはテヨンが苦手だったが、今はもっと嫌い。私たちをおいて、逝ってしまったから…と発言(姉妹になってから仲良くなったのか、その前から仲良しだったのかはよくわからない)(この設定いるか??)
- ウォノ、自分に親切にしてくれた女子を部屋に入れるが、自室に性的なフィギュアを置いていたこともあり気味悪がられて逃げられる(なんだこのシーン?)
- 「あの時」のメンツが死んでる…という発言したヨム・ジュン
そして停電を復旧させるも、今度はトラップのくぎ打ち機に撃たれるスイル。また犠牲者が出ます。
今までに亡くなったヒョンナン、ヨンナム、ジョングク、スイル。
さらにどう考えてもいじめっ子ポジのジュン、目撃者のウォノ、隠蔽した形跡のある男性教師が、とある事件に関わっている… というか、どう考えてもテヨンの事件の犯人なんですけど。こうして真実がわかりはじめます。
でも事件はさらに進展。ウォノは唐突に血まみれで息絶え、男性教師は写真部の暗室の謎の箱のなかで発火して退場。この機材なんなのか教えて欲しかった。写真部にはあんな危険な箱があるのか?なお、この箱の鍵を開けるキーワードが「メメント・モリ」なのは厨二病っぽくてよかった。
ここで事件の真相がようやく明らかになるのですが、
- 事件の加害者たち、学校で酒盛り(なんでロッカーに洋酒があるんでしょうか…)
- スイルが童貞だとわかり、他のメンバーはたまたまプールに残っていたテヨンを襲うように仕向ける(テヨンは美人でスタイルもよいという設定)
- 抵抗するテヨン、ジュンと揉みあいになり転倒して頭を打つ
- 目撃者のウォノはその様子を盗撮していたが、真実を告発せず(ジュンと取引)
- 男性教師は事件をもみ消す手伝いをした
ということらしい。
で、どう考えても犯人候補が転校生とパク先生しかいないんですけど…
でも転校生はうろたえすぎだなぁという感じなので、やっぱりパク先生が犯人のひとり。そしてもうひとりの犯人は… 謎の青年! 誰?マジで誰???
この犯人こそ、パク先生の弟でテヨンの彼氏のジョンボム。か、彼氏いたのかーい!!!!誰にも触れられていなかったですけど…
加害者の偽の証言で貶められ、テヨンを殺したということで逮捕されたジョンボムくん。あれ?テヨンの事件って自殺として扱われてたのかと思いきや殺人事件だったのか?犯人逮捕されているの?ええ??と、大混乱に陥るわたし。
そんなことはおかまいなしに話は進む。犯人たちは10分の猶予を生徒たちに与えることに。10分だけ、外部の連絡を許すというのだ。しかし、体育館に置かれたスマホを入れた箱には鍵がかけられており、その鍵を開けるためにはジュンの首にもつなげられている金属ロープを手繰り寄せなければならない。つまり、外部に連絡するならジュンは間違いなく首を吊られて窒息。彼女が犠牲になる必要がある。ただ、電話しないと誰も助からない… というわけ。
生徒たちは当然のように迷いなくジュンを犠牲にする(迷いなさすぎて笑ってしまったくらい酷い)のですが、彼女の味方をする学生も少しいます。ただ、その学生が首吊り状態のジュンを引っ張って下ろそうとして、逆に窒息させていたのに絶句。最高に頭悪い。本当に進学校の最優秀クラスの生徒たちなのでしょうか?
結局生徒たちは間に合わず、ジュンは退場し、ジョンボムくんは学校に放火。しかし、生徒たちはあっさり外に逃げます。そらそうだ、彼らは別に加害者ではないですし…
しかし、ナレがセヒがいないことに気が付き、転校生のクァヌが彼女がいるプールサイドまで助けに行きます。
実は、セヒも加害者グループのひとりだったんですね!止めようとしたけれど、止められなかった(勇気がなくて)。ジョンボムは彼女にも怒っており、無理心中しようと彼女と自分の体に鎖&おもりをくくりつけ飛び込み用のプールにダイブ!
セヒはテヨン、ジョンボム、ナレとの楽しかった日々を思い出しながらも、抵抗することなく沈んでいきます。それを見ていたのが、テヨンの幽霊。彼女はセヒを助け、ジョンボムとともに手を繋いで暗闇へ泳いでいってしまいます。
という謎オチ。爽やかだけどさ、セヒはジョンボムと面識あったんかい!みんなで遊ぶくらいの友達関係あったんかい!と驚く。
さらに、謎のエンディングは続くのです。セヒを助けるクァヌ。人工呼吸しながら(つまりキス)彼女を助けようと頑張るのですが、なぜかこのシーンのメイキング映像も挿入され、クァヌがマネキンを使いながら演技をしているシーンを延々と見せられる。えっ、なんだこのメイキングは…?
そして息を吹き返したセヒとそれを見つめるクァヌですが、突然振り返り、驚いた顔をするクァヌ… という終わり方なのでマジでずっこける。
急にメイキング入れて、本編戻って、まだ誰かいる!みたいなノリ出すなよ(いるとしたらパク先生?)。
というわけで、ストーリーはこびは非常に乱暴です。ジョンボムの登場の仕方は乱暴だし(驚きはありましたけど)、セヒは全然魅力的じゃない。なんでテヨンを嫌っていたのかわからない。また、セヒとナレがぎくしゃくしてるのはわかるけど、ナレの活躍シーンがいっっさいない。唯一のおバカで明るいキャラだから、ストーリーにもいい刺激を与えてくれそうなのに、謎の転校生がしゃしゃってきて目立たなくなってしまった。そのせいで、女子同士の友情エピソードがぼやけてしまった感じ。そもそも、クァヌじゃなくてナレが助けに来たならわかりやすいじゃないですか。水泳部だし、仲直りのシーンとして見せられるし。
ただ、雰囲気はすっごく良いので、学園ホラーが好きな方にはおすすめできる内容です。