「屍憶」

屍憶

2015年の台湾/日本映画「屍憶」。製作陣にもキャストにも日本人と台湾のキャスト(なのか?よく知らないのでごめんなさい)が入り混じっていますが、基本は台湾映画です。なぜか日本からきているという設定のタレント役の方が登場したりするので、そのあたりは釈然としない。
でも、なかなか怖いのでおすすめです。

ネタバレ

夢を見ているハオ。不気味な廃屋で、無理やり連れてこられた新郎と謎の女性が結婚させられている。

起きてからランニングをするハオだが、イヤホンがハウリングを起こして驚く。赤い封筒を見つけて驚く彼だが、それは手の中から消えてしまう。
ハオの婚約者はなんだか具合が悪い。

女子高生のインインは誕生日を迎えるが、教室で顔の半分溶けた犬を見つけて驚く。その直後に、親友の家の犬が死んだと連絡が入って驚く彼女。

ハオは「冥婚」について取材している。亡くなった女性の髪の毛、もしくは大切にしていたものなどを赤い封筒に入れて、道端に放置する。それを拾った男性が、女性を娶る。これは女が未婚だと墓に入れないので、未婚のまま死んだ女性を結婚させて生まれ変わらせる、という目的があった。
(日本でもこういう風習はあるらしいですね。藤子F先生の短編でもあった)

その説明をしてくれた霊媒師に、ハオは心配される。彼には何かがつきまとっているのか。
(ちなみに、ハオの友達のスタッフがこの番組のレポーターをしている日本人女性を口説いているという謎設定。もちろん伏線でもない。なんだ、バーターか??)

インインは、マンションの中で、誰かがついてくる気配を感じる。家に入る時、向かいの家に真っ黒な女性が立っていることに気が付く。

ハオとその恋人は、結婚式を楽しみにしている。

インインの部屋では、勝手に人形が動いたり、クローゼットに気配を感じたりする。
だが、ママが誕生日ケーキを持ってきただけだった。

ハオの婚約者は彼の浮気を疑うが、ごちそうを作り、体を重ねる。

夜中、インインの部屋のクローゼットが急に締まり、黒い手がスリッパをいじる。

また悪夢を見たハオは、霊媒師のおばあさんを頼る。ハオは女性の霊にとりつかれているようだ。しかも、彼は生まれた時から霊に取りつかれている。台湾のこっくりさんで調べる霊媒師(ボードの内側から、爪のようなものが文字をなぞってメッセージを伝えてくる)。ハオの前世が関係しているらしい。しかも、その女のせいで前世のハオは死んだ。
ハオは手がかりを調べるが、自分とそっくりの人が1930年に交通事故死していたことを知る。
その人はひき逃げされていた。事件のことをサイトで調べていて、その現場の写真を見つけるハオ。その写真の中に幽霊が出てきて、彼を驚かす。
どうでもいいが、婚約者は彼のシャワー中に入ってきたり、とにかく大胆である。

インインは水泳部の合宿に参加するが、プールで男子生徒が彼女を殺したことを知り、驚く。男は自殺してしまったが、女性は行方不明らしい。しかもその話をしてくれた女生徒がプールで突然溺れてしまい、インインは女生徒の幽霊が彼女の脚をつかんでいることに気が付き、怯える。
その後、シャワールームに1人でいるインインだが、仕切り板の上に女の幽霊が座っており、彼女にとびかかる!

インインは気が付いたら、森の中で骨を掘り起こしながら号泣していた。実は彼女は祖母が霊能力を持っていたので、その力を受け継いだらしい(と母に明かされる)。幽霊がいるのは、ちゃんと埋葬されていないからだと説明されるインイン。

その頃、ハオは例の(前世の)事件の家に到着していた。それは彼の夢の家の中に登場した家でもあった。彼を守ろうとしていた霊能力者のおばあさんは、霊に襲われて自分の耳を刺して死ぬ羽目になる。

ハオは前世で赤い封筒を広い、顔が崩れ落ちる奇病を苦にして死んだ女性と無理やり結婚させられていた。彼はそこから逃げた時に車に轢かれて死に、事件は隠蔽されていた。

インインの部屋のクローゼットに、また女の幽霊が出てくる。ベッドの下に隠れる幽霊。目の前に出てきて追いかけまくられるも、泣いている彼女に気が付いたインインはその頭を撫で、全てを知る。

彼女はマンションの隣の部屋を訪れる。そこの浴室には、女の死体があった。家は荒れ放題だが、何か見覚えがある。そう、ハオの家だ。
つまり、インインが見ていた女の幽霊=ハオの婚約者だったのだ。では、ハオが見ていた婚約者とは誰だったのか……?
(ちなみに、家の雰囲気が全然違うのでお隣さん同士とはまっったく気が付きませんでした。お見事!)

ハオの友達と鉢合わせるインイン。2人はハオを助けに向かう。彼女は既に殺され、入れ替わっていたのだ。今までさんざんイチャイチャしていたのは、女の幽霊だったのだ。
あの家に着いたインインは、死体と寝ているハオを見つける。実は、操られて婚約者を殺したのはハオ本人であった。

感想

・インインがかわいいし、彼女の見る女幽霊がとにかく怖いです。ハオのシーンがちょっと微妙(婚約者とイチャイチャシーンが多い)といいますか、怖くはないかな?という感じのところも多かったので、余計引き立っていたかも。
・インインとハオの関係がまったくわからなかったのですが、最後まで見て「そういうことか!」と納得。これは面白い。裏切られた。
・ラストまで見て、別の意味で裏切られた。ハオはなぜ婚約者を殺したのかしら。バツン!と終わるので、その後どうなったかは各自で想像するしかありません。
・日本人キャストの登場が謎すぎるけど、合作だから仕方ないね。