「ザ・ヴァンパイア~残酷な牙を持つ少女~」

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2014年のアメリカ映画「ザ・ヴァンパイア~残酷な牙を持つ少女~」を見ました。
・前篇モノクロ、イランが舞台
・ヴァンパイア少女と孤独な青年の恋
・ノスタルジックで美しく、孤独で悲しい、満たされない人の映画。

あらすじ

女性の新鋭監督によって史上初めてイランを舞台にペルシャ語で撮影されたヴァンパイア映画として世界的に注目を集め、各地の映画祭で数々の賞に輝いた異色のスタイリッシュ・ホラー。イランの架空の町を舞台に、吸血鬼として生きる一人の少女の葛藤と、その正体を知らずに恋に落ちた青年の運命を、美しいモノクロ映像で描き出す。主演は「アルゴ」のシェイラ・ヴァンドとドイツ出身のアラシュ・マランディ。監督はこれが長編デビューのアナ・リリー・アミールポアー。
イランのとある町“バッド・シティ”。ネコを愛する真面目な青年アラシュ。コツコツ働きようやく手に入れた愛車を、父がつくった借金のカタに取り上げられてしまう。相手は麻薬の売人サイード。車を返してもらおうと彼の家へ向かったアラシュだったが、そこで彼が見たのは無惨に殺されたサイードの死体だった。愛車を取り戻したアラシュは、やがて一人の少女と出会い、恋に落ちるのだったが…。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=352866

ネタバレ

猫を見つけて、歩き出すアラシュ。彼は素晴らしい車に乗っている。だが、父の借金のせいで、彼はチンピラのサイードに車をとられてしまう。壁をブン殴り、アラシュはケガをする。

植木の手入れをしているアラシュは、その家の娘にテレビを修理してくれと頼まれる。ピアスを盗むアラシュ。

サイードは、売春婦をアラシュからとった車に乗せてプレイを要求する。指を舐める女。そのままプレイが始まる。だが、アラシュがそれを見ていることに気付いたサイード。女を叩き出す。彼女から金品を取り上げてすらいる。
(ちなみにサイードは首に「SEX」とパックマンのタトゥーを入れています)

買い物をしている女の子(黒いヒジャブで肌を覆っている)。彼女はサイードと出会う。家に少女を連れ込むサイード。まず薬をしてから指を舐めさせるが、女の子はそのままキバを出し、彼の指に噛みつく。サイードは床を転げまわり、少女は口から噛みちぎった指を出す。サイードの血を吸い、殺し、売春婦の女性の持ち物を集めて持ち出す。

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アラシュはサイードの家に入るが、そこには彼の死体がある。見つけたヤクを回収するアラシュ。

売春婦をつけまわしている男。今度は少女の後をつける。少女は逃げるが、今度はアラシュと顔見知りのわんぱくな少年と出くわす。彼女は「お前はいい子?」と彼を問いただしてからかう。「いい子でね」と言われて、怯える少年。

少女はスケボーに乗り、真夜中の道路を滑走する。

アラシュは父のワガママに悩まされている。この父こそ、売春婦に入れ込んでつけまわしている老人その人でもある。

父の薬代を稼ぐため、ドラキュラの衣装を作り、クラブでドラッグを売っているアラシュ。庭師の仕事で知り合った豪邸の娘もおり、彼からドラッグを手に入れる。アラシュに試させることすらある。だが、彼女には恋人がおり、期待していたアラシュは宙ぶらりんの状態となる。

ヴァンパイアのコスプレで、ヴァンパイアの少女と出会うアラシュ。アラシュをスケートボードに乗せて滑らせる少女。彼女は彼を自宅に連れていく。アラシュに上を向かせ、何をするのかと思いきや、胸元に頬を寄せてぴたりと密着する(一瞬、噛みつくのでは?という間があるが、彼女は体を寄せるだけ)。

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朝。風船を持ち、ダンスをしている女性がいる。

アラシュの父は、息子を蔑んでいる。

売春婦の女性のあとをつけている少女。彼女は、サイードがとったアクセサリーを彼女に返そうとする。だが、売春婦は彼女をとりあえず家の中に入れて、話を聞く。

少女はホームレスを襲って血を吸っている。
帰宅すると、「夜10時に発電所に来て」というメモを見つける。

少女の夢の中に、アラシュが出てくる。

アラシュと少女はデートをする。ハンバーガーを食べながら、ピアスをプレゼント(豪邸の娘から盗んだものだが)するアラシュ。少女はピアス穴を開けていないので、アラシュがその場で開けてやる。デートというにはあまりに短い時間で、少女は颯爽と去ってしまう。

父はアラシュの拾ってきた猫を「母さんだ!」と言い、叫んで暴れる。アラシュはほとほと疲れてしまっている。

売春婦のところにいる父。父は彼女に無理やり薬を打とうとしている。その父を襲って殺す少女。猫と少女がダブる。

翌日、アラシュの顔見知りの少年が、父の死体がある場所に彼を導く。アラシュはドラッグを持って逃げることにする。彼は少女を誘う。

少女はその誘いに乗る。だが、準備をしている最中、彼女の家の奥から自分の飼い猫が出てくる。彼は、察してしまう。自分の父を殺したのは彼女だと。少女はサイードの家から持ち出した宝飾類を袋に詰めている。
猫を後部座席に乗せ、2人は車で街を出て行く。

感想

・個人的にはすごく好き。女の子好みのヴァンパイア映画かもしれない。男性が見たらうーん?と思いそうな気もする。なんか、岩井俊二感がある映画。