「スウィート・ホーム」

sweethome

2015年のスペイン/ポーランド映画「スウィート・ホーム」。
・「REC」のプロデューサーが絡んでいるだけあり、後半は特に怖い。なめてかかっていたらマジで怖い。
・立ち退きを迫られるアパートに忍び込んだカップルだが、人を殺して物理的に家を空けさせる業者と遭遇する
・当初は渡り合っていたカップルだが、ある恐ろしい“殺人マシーン”が投入されたことで、カップルは想像もつかない恐ろしい夜を過ごすことになる。

ネタバレ

スペインの退去者は年間5万人
85パーセントは円満に解決
13パーセントは強制退去
残り2パーセントは特別な方法で行われている

シャワーを浴びているおばあさん。だが、虫のついているスポンジを自分が掴んでいることに気が付き、そのまま転倒して死亡する。シャワーカーテンの外側には、虫をつけた“誰か”がいる。

アリはある建物を見て回っている。そのアパートは、立ち退きを拒むおじいさんしか住んでいない。おじいさんは立ち退かないと明言しているが、家自体はボロボロになっており、住み続けられないはずだとアリは断言する。

彼女にはサイモンという恋人がいた。サイモンの誕生日を祝うため、おじいさんが住んでいるマンションの空き部屋に忍び込む。彼らはイチャイチャとした時間を過ごす。
サイモンは今は看護師として働いているが、将来は医師になりたいと思っている。だが、今はそれを諦めるしかないのかもしれない、とも考えている。アリはそんな彼に機嫌を損ね、喧嘩になる。だが、その瞬間に建物の電気が消える。

おじいさんの飼い猫を見つけたアリは、謎の男3人をも発見する。じいさんは既に死んでおり、彼女は男たちがじいさんを殺したと直感でわかる。
アリはサイモンに電話をかけるが、彼は携帯電話を車に忘れている。しかも、アリは自分の電話を落として壊した音で、存在を男たちに知られてしまう。

隠れるアリ。だが、サイモンは彼女を探しに出てきてしまい、男たちに捕まる。暴れたサイモンのせいで、1人の男が意識不明になってしまう。アリは外に出ようとするが、扉に鎖をつけられていて出られない。しかも、外は嵐で叫び声も聞こえない。

サイモンは医師と勘違いされ、意識不明の男を救うように残り2人に命令される。だが、男は脊髄を損傷しており、その場で治せるものではない。男たちはマスクをとって喧嘩を始め、サイモンはその隙にナイフを盗む。

サイモンは皆がいなくなった時、男の携帯を発見して警察に電話をかけるが、自分のいる場所がわからない。
(アリがサプライズで連れてきたので)
しかも、電話をかけていたのを見つかってしまう。サイモンは刺されるが、相手を刺し返して殺す。しかし、それをアリに目撃される。アリは戸惑うが、彼らは別の部屋に隠れることにする。

残り1人。追ってくる男の目にスプレーをして、アリは彼を撃退する。立てこもる彼ら。
アリたちは床に開いた穴を通じて、建物の設計図が置かれている工事中の部屋に辿り着く。怪我をしたサイモンを助けるために、アリは抜け道を探す。

とりあえず、アリはじいさんの部屋に行って助けを呼ぶことにする。
男は消火器でドアをたたき壊し、中に入ろうとする。だが、差し込んだ手を、サイモンによってドアノブにくくりつけられてしまう。

そこに、あるトラックが到着する。「スパイダー社」と書かれているトラック。
アリたちは道にじいさんの死体を落として通行人に気付いてもらおうとするが、そのガスマスク男は敵だった。アリに気付いた彼。

ドアとくっついてしまっている男は、後から来た男に手を切り落とされ、続けて首も切られてしまう。さらに、ガス攻撃が彼らを襲う!
アリとサイモンは、後から来た謎のガスマスク男が残された死体をガスで凍らせ、そのまま砕いて処理するのを見ている。

サイモンは刺された傷を縫い合わせる。アリとサイモンは仲直りする。
だが、そこに男が迫る。

彼らは逃げようとするが、逃げ道を絶たれてしまう。サイモンはアリを逃がし、自分は囮となる。サイモンは踊り場から叩き落され、上階から転落する。
アリはある部屋の中、ドアの覗き穴から外を見ている。だが、そこに突然ハンマーが叩きつけられる!(見ている側もアリと同じ視点なので、死ぬほどビックリする)

樋をつたって降りようとするアリ。別の部屋に移動する。
老人が使用していたレコードプレーヤーを動かし、ガスマスク男をひきつけるアリ。だが、階下に到着した際、サイモンがまだ生きていることに気が付く。彼に駆け寄るアリだが、ガスマスク男は無情にも上から何かを落とし、サイモンの頭を潰してしまう。

地下の下水へ逃げるアリ。だが、それでも捕まる!

彼女が目を開けると、無機質な部屋で裸にさせられている。体にはマジックで切断線が描かれており、ガスマスク男はいそいそと準備をしている。これから彼女はバラバラにされるのだ。
ノコで足を切断される直前、アリは男のノドを刺し貫く。揉み合いが続くが、アリは男を殺すことに成功する。かと思いきや、また生き返る男。アリはオノを手に、「クソ野郎、地獄に落ちろ!」と喚き、とどめをさす。

疲労困憊の彼女は床に転がる。その上にはいつもの街が広がり、朝がやってきたのがわかる。
(彼女は地下室に監禁されていたのだ)

感想

・前半はドタバタおまぬけアクションの側面もありましたが、ガスマスク男が出てきてからの恐ろしさ、しつこさが怖い。
そう、(あくまで物語の、ですが)殺人鬼はしつこくあるべきなのです!しつこくねちっこく犯人を追いかける展開がたまらない。
・しかし不法侵入をしたらこうなるという戒めなのか、立ち退き業者が怖いのか、よくわからない。
・ガスマスクをしているものの、それが殺人鬼のキャラクターではない。大柄の“顔のない”男が音もなく忍び寄ってくる恐怖を堪能せよ!
・ラストシーンはとても印象的。惨劇が起きている時にも、世界が美しい瞬間があるというのが何よりも怖い。朝がまたキレイなんですね。