「スリープ・ウィズ・ヴァンパイア」

スリープウィズヴァンパイア

2016年のテレビドラマ「スリープ・ウィズ・ヴァンパイア」。映画じゃなくてドラマだったのかと、今気が付きました。ティーン、しかも同性愛者の女の子をターゲットにしたレズビアン吸血鬼たちと、それにターゲットにされた少女……が主人公のはずが、なぜ出ているのかまったくわからないジェームズ・フランコと、主人公の母親役をなぜか熱演しているトーリ・スペリング(ビバヒル青春白書でおなじみ)がデカデカとパッケージに登場しております。ジェームズ・フランコはチャラ男感は強いものの、そのイメージを自分でわかって演技しているのを見るとやっぱり面白いし、シリアスな役柄もきちんとこなしている気がするのですが、このシリーズでは主人公が参加する舞台の演出をしている先生役。ホーント、それだけの役です。

とはいえ、「吸血鬼は同性愛者として描かれることが多い」ことがなぜか?「トワイライト」シリーズの功罪とは?などを(セリフで説明、という形ではありますが)描いているのも意外と面白いものです。

登場人物

リア:主人公。同性愛者であり、恋人のパールに夢中。また、舞台で主役を射止めてしまい、友達のボブと気まずくなる。
パール:実は「ナイトウォーカー」。カメラマンをしている。実は彼女も女の恋人に噛まれ、吸血鬼へと変化した。リアを吸血鬼にするように仲間に命じられているが、それを拒否するほど彼女を愛し始めている。
ボブ:リアの友人。「マクベス」の主役を狙っていたがそれをリアにとられてしまった。また、リアのことが好きだが、彼女が同性愛者だと知ってショックを受ける。

リアの母親(トーリ・スペリング):同性愛者に対してやや偏見がある。パールの正体に近付き、彼女と娘を引き離そうとする。

吸血鬼の仲間たち:パールの仲間。3人いるが、全員残虐な性格としており、パーティに乗り込んでは女の子を襲おうとしている男を餌食に血を吸い、殺している。ゴシックな服装を好む。

ネタバレ

女友達の家にやってきたパールは、彼女をモデルに撮影をしている。だが、彼女は突然自分がないとウォーカーであると明かし、「あなたを選んだ」と告白する。彼女はもみ合いの末に死んでしまうが(唐突)、パールは噛まれ、覚醒する。そのまま吸血鬼と化するパール。「真実の愛を見つけるまで」、彼女たちは彷徨い続けなければいけない。

大学でドラキュラについての授業を受けているリア。彼女は「マクベス」の主役に、女性なのに選ばれる。彼女のことが好きで、かつ役を狙っていたボブはショックを受けてしまう。
リアは現在、パールと付き合っている。

リアは母親にアールを紹介するが、彼女自身が銃乱射事件に巻き込まれた過去があり、そのせいで引っ越してきたことをパールに明かす。母は娘の恋人が女性だと知って驚く。

舞台はうまくいっているが、ボブを遠ざけるリア。だが、ボブはパールが吸血鬼仲間とキスしているところを見て驚く。
母は娘の交際に喧嘩して、親子喧嘩になる。母はパールの素性を調べるが、彼女が大学生ではないことを知ってしまう。

パーティに乗り込む女性吸血鬼たち。女性を酔った勢いで襲おうとしている男を見つけ、そのまま血を吸ってしまう。そして逃げる。
リアはパールの暗室に乗り込むが、そこでエッチな写真を見つけてしまう(娘とのエッチな写真なのか、別の女性との写真なのかはよくわからない)。また喧嘩になる親子。

母の反対を押し切り、リアとパールはデートを続ける。だが、パールは真実を話し、リアは逃げ出してしまう。パールはリアを同じ目に合わせられないと感じており、他の吸血鬼たちと喧嘩になる。
母親はその喧嘩もこっそり見ている。

リアは翌日に電話をして、パールと再会する。吸血鬼も愛で通じ合っていれば、お互いの血を吸って永遠に生きられる(なんだこの設定は)とされているが、パールはやはりリアを仲間に引き入れることに抵抗を感じる。だが、屋外で思わず求め合ってしまう2人。
しかし、パールはやはりリアを遠ざけようとする。

仮面パーティの日(これも唐突)。なぜか母親と参加するリアだが、ボブと久しぶりに再会する。ボブは彼女の飲み物に薬を混ぜ、犯そうとする。それを見咎めた吸血鬼軍団に、ボブは血を吸われてしまう。しかしながら途中で母親がそれに気が付き、助けを呼んだため、リアは助かる。

翌朝、目を覚ましたリアだが、マクベスの初日なので舞台に向かう。だが、そこに吸血鬼と化したボブも現れる(同性愛者云々の話はどうなったんですかね……?)。舞台中に襲われるて逃げるリア。
舞台は散々な終わり方をする。

墓場で大喧嘩をするリアたちだが、パールが助けてくれる。ボコボコにされる吸血鬼軍団だが、娘を助けようとした母が噛まれてむごい死に方をしてしまう。その一方でパールと逃げたリアは、結局吸血鬼に変化する道を選ぶ。

1年後。生きていた4人の吸血鬼たちは仮面パーティに乗り込む。ボブはもちろん、他の3人の女性吸血鬼たちも仮面をとると顔がボロボロだ(目が見えないようなものもいる)。ボブは女性と踊りながら、ニヤリと笑う。

まとめ

・フランコは舞台の演出シーンでフンフン頷いているだけ、トーリは隠密のようにひたすらパールのことを調べて反対して、最後に惨殺されるというよくわからない役どころ。てっきり血を吸われたママが仲間になるのかと思いましたけど、違いました。
・同性愛者とヴァンパイアを結びつける論はまあいいのですが、ボブをあっさり仲間に入れる意味がよくわからない。女が好きな集団なら何でもいいのでしょうか?ただ、ボブのビジュアルはけっこうヴァンパイアっぽくてかっこよかったです。でも、気弱だったはずなのに薬を盛って庭で犯そうとするって行動力はどうかと思いました。
・謎の仮面パーティに母親同伴で行く意味とはなんなのか。あと、吸血鬼たちはどうやってマクベスの舞台のオーディションクリアしたんですかね。などなど、謎がいっぱいであります。