「ファンハウス」

funhouse

2015年のアメリカ映画「ファンハウス」です。
・フレディ役で有名なロバート・イングランドが出演(製作にはかかわっていない様子)
・殺人鬼をモチーフにしたファンハウス(お化け屋敷)で、本物の殺人鬼が登場
・アホな若者たちが襲われる話

ネタバレ

精神病院に、記者のクインという女性が訪れる。案内をするケーン院長(ロバート・イングランド)。彼はクインに、病院の奥に監禁されているサイコ殺人犯たちを見せる。

①アニマル・ザ・カニバル
本名はジェフリー・ラムジーズ。客に客を出していたことで知られるシェフ。“食材”から反撃されて片目を失った。オーナーたちは店の評判を落とすことを恐れ、行方不明扱いとして彼を病院に連れてきた。
②ブラッドフォード・ヤング
女性から「イケメン先生」と呼ばれている。歯医者。「全部抜く」がモットー。客を椅子に拘束して、死ぬまでひっこ抜く!
③ウォルター・ハリス
人間のはく製を作るのが趣味。
④ピエロのロッコ
巨大なピエロ。地下プロレスラーだったが、対戦相手を殺したことで殺人鬼と化した。そのままレスラーを追放される。
⑤マニュアル・ダイアー
「知性のマニー」と呼ばれる、カルト教団の教祖。集団自殺の首謀者。

突然、具合が悪くなるクイン。院長室に案内される。院長に突然キスするクイン。だが、隙を見て院長の首をワイヤーで締める。警備員も刺殺&射殺して、クインはサイコパスたちを次々逃がす。

クインは、メイクをしている。顔を真っ白に塗り、血飛沫をすくって鼻につける。彼女はマニュアル・ダイアーの娘だったのだ。彼女自身も「ステッチフェイス・キラー」というシリアルキラーでもある。

モーテルでは、殺人事件が起こっている。女性はなぜ殺されたのか。しっかり者の保安官・キャサリンとおバカな保安官・ドイルが捜査している。

ダイナーでは、若者たちがバイトしている。
ハチのコスプレをしているローリー。彼女に恋しているのが主人公のモーガン(彼はドクター・フーのコスプレをしているらしい)。
セクシーなクリントンのコスプレのクリスティーナは、「俺自身のコスプレをしている」というジェイソンとしょっちゅうセックスしている。(ちなみにアジア人と黒人のカップル)
キッチンにはマチェーテのコスプレをしているジェラルドもいる。
クレイマーの客・チャーリーのステーキにツバ?鼻水?を垂らす若者たち。

ニュースでは、ファンハウス(アメリカの移動式お化け屋敷みたいなもん)がオープンしたというニュースが流れている。
ゾンビのコスプレをしたランダルとマイキーと一緒に、ファンハウスに出かけることにした彼ら。チャーリーだけが店に取り残されている。

ファンハウスでは、実際に起きた事件がモチーフに内装が作られている。そこに入っていくシリアルキラーたち。キャストを捕まえ、殺している。ピエロのロッコは素手で顔を掴んだまま、皮を剥がす。
支配人の男は、勝手に侵入したマニーを怒鳴る。机の上の写真を見ているマニー。
「ただのセフレだよ」
「うちの娘だ」
なんと、支配人の男と娘=ステッチフェイス・キラーは関係を持っていた。そして、父や他のサイコパスたちの情報を流し、彼らが思う存分人を殺せる“帰還のステージ”を作り上げていたのだ。
支配人の男を、生皮(さっき、ピエロから剥いだ顔の皮)を顔に乗せたロッコが連れていく。

モーガンたちはファンハウスに向かっている。

DJのボブとドクターデイブがステージに招かれている。彼らは敷地内でDJをしながら、来場者を楽しませるらしい。

敷地内には「戻るならイマだ」「全員殺す」というポスターが貼られている。既に来場者がいるが、殺された人間と写真撮影してインスタグラムに上げている女子や、暗くなった瞬間に殺される来場者などもいる。

モーガンたちはファンハウスに到着するが、ジェラルドだけは「怖いから」と駐車場に待機する。

保安官のドイルは警察署でテレビゲームをしている。だが、ファンハウスからのイタ電に困らされている。

モーガンたちは全て演出だと思っている。
・逃げてきたピエロ(顔の皮がない)の首を折るロッコ
・本物の死体がいっぱいある
・歯医者や剥製男が本当に人を殺している
・教室で、ノドをかき切られる女性
写真撮影をして楽しむジェイソン。

クリスティーナとジェイソンはトイレに行き、セックスを始める。マイキーとランダルは食べ物を買いに出かける。モーガンとローリーは輪投げをしに行くことになる。

一方、ロッコはファンハウスを締め切る。警備員のフリをしているアニマル・ザ・カニバルはひたすらニヤニヤしている(太った客を吟味している)。
ジェラルドは車の中で、大好きなママと電話している。

トイレで合体中のクリスティーナたちだが、投げたブラが隣の個室に落ちる。その上に足を下ろす誰か。ステッチフェイス・キラーだ。

ドイルはファンハウスからの通報をイタ電だと思い込み、ずっと無視している。

セックスが終わった後、クリスティーナはトイレに残っている。そこでステッチフェイス・キラーに襲われる彼女。踊るように彼女を切るステッチフェイス・キラーだが、顔を切られたクリスティーナは反撃し、彼女の顔をトイレの便器に突っ込む。メイクが溶けてだんだら模様になるステッチフェイス・キラー。彼女はクリスティーナを壁に押し付け、バッグをかけるためのフックで首を貫く。

キャサリンは女性が殺された現場に戻る。この被害者が本物のクインだ。彼女は、何か見覚えがある気がしている。

クリスティーナを運ぶステッチフェイス・キラーを目撃したローリー。彼女を追いかける若者たちだが、モーガンだけがはぐれてしまう。

教室セット(ステッチフェイス・キラーは、教室で級友を殺したのだろうか?口ぶりは教師っぽいんですけどね……彼女のバックボーンは明かされていません)に「劣等生」という三角帽子をかぶらされ、教室の隅に座らされているクリスティーナの死体がある。
※アメリカの学校では、ルールを破るとこういうおしおきをされます。今はないでしょうが。

ジェイソンは怒り狂うが、教室にいた人形―ではなく、人間が縫われた口を裂き、叫び出す!(ステッチフェイス・キラーは人の目と口を縫い合わせて殺すみたいですが、縫うシーンなどはありません)

彼らは外に逃げようとするが、出られない。チビのランダルがピエロのロッコに投げられて死んでしまう。

キャサリンとドイルは精神病院に向かう。

ロッコはまだまだ追いかけてくる。ロッコは転んだヒゲ男・マイキーを遊具のハンマー(叩いておもりがどのくらい跳ね上がるかで得点を競う遊具。名前知らん)で叩き潰す。おもりが最高得点を記録する。
追われているモーガンだけがフェンスの下をくぐり、ジェイソンはフェンスに押し付けられて死亡する。ローリーは「逃げて!助けを呼んで!」と叫んで逃げていく。

駐車場にはジェラルドがいるが、彼のいる車を血まみれの女性が叩く。驚くジェラルド。

精神病院では皆が死んでいる。キャサリンは驚く。ドイルは血飛沫でズルズル滑って転びまくっている。
その帰路で、キャサリンとドイルはモーガンと鉢合わせる。ドイルは驚いてモーガンを撃ちかけ、キャサリンに怒られる。3人は殺人鬼たちに立ち向かうことになる。

ローリーは、歯医者に襲われているスタッフを見つける(支配人にいびられまくっていた男でもある)。彼女はスタッフと共闘して、耳に鉗子?を刺し、それを深く突き刺す。ブラッドフォード・ヤングは呆気なく死んでしまう。
「歯医者、大っ嫌い」
とローリは呟く。

ステージでしゃべるDJたちだが、マニーに首を折られ、マイクを口に突っ込まれて死亡する。演説を始める彼。逃げ出す人たち。

ゲームコーナーでは大量の人が死んでいる。「面白そうだな」と呟いちゃうドイル。

ステージでは、殺人鬼たちが全員集合している。彼らはステージから降り、客を殺しだす!
キャサリンはここでいろいろ思い出す。実は、彼女はマニーの教団の集団自殺事件の生き残りだったのだ。信者の母は、彼女の目の前で殺された。キャサリンはマニーとステッチフェイス・キラー(娘)をはっきり思い出す。

ローリーは生き残っていた普通ピエロと一緒に、ケガをしているスタッフ(歯医者から救った)を連れて逃げているが、ピエロが逃げてしまう。スタッフも意識がもうろうとしている。

モーガンはフェンスの下の隙間から人を逃がしている。そこにロッコが登場する。だが、ドイルの弾は全然当たらない。モーガンが代わりに撃つが、たまたま登場したローリーとスタッフに驚き、スタッフを撃ってしまう。
そこでロッコがフラフラする。マチェーテ……ではなく、ジェラルドが彼を刺したのだ。しかし、ロッコはまだ生きている。

剥製男のウォルターは、さきほど逃げたピエロを連れてどこかに行こうとしている。道具の揃っている自宅で、心置きなく剥製を作ろうとしているのだ。
戸惑うモーガンやドイルたちだが、ローリーに「撃っていい」と言われ、射殺する。ドイルは「まさかあんなに血が出るなんて!」と吐き戻す。

ローリーはステッチフェイス・キラーを、ドイルはマニーを、モーガンとジェラルドがアニマル・ザ・カニバルを殺すことにする(分担を決める)。ピエロに関しては「会わないように願おう」で終わる。
モーガンとローリーはキスをして、生き延びることを誓う。

ここからはダイジェスト
・だが、ドイルはさっそくピエロと会ってしまう。
・アニマル・ザ・カニバルと戦うジェラルド
・キャサリンとマニーは対峙する。
「美人だな、母親にそっくりだよ」
「大丈夫よ父さん、ただの死よ」(これはマニーが母に言ったセリフをキャサリンがまねている)
そのまま、キャサリンはマニーを殺す。
・モーガンとジェラルドはアニマル・ザ・カニバル、キャサリンは激昂するステッチフェイス・キラーと戦う。
・アニマル・ザ・カニバルをなぜか火が入っている肉焼きコンロに押し付けて殺すモーガンとジェラルド。
・ドイルはピエロのロッコに銃を命中させる。
・キャサリンとステッチフェイス・キラー、そこにローリーまで来て戦いに。だが、ローリーはほとんど役に立たず、2人は相打ちする。

既に朝になっている。モーガンとローリー、ジェラルド、ドイルは外に出るが、そこに警官隊がいる。モーガンの後ろからピエロのロッコがまた登場して、パニックになる警官隊。
モーガンは腰骨を折られて死亡し、ピエロはまた射殺される。ドイルは最後にヘッドショットまでする。

ローリーは救急車に乗って運ばれる。実は生きていたキャサリンも担架に乗せられて登場する。だが、どうにもキャサリンの顔は不自然だし、その腕の内側にはナイフが隠れているのが見える。ローリーは全てを察する。

次の瞬間、救急車は追突している。ステッチフェイス・キラーはキャサリンの顔の皮を自分の顔からはがし、そのままスキップしながら去る。
また、ピエロも生きていることがわかる。彼は死体袋をかぶったまま起き上がり、暴れ出す。

感想

・ロバート・イングランドがシリアルキラーなのかと思いきや、途中で殺されるだけの登場でした。
・おそらく殺人鬼は実在する人をモチーフにしているところもあるのかな?(わかりやすいのはエド・ゲイン。あと、ジョン・ゲイシーとか??)ちなみに、マニーの顔がチカチーロそっくりでした。びっくりしてググってしまった。ただ、私もそこまで詳しくないので特定できませんでした。
・ダメすぎるドイルが、途中でカッコよく変貌していくのが謎すぎる。
・意外にもピエロのロッコがもっとも出番が多い感じ。歯医者と剥製マニアはほとんど美味しい場面がなく、ステッチフェイス・キラーはカワイイけれどバックボーンがはっきりしないからどういう殺人鬼なのかわからない。アニマル・ザ・カニバルも、なぜかずっと警備員しているし。マニーなんてだらだら演説してるだけだし。
たくさんの若者を殺す、という時点でややごちゃつくのは仕方ないのかもしれません。反撃シーンが多いのでそこまで怖くはないと思います。
・それにしても、「フェンスにギューッと押し付けられて死亡」とか「肉焼きコンロで顔が焼けて死亡」とか、あるんでしょうか。まだ生きてそう。
・この映画は、おバカなキャラ>殺人鬼>普通のキャラというパワーバランスが面白い。バカが一番生き残る、っていうのはスゴイですね。
一応、ドイルとジェラルドだけが最後まで生き残っています。