「女子高」

女子高

2016年の映画「女子高」。
女子校というものを何だと思っているのかね?と言いたくなるようなこのお話、私は好きではありません。とてもわかりやすく、とてもベタではあるのですが。日本なのに銃がバンバン出てきます。

あらすじ

AKB48の峯岸みなみの映画初主演で贈る青春ミステリー・サスペンス。女子高卒業以来、7年ぶりに再会した仲良し6人組の同窓会が復讐の殺人現場となり、みんなで高校時代の記憶を辿りながら犯人を突き止めようとしていく中で疑心暗鬼と恐怖が高まっていくさまを描く。共演は「劇場霊」の高田里穂。監督は本作の元となる劇団PU-PU-JUICEの同名舞台の作・演出を手がけた「サムライダッシュ」の山本浩貴。
廃校になった深夜の母校に忍び込んだ高橋香月ら6人の同級生たち。7年ぶりの再会を喜び、思い出話に花を咲かせる。ところが突然電気が消え、教室が真っ暗になると同時に、一発の銃声が。再び電気がついたときには、同級生の一人が胸から血を流して倒れていた。香月たちは、この事件の原因が女子高時代の出来事にあると確信し、犯人を突き止めるべくそれぞれの記憶を呼び起こしていくのだったが…。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=354578

登場人物

香月:主人公。比較的温厚で、周囲に合わせるタイプ。現在は結婚して子供もいる。
美冬:美人の転校生。元いじめられっこ。だが、周囲をかき乱すようなことを平気でやったりもする。夏美のことが好き。
夏美:いじめられっこだったが、転校してきた美冬に救われた。それ以来、いつもともに行動している。だが、卒業式の日に自殺した。
亜里沙:曲がったことが大嫌いな直情型の女子。クラスではリーダー格だった。
貴子:飽きっぽく、自信過剰なところがある。現在は有名女優。
エリカ:貴子と張り合うことが多い。昔はモデルとして活躍していたが、現在はキャバ嬢になっており、貴子と立場が逆転している。
友香:マジメで引っ込み思案な性格。現在は垢抜けた印象になっている。
矢沢:夏美を執拗にいじめるヤンキー。過去のパートにしか登場しない。

ネタバレ

女子高1

学校に忍び込む香月。彼女たちは廃校が決まった母校で同窓会をするつもりなのだ。昔話で盛り上がっているようで、どこか冷めているところもある彼女たち。急に電気が消え、再びついたときには
なんと美冬が銃で撃たれている。そこに、突然メールが届く。「犯人は誰だ?復讐の始まり」
それは夏美からのメールだった。

高校時代。美冬が転校してくる。
香月は美冬が気になり、自分が所属しているダンスチームに引っ張り込む。仲間に入るために、タバスコの一気飲みをする美冬。(ちなみに、タバスコに差していたストローが突然消えているカットもあります)

ボウリングで遊ぶ6人だが、香月は気になっているジュンヤと鉢合わせてしまう。美冬は香月の態度を見て、ジュンヤに「(香月への気持ちを)はっきりしてください」と煽る。焦る香月だが、ジュンヤはその言葉に圧されたように、彼女に告白して交際がスタートする。

いじめられっ子の夏美はトイレで矢沢に突き飛ばされている。モップで処女喪失させられそうになる(そんなことできるのか?)夏美だが、偶然居合わせた美冬に助けられる。亜里沙もそれに加勢する。夏美は落ち込んでいるが、美冬は自分も元いじめられっこで転校してきたと告白し、彼女を元気づける。さらに、矢沢のいじめをチクり、彼女をクラスメイトの前で転ばせる。

実は刑事になっていた亜里沙の指示で、鑑識が来るまで待機することになった5人。彼女たちは美冬のことを思い出すが、「いい子だった」という声に、疑問の声も持ち上がる。

亜里沙の制服が盗まれ、彼女は下着姿で矢沢と喧嘩になる。矢沢はカッターで彼女に切りつけ、その時の頬の傷はまだ残っている。誰が制服を盗んだのか?
エリカの彼氏を目撃したと言い出す美冬。だが、彼女の口ぶりはどう解釈してもエリカが援助交際をしていたと言わんばかりだ。夏美と2人くりになった美冬は、エリカへのイジワルはわざとだと言う。彼女が生意気だから、というのだ。アリサの服がなくなったのも、美冬の仕業だという。

美冬はクラス演劇の貴子の配役(「ロミオとジュリエット」のジュリエット役)をとってしまい、担任の教師に皆の前で役になりきったままキスをする(おそらく、貴子は担任の教師に憧れているのだろう。ちなみに担任は風間トオルっす)

また、ジュンヤはダンスチームの誰かと浮気をしているようだ。部室で誰かと逢引していたらしい(※部外者が校内に侵入するのは犯罪です)ジュンヤは、どんどん香月に冷たくなっていく。香月も、その浮気相手が美冬だと(彼女にプレゼントしたミサンガで)確信する。
香月と美冬は喧嘩になるが「カレ、ベッドの中であなたにウンザリって言ってたよ」と言い捨てられ、唖然とする。さらに、美冬を非難した友香にも美冬は強く当たり、それでいて担任の前ではいい子を演じ続ける。

皆に動機があった。
香月はトイレに行くが、背後に夏美がいた気がして怯える。まだ被害者が出るのだろうか?
そして、美冬と夏美の関係とは?

女子高2

美冬は夏美が好きだった。美冬は両親が離婚しており、高校生で一人暮らしをしているという複雑な家庭で育ったと告白し、夏美にキスする。「誰かに言ったら殺すから」
だが、美冬が同性愛者だという噂が広まる。美冬は夏美がバラしたと思い、彼女につかみかかる。

矢沢に呼び出された美冬は、夜の体育館にのこのこ出かける。そこには不良の男が待ち伏せしており、強気の美冬をボコボコにして強姦する。大雨のなか、事後。びしょびしょ&服ヨレヨレで体育館から出て、歩いていく美冬。

そして卒業式の日。
美冬は夏美に、片方だけピアスをプレゼントする。
「私たち、卒業しても友達だよね。
さようなら、夏美。私が唯一心を許した夏美。
そして私を裏切った。あなたなんか死ねばいい」
美冬は立ち去る。

クラスでは、卒業パーティが行われている。香月たちはダンスを披露(ちなみにm-floの「come again」に合わせて)して、喝采を浴びる。
そして最後の写真撮影。姿を見せない夏美を探しに行く美冬だが、落ちているピアスを発見し、さらに首を吊っている美冬を見つける。その上履きには、美冬が書いたイラストがある。
この事件をきっかけに、女子高は廃校になってしまったのだ。

美冬が同性愛者だと言いふらしたのは友香だった。友香は美冬を恨んでいたのだ。でも、友香は犯人じゃない。犯人なんていないのかもしれないという香月。夏美は殺されたんじゃない、自殺だったのだと。美冬は皆に疑問を投げかけたくて、自ら死んだのだ。

香月の推理に納得し、解散することにした彼女たち。貴子やエリカ、友香たちは帰っていく。だが、香月は見咎められる。生きていた美冬が出てきて、香月が持って帰ろうとした夏美のピアスを出すように命じる。美冬と亜里沙は組んでおり、夏美の死の真相を追っていたのだ。夏美を殺したのは、香月だった。

亜里沙は喫煙しながら「タバコ吸うたびに、命って限られてるんだなって実感するよ」と呟く。

ジュンヤと付き合っていたのは美冬ではなく、夏美だったのだ。美冬は夏美をかばっていた。だが、卒業式の日にそれに気付いた香月に呼び出された夏美。だが、彼女は別れないとごねる。
かっとした香月は、夏美の首をロープ(どこから出てきたの?)で絞めて殺してしまう。

香月は犯行を認める。彼女の頭に銃をつきつける美冬。
「いい?」
「うん、いいよ」
香月はそっと目を閉じる。

感想

・舞台なら気にならないと思うのですが、映像化されるとなんだかいろいろ気になる。
・そもそも卒業式の日、不自然に席を外した香月の犯行だということはありありとわかるのですが……それに、「同性愛」「援助交際」「教師への恋」「いじめ」「男の取り合い」を女子高の風物詩みたいに描かれると違和感があります。
・ジュンヤは女子高に入ってきてイチャこくなんてすごい神経してますね。
・ラスト、香月は復讐されたのだろうか?という疑問が残るラストではあるのですが、見ているこっち側としては「どっちでもいいや」という印象しかありません。だって男の取り合いで人殺すぞ!という動機がそもそも、火サス寄りなんですもの。
・久しぶりにm-floを聞けて嬉しかった。