「ダーク・レイン」

ダークレイン

2015年のメキシコ映画「ダークレイン」。完全なるジャケ詐欺映画ですが、だからといってつまらないわけではないのがスゴイ。とにかく、展開が衝撃的なので、「カルト作」という感じですかね。

登場人物

ウリセス:主人公。工場で働いている
イレーヌ:妊婦。DV男から逃げている
マルティン:バスの切符売り。仕事に熱心じゃないので、みんなをイライラさせる
ローザ:バス乗り場の住み込みスタッフ
イグナシオ親子:母親と息子のイグナシオ。息子は病気のため、具合が悪い。
医大生:メガネをかけた医大生。山本直樹先生の漫画に出てくるロンゲメガネ男みたいな顔してる。
ばあさん:やたらとオカルトに詳しいばあさん

ざっくりとしたネタバレ

・大雨でバスが来ない、ある夜。謎の感染病も流行しているらしい。さまざまな事情で、バスを待つ人たち。
・マルティンやローザから、どんどん倒れていく。そして、ヒゲが生えて顔が変わっていく。なんと、ウリセスそっくりに顔が変わっていくのだ。しかも、彼が接した人の順に顔が変わっていく。コントじゃないか!「ビジュアルバム」を思い出す。
・この雨は普通の雨じゃない!
・写真ですら、ウリセスの顔に変わっている。(マリリン・モンローとかね)
・イグナシオ、拘束されたウリセスに自分の漫画を読む。そこには、雨粒にまぎれて宇宙人がやってきて、人間の感情を奪っていったと書かれている。人間は同じ顔になっているのに気が付かない。宇宙人からすると、人は虫と同じ。同じ顔のように見えて気付かない。
・ウリセスは外に脱出しようとする。
・だが、イグナシオが暴走し始める。実は彼は超能力の持ち主であり、人を操ることができる。ウリセスを撃たされるマルティン。みんなが同じ顔になっていく。だが、逆に写真の顔が元通りに見えてきている彼ら(つまり、同じ顔になっているけれど、本人たちはそれがわかっていた→わからなくなる、と症状が進んでいる感じ)
・イグナシオのせいで、現実世界が漫画の世界に浸食されている。
・イレーヌはウリセスと同じ顔の赤ちゃんを出産する。
・イレーヌの旦那が待合所に車で突っ込んでくるが、医大生は車の中にワープさせられたり、ウリセスの顔の犬が出てきたり、とにかく展開が早い
実はウリセス自身も顔を浸食されていたが気が付いていなかった。彼は知らないうちに感染していたのだ(初登場時から、既に別人の顔になっていた)。そのベースは、イグナシオの人形である。
・なんだかんだで警察が到着して、医大生が集団殺人事件の犯人として捕まる。イグナシオ親子は逃げている。本当は皆が同じ顔になっているし、イグナシオは心を入れ替えていない。彼は不幸の使者なのだ。

感想

・ということで、知らないおっさんの顔になっていく恐怖を描いた話だったうえに、それを支配しているのが子供だったというトンデモナイ話。キャストの人は全員特殊メイクで頑張ってます。
・邦画とメキシコ映画だと、雨のジメジメ感がちょっと違いますね。日本だと闇が深い感じがするけど、メキシコだと暗闇を強調するというより、水の箱に閉じ込められているような感じがしました。あんまり外(雨、暗闇)の描写がないし。