「ザ・コレクター」

ザコレクター

ロシア系の映画だろうか?「ザ・コレクター」。
地下鉄に乗っているところを襲われ、人間を捕食する何かに追われる人たちと、彼らを探す友人たちの話が交互に挿入されます。私の大好きな地下鉄ホラー、かつ人間狩りのお話。

登場人物

ディナ:コスプレイヤーの女の子(スチームパンクファッションっぽいけど)。
ローマ:カップルの男のほう。ダーシャを愛している。
ダーシャ:カップルの女のほう。ローマと付き合っている。
青年実業家:何か秘密を隠している。入口を見つけたのにわざと隠した。
中国人男性:基本的には中国語しか話さない。手錠でアタッシュケースと繋がれているが、その中身は明かされない。
ハンチングの男:ハンチングをかぶり、冷静に事態を分析しようとする。

アルテム:ローマとダーシャの友人。地下鉄に乗っていたが途中で降り、助かっている。
レナ:アルテムの彼女。
エゴール:地下鉄線路の案内人。兄とその息子が行方不明になっている。

ネタバレ

コスプレイベントにいるディナ。イベントを堪能して帰途につく。地下鉄にのろうとする彼女。
青年実業家は自殺をしようとしているように見えるが、ハンチングの男が彼にチョコレートをわたして、彼は地下鉄に飛び込むのをやめる。
ディナが地下鉄に乗るのとすれ違いで、アルテムとレナは電車から降りる。そして、地下鉄は走り去る。

5日後。アルテムとレナは、いなくなった友人のローマとダーシャを探すため、地下鉄に詳しいエゴールに助けを頼む。

電車に乗っていたディナたちだが、運転手が何かに襲われ、さらに他の乗客たちも襲われているのがわかる。6人は電車から降り、線路伝いに逃げる。

アルテムとレナ、エゴールたちも地下鉄線路に忍び込む。

青年実業家は出口を見つけるが、それを秘密にしてしまう。

エゴールは兄・ヤシュとその息子も地下鉄に入り、そのまま行方不明になっていると語る。兄こそ地下の探検のプロだった。

生き残った6人は身を潜めるが、意見はまとまらない。
エゴールやアルテムは彼らの道どりをたどる。

この6人が揃ったのは偶然?ハンチングの男が推測するが、何も出てこない。

ヤシュはどこに行ったのだろうか?
線路にぽつんと放置されているクリスマスツリーの飾りには、大量の返り血がかかっている。

6人は移動しながらオウム真理教のことを話している。これは神経ガスを吸ってみている幻覚なのだろうか?

エゴールは壁に描かれている儀式のマークや手術道具などを発見する。
だが、そこにはテレビ撮影をしているクルーがいたのだった(なんだこの展開)。敏腕女性プロデューサーやコーディネーターのマックス(エゴールとは犬猿の仲)、黄色いレインコートを着ている男(知的障碍者のように見えるが、なぜこの現場にいるのかはよくわからない。ただし、彼には霊能力があるため、それでテレビに呼ばれたのだろうか?)などがいる。

6人はまた行き止まりにたどりつく。何かの咆哮が聞こえてくる。
隙間にひっかかってしまったハンチング男。ローマは彼を励ますが(彼は閉所恐怖症である)「後ろから引っ張られる」という言葉と共に、男はあっという間に後ろに引きずられて消えてしまう。

テレビ撮影を待っているエゴールたちだが、カメラマンやスタッフが襲われ、次々殺される。
エゴール、アルテム、レナ、マックス、女性プロデューサー、レインコートの男だけが生き残り、彼らも逃げることになる。
「上にいる……上に」
そうレインコートの男が呟いた瞬間、マックスは上に潜んでいた何かに引き上げられて殺されてしまう。

ディナたちの行く手は、下水?によって塞がれている。中国人が潜って逃げたのをきっかけに、マネしていく他の5人。
ハンチングの男はまだ生きており、片足をケガしたまま彷徨っている。
ダーシャは途中で溺れてしまうが、中国人が水を吐かせて助けてくれる。

女性プロデューサーは謎の部屋で何かと遭遇するが、こっそりと逃げる。割れたメガネをかけ直し、髪を触ったらどんどん髪の毛が抜ける(もしかしたら着られたのかもしれないが)。そのまま、女性プロデューサーは殺されてしまう。

アルテム、レナ、レインコートの男はエゴールに助けられ、廃電車の中に逃げ込む。だが、エゴールに閉じ込められてしまう。
「ヤシュは変わった。もうあんたの兄じゃない」
レインコートの男はつぶやく。彼らを襲っていた何かは、ヤシュだったのだ。

ディナたちはしみじみと思い出に浸る。ローマはダーシャにプロポーズをする。

エゴールはヤシュに首をつかまれ、持ち上げられて殺されてしまう。

ディナは近付いてきた何かをコスプレ用の刀(模造刀)で殺すが、それはハンチング男だった。
たばこをくゆらす中国人の後ろに、ヤシュが忍び寄る。たばこの火が瞬き、それが見える。

アルテムたちが閉じ込められた電車を、ワニのような、トカゲの目のような化け物が覗いている。

青年実業家は出口についてようやく白状し、たまっていた借金を生命保険で返そうとしていたとカミングアウトする。彼のせいで脱出できず、2人が死んだ。ディナは彼を刺殺してしまう。
ローマは3人で逃げようとするが、既に潜んでいた化け物はディナの頭を撫でている。そして彼女も殺される。
ローマはダーシャの身代わりになり、時間をかせいで彼女だけでも逃がそうとするが、ダーシャはアルテムのことが好きで付き合っていると告白し、ローマのプロポーズは受けられないとこのタイミングでカミングアウトしてしまう。
だが、ローマには既に化け物が近付いてきている。ダーシャは逃げるが、エゴールと鉢合わせする。

エゴールと化け物(ヤシュ)は、倒れたダーシャを引きずって歩いていく。

「ダーシャはあっちだ……」
レインコートの男はアルテムに教える。レナ(おそらく、ダーシャとの関係に気付いている)は逃げようとせかすが、やってきた電車によってアルテムとレインコートの男、レナは分断されてしまう。そして、その瞬間、レナはヤシュに殺されてしまう。レナは自分よりもダーシャを気に掛けるアルテムを怒りながら死んでしまう。

レインコートの男を駅に向かって逃がし、アルテムはダーシャを助けに向かう。

ヤシュは、殺した人間の死体をバラバラにしている。ダーシャは息を吹き返し、逃げ出そうとする。
だが、ヤシュの息子(彼も化け物になっている)と遭遇し、逃がしてくれと懇願するも謎のガスを吹きかけられてしまう。
見つかるも、逃げるダーシャ。だが、彼女はクリスマスツリーのところで追い詰められ、ヤシュを殺すことに成功したようだ。

梯子をのぼりマンホールから逃げようとするが、彼女は光を見て昏倒し、また線路に落ちてしまう。

充血していくダーシャの目。それは、ヤシュと同じものに変わる。

アルテムに迫っていた化け物。その手には、ダーシャと同じ手のひらのマーク(入れ墨なのか落書きなのかわからないけれど、動物の足跡みたいなマークがある)が見える。
アルテムとそれは見つめ合う。画面が暗転する中、ガスの噴き出す音がする。

感想

・レインコートの男だけ生還したという、「CUBE」のラストみたいな終わり方。
・実はこの6人がここにいるのには理由があるのでは?と言われていましたが、特に意味はなかったのかもしれない。現実から逃げたいという気持ちが共通していた?のかもしれないですが。
・ヤシュとその息子も、なにかから感染し、そしてダーシャはアルテムを感染させたのかもしれません。ただし、この謎の化け物がワニっぽいような、トカゲっぽいような顔はしているものの、体はけっこうゴツゴツしているのでバランスが変な感じ。
・エゴールはなぜ兄と意思疎通できたのか、そしてなぜ今回に限って襲われたのか?
・テレビ番組の撮影していたというエピソードはなぜ挿入されたのかよくわからない(殺され役が大量に増えたけど)ですが、ここらへんのセットのチープさはすごい。その代わり、ヤシュの本当の拠点は真っ赤なオシャレカーペットで統一されていて、うちよりキレイだった……。