「ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄」

ペイザゴースト

2016年のカナダ映画「ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄」を見ました。主演はニコラス・ケイジ。
ハロウィンの日に忽然と姿を消した息子を取り戻すため、奔走する父。だが、恐るべき悪霊が彼の行く手を阻み……という、完全なるオカルトもの。子供の幽霊(ハロウィン仮装バージョン)がたくさん出てきます。

あらすじ

ハロウィンを巡る伝承をモチーフに贈るニコラス・ケイジ主演のミステリー・ホラー。ハロウィンの夜に姿を消した最愛の息子の行方を捜す主人公を待ち受ける驚きの真相を描く。共演はサラ・ウェイン・キャリーズ、ヴェロニカ・フェレ。監督は「バーダー・マインホフ 理想の果てに」のウーリー・エデル。
ニューヨークの大学で教鞭をとるマイクは、7歳の息子チャーリーにせがまれ、ハロウィンで賑わう祭りに連れて行く。ところがチャーリーは、“ゴーストに償ってくれる?”という謎のことばを残して忽然と消えてしまう。以来、懸命にチャーリーを捜し続けるマイクだったが、その行方は杳として知れず、妻のクリステンとの関係も悪化してしまう。それから1年、必死に手がかりを追うマイクの周辺で次々と不可解な現象が起こる中、やがて、毎年ハロウィンに子供たちの失踪事件が起きていて、その子たちは決して帰ってこないという恐るべき事実を突き止めるマイクだったが…。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=357820

ネタバレ

ペイザゴースト1

地下室に隠れている3人の子ども。だが、地上にいる何かが彼らを襲う!

深夜、マイクは子供のチャーリーに起こされる。彼はひどく怯えている。
マイクは大学教授。生徒たちに「魔王」の話をしている。彼はようやく終身雇用が決まり、大喜びだ。
チャーリーは窓の外に黒い影を見つける。

マイクとチャーリーは夜中に、ハロウィンのお祭りへ遊びに出かける。息子は夜中なのに空を飛ぶ鳥を見つける。アイスを買うために行列に並んでいた親子だが、突然息子はつぶやく。
「パパ、幽霊に借りを支払って……」
(これがタイトルの「pay the ghost」の意味でもある)
その後、チャーリーは忽然と姿を消す。

夫婦はさんざん探し回り、警察にも通報する。だが、見つからない。
マイクは息子が戻ってきて、「窓の外を見て」と言われる夢を見る。だが、窓の外にいたのは霊だった!(というよりも、悪霊っぽいもののアップ)
嫁にひたすら責められるマイク。

そして1年後。マイクはまだ、チャーリーのことを諦めていない。警察に幼児性愛者の情報を調べては連絡し、疎ましがられている。その一方で、嫁とは別居している。
だが、マイクはバスに乗っている息子を見つけ、追いかける。
息子は見失うが、たどり着いた場所には「幽霊に借りを払え」と書かれていた。彼はビルの中に入っていくが、そこには口をきかない人たちが彷徨うコミュニティがあった。そこにいた盲目でドレッドヘアのホームレスは何かを知っているようだ。「アア~~」という女性の唸り声。彼らは慌てて焚火に覆いをする。男はそれを「ハロウィンの前に出てくる何か」だという。そして、マイクを建物の奥へと連れて行く。そこにはやはり「幽霊に借りを払え」という文字が大量に刻まれていた。

嫁のクリスティンは、相変わらずマイクを責め続けている。
マイクは家に帰るが、彼のビデオに不思議な映像が映る。家と子供たち。そして、また悪霊のアップ(いい加減にしてほしいほど、しょうもない展開)。

クリスティンは夜中に何かの気配を感じていた。そして、マイクに協力することにする。
マイクはニューヨークで、毎年子供たちが行方不明になっていることを知る。そして、2年前に失踪した女の子の家族を尋ねることにする。だが、家は荒れ果て、父は薬物中毒になっていた。マイクから金をもらった父は、「幽霊に借りを払える」と呟く。
マイクは一応、この話を警察の担当刑事に連絡をする。

夫婦は久しぶりに食事を一緒にする。

刑事は以前失踪した子の家を訪ねる。アジア人の母は、子供の声を聞いたと証言する。
「ママ、幽霊から助け出して」
その言葉を放った途端、厨房(この家はチャイナタウンのレストラン)から火が上がる。まるで意思があるように。

食事の用意を家でしているマイクだが、突然電気が消える。そして、通りに袋を被せられた3人の子が見える。だが、そのまま彼女は燃え上がってしまう。そして、部屋中に生気を失っている子供たちがいる!だが、電気がついた瞬間、彼らは消えてしまう。

霊媒師を呼ぶ夫婦。だが、雷が轟き、霊媒師の女性はおののく。
「現れた……」
子供たちを皆連れているという霊媒師だが、彼女は突然壁に叩きつけられ、首を締めあげられる。そして、黒い鼻血を出して絶命する。刑事に怒られるマイク。

夜。今度は、クリスティンが息子の霊に体を奪われる(だが、本当の息子かはわからない)。
彼女はハサミで、自分の腕にマークを彫っている。

霊媒師の遺体がある死体安置所。何かがいる気配がする。彼女の遺体は、体の中から真っ黒に焼けてしまっている。

クリスティンの腕のマークは、ケルトの三相女神に関連しているものだったようだ。だが、意味はわからない。夫婦はケルト文化に詳しい女性に話を聞くことができるが、アメリカで最初にハロウィンをやった土地がケルトだと聞かされる。そのマークは欠けている月だ。憎しみのあまり母性を失った老女の象徴だという。彼女はハロウィンに、3人の子をさらいにやってくるそうだ。だが、前年にさらわれた子に限り、ハロウィンの夜に扉をくぐって現世に戻ってくることができる。ただし、タイムリミットは24時までだ。

泣き叫んでいる女は、ハロウィンになると子どもを思い出して泣くのだという。
彼女の名はアニー・ソークイン。3人の子供と住んでいたが、インフルエンザの流行を彼女のせいだと信じていた暴行に子どもを殺された過去を持っていた。

以前、チャーリーがバスで導いてくれた建物に向かうマイク。彼は地下に向かい歩き続ける。
彼は地下室に降りるが、そこにはたくさんの子供がおり、彼に手を伸ばす。チャーリーを見つける父。息子は同じく昨年ここにさらわれた2人の子も一緒に連れて逃げたいという。マイクは快諾する。
だが、悪霊がマイクを襲う。チャーリーは「パパを助けて!」と叫び、おそらく子供たちの幽霊がマイクを助けてくれる(真っ暗な世界で、白い光がどんどん解き放たれる)。いつのまにかあった橋を渡る4人。マイクとチャーリーは落っこちかけるが、どうにか助かる。

チャーリーを家に連れて帰るマイク。クリスティンは大喜びする。
だが、通りには大きなハゲワシ?が飛行している。

ある建物から落下したのか、金髪の女性(誰か特定できませんでした。子供ではない)が落っこちて死んでしまったようだ。その女性のまわりを、やはり鳥が囲んでいる。

感想

・見どころは大量の子供の幽霊が闇の中にいるところかな。あとはびっくりホラー的な仕掛けしかありません。鳥を悪霊のモチーフにしたかったようですが、さほど出てこなかった。
・とってつけたような霊媒師の登場。そして、刑事も少しだけ物語に絡みつつ、別に犠牲になるわけでもなく、マイクを逮捕するわけでもなく、ラストにはまったく出てこず。何だったんでしょうか。
・息子が海賊のコスプレをしていたのですが、眼帯を直接顔に書いていたのが面白かった。「あしたのジョー」感がすごい。