「ミュージアム -序章-」

ミュージアム序章

2016年にWOWOWで放送されたらしい「ミュージアム -序章-」。白石晃士監督が手掛けていますが、本編のほうとごっちゃになっていたのが今ではお恥ずかしい。
本編の前日譚のような感じなのですが、当然ですがカエル男のなかには妻夫木聡はおらず、「芸術的な殺人」(という設定)ではなく、どちらかというと翻弄される人間の姿を描いている感じ。かなり原作に忠実な感じで、白石監督のカラーはけっこう薄く感じる。といえば聞こえがいいですが、テレビの作品だなあという印象です。

ネタバレ

(本編のほうに出てくる)幼女樹脂詰め殺人事件について調べている記者・クドウ。刑事に取材をするが、殴られてしまう。倒れているところに謎の男が現れ、事件の秘密を教えるとメモを渡してくる。そして、メモの通りに自宅に戻るクドウ。

自宅はめちゃくちゃになっており、愛娘は誘拐されている。置かれていたスマートフォンの指示に従い、娘のイオリの命を守るため指示に従う。幼女樹脂詰め殺人事件で逮捕された被疑者は冤罪であり、自分が犯人だとカエル男は宣言する。

指示に従い、女子高生を誘拐してしまったクドウは、そのまま彼女を連れて車を走らせる。やらないと娘の体が切断されるからだ。山中に逃げ込むも、女子高生を逃がしてしまい、チンピラ2人に絡まれてしまう。カエル男に指示され、チンピラを殴り殺す。

廃墟の中に女子高生を連れ込み、そのままイスに座らせて縛り付ける。だが、女子高生を殴れと命令されて困ってしまい、戸惑った罰としてイオリに電気ショックが流される。今度はそのまま殴りまくるクドウ。
「最悪だ。でも、俺は最悪なことをやる」

女子高生の名前はミホ。彼女はシングルファーザーに育てられたと教えるカエル男。つまり、クドウとイオリと同じ境遇なのだ。ミホの指を切るように命令される男。それを実行しようとするが、ミホの父が乱入してくる。
「どちらの親子愛が強いかな?」
ミホの父とクドウはにらみ合う。

だが、イオリは自分が死んでもいいから人を殺すなと頼む。
「俺は死んでもいい。他のみんなも死んでもいい。イオリだけは信者いけない。死にたきゃ、生き延びてから自分で死ねよ。誰かをお前に殺させるようなマネは絶対にさせない」
クドウはやめない。ミホに刺されてしまうクドウ。だが、ミホの父を殴り、ミホのことも刺す。
それをイオリは絶望の目で見ている。謝罪するクドウ。

カエル男は、イオリを連れて現れる。彼らは施設の2階にいたのだ。父に寄り添うイオリ、死んだミホに寄り添うように倒れているミホの父。イオリも背中を刺されている。

機材を回収し、雨の中を出ていくカエル男。
「いいサンプルになった。本番が楽しみだなあ」
そして、クドウたちの死体がある廃屋はそのまま爆発する。

感想

・電気ショックを流す描写が、低周波治療器で罰ゲームを受けている芸人にしか見えなかった……
・「親子愛を確かめ合う(ために殺し合え)」にしても、うすーい感じがしてあんまり……本編のほうがまだいろいろ仕掛けがあったような気がするので、薄味に感じてしまうのでしょうか。
・カエル男が明らかに別人(本編ではマスク姿でも声は妻夫木、こちらでは別の人の声に聞こえました)なので、別の話のように感じられてしまった。