「ウォーキング・デッド」シーズン6・第14話のネタバレ

walkinddeads6

第14話「強く在るために」

※今回はユージーンとデニースがメイン回です。エイブラハムとロジータ、ダリルが多め。
マギー、グレン、ミショーン、カールは今回登場しません。

画面がぼやけるなか、ゆっくりとシャッターが開く。食材管理をしている女性・オリビア。アレクサンドリアでは池のまわりに花が咲き、その横を神父が通り過ぎる。見張りをしているユージーンと、彼を見て頷く見張り番のサシャ。モーガンが棒の稽古をしている。十字架を触りながら、ポーチのブランコに腰掛けてタバコをふかすキャロル。モーガンは壁に石をはめこんでいる。彼は工事を終わらせたようだ。牢屋を作っていたのだ。そこにリックがやってくる。
「モーガン」
彼は振り返る。
「何してる」
「次は選択できるように」
何も言わずにリックは出ていく。また輪郭がぼやける。

別日。また、倉庫のシャッターが開き、オリビアが食材を数える。神父が散歩をして、ユージーンが見張りに来てサシャに向かって頷く。モーガンは棒の稽古をして、ポーチのブランコでタバコを吸うキャロルにやってきたトビンがキスをする。彼を見送るキャロル。彼女はまだ十字架を握っている。
ロジータはベッドのそばに散らばる服を拾い上げて身につけ、ため息をつく。ベッドにはまだ男が寝ている。だが、それはエイブラハムではない。スペンサーだ。

ダリルは、ふと兵隊の人形を見つける。バイクを盗まれた時、捕虜にした男女がよこしたものだ。
「よかったわね」
キャロルが登場して、彼に話しかける。
「バイクが戻って」
「ああ、1本くれ」
並んでタバコを吸い始める2人。いい天気だ。
「どうも」
キャロルは話し出す。
「(バイクは)森で出くわした人に奪われたのよね」
「そうだ」
「助けるなんて……いいえ、それがあなたね。正しい行いよ」
「違うね、殺すべきだった」
キャロルは返答につまる。そして立ち去ろうとする。タバコの箱をそこに残して。
「なあ。連れ去った奴らに、何をされた?」
「私たち?―何もされてない」
その光景すらぼやけていく。

食糧倉庫。誰もいない池。牢屋。タバコの吸い殻がたくさん入った、灰皿がポーチのブランコの上で揺れている。
キャロルはまだ、十字架を手にタバコを吸い続けている。

棒に刺さったウォーカーが呻いている。その背後を、エイブラハムとユージーンが徒歩で通っていく。それを見張り台から見守るデニースとアーロン。彼女はウォーカーを見つめている。そして、ふと手元の紙に目を落として、また彼らの後ろ姿を見つめる。

ロジータはスペンサーと歩いている。
「ビーフジャーキーストロガノフを作るよ」
「私は結構」
「いい肉じゃないが、うまいぞ」
「でしょうね……(彼の目線を察して)何よ?」
「僕たちは何だ?言ってくれ、どちらでも構わないから」
「いいわ」
「何が?」
「夕食を一緒に食べる」
「分かった、またあとで」
「ええ」
彼女は診療所の前で、デニースと鉢合わせる。
「何も聞いてない」
「よかった。今日も訓練よ」
「別のことをしたい」

彼女は地図を出して説明している。
「DCから車で来たの。その途中でここを見かけた。“エジソン薬品&雑貨店”。ショッピングセンターのギフトショップよ。“薬品”っていうくらいなら、薬がある」
話を聞いているダリルと、デニースの後ろで腕組みをしているロジータ。
「残ってるか?」
「確かめる価値はある。あなたとロジータは今日休みでしょ」
「行ってくる」
「私も一緒に。力になりたい」
デニースの申し出に、ダリルは眉をひそめる。
「外に出たことは?」
「一度も」
「ダメだ」
「鉈の使い方を習ったし、徘徊者(ローマー)にも慣れたわ」
「連れてくか?」
「いいえ」
ロジータは断言する。
「1人でも行く」
「死ぬぞ」
「だから一緒に来て」
ダリルはちらっとロジータを見る。
「子守はしないわよ」

次の瞬間、ロジータ、デニース、ダリルの順番で車に乗り込み、移動している。車の調子はあまり良くない。
「それ……」
しびれを切らして、運転しているダリルに話しかけるデニース。
「なんだ?」
「何でもない」
「言えよ」
「ギアチェンジが早すぎる。15歳からボロ車を運転してるから。家を出る前だけど。兄が教えてくれた」
車がブスブスと音を立てる。外は小雨が降っており、フロントガラスを雨粒が濡らしていく。
「ダリル」
ロジータが声を上げる。
「ああ」
車道が木で覆われている。
「お前は残れ」
ロジータとダリルは車から降りる。既に雨は上がっている。

「任せて」
ロジータは枝をどかしはじめ、ダリルは周囲に目を配る。車内に残され、デニースは落ち着かない。きょろきょろする。と、木の下にウォーカーが見える。
「木が腐ってた。人にやられたんじゃない」
車内から、ロジータがウォーカーを始末する様子が見える。リュックから荷物を取り出す彼女。
「行くわよ」
ロジータが車に戻り、声をかける。ここからは徒歩で移動するようだ。
「何か見つけた?」
「お酒よ、欲しい?」
「いらない」
「食糧庫に入れろって?」
「違うわ、親の酒癖が悪かったから。お酒が嫌いになった」
彼女はロジータの横を歩く。ダリルが道を指さす。
「車は通れない、歩こう」
「待って、線路を行ったほうが近い」
「線路はダメだ、道を行く」
「2倍も遠い」
「好きにしろ、俺は道を行く」
デニースの態度にダリルがキレる。すたすたと先を行くダリル。
「一緒に」
デニースはダリルの後を追い、ロジータはため息をつく。だが、ロジータだけは線路を歩き出す。

「後ろ髪を結んだのか。気に行ってたから寂しいよ」
雨の中を歩いているユージーンとエイブラハム。ユージーンは伸ばした髪をくくっている。
「風になびく感覚は至福の喜びだった。だが、髪型で男の価値は決まらない」
「警備勤務に武器訓練、髪型を変えたり胸を張って女を口説いたり……」
「女を口説くのが男だ」
「変わろうとしているな、努力は認める」
※遠くでの会話なので、会話の切れ目がわかりにくく、どちらかのセリフが混ざっている可能性があります。
「だが―なぜだ?」
「単純だよ、ビデオゲームでも同じことだ。生存のカギは環境に適合すること。そのためにさまざまな能力を獲得し、その能力を使って最大寿命まで生きる。第2ステージに入ったんだ。変化して、適合した生存者だ」
彼の言葉に呆れるエイブラハム。
「勝手に言ってろ」
「変化して、適合した生存者だ」

ダリルたちが道を歩いてくると、線路で先回りしたロジータが座り込んで待っている。
「やっと来た」
「あなたより彼を選んだわけじゃない」
デニースは言い訳する。
「持ち方はこうよ」
鉈の持ち方を教えるロジータ。
「ありがとう。誰に教わった?戦い方よ」
「思い出させたわね。大勢から教わったわ。そのうち彼も過去の人になる」

街に到着した彼ら。ゴーストタウンと化した街は、完全に寂れている。ウォーカーは全員倒れてしまっている。目的の店だけ、大勢のウォーカーの血の手形がついている。もちろん扉は閉まっている。
「先に行くから、後ろにいろ」
ダリルは銃をロジータに渡す。そしてリュックからバールを取り出して、ドアをこじ開ける。

次の瞬間、ユージーンが扉を簡単に開錠しているシーンに切り替わる。
「ピンタンブラー錠だ。簡単に開けられる」
エイブラハムはちらと彼を見る。
「ここか?」
「そのとおり」
ユージーンは先に中に入っていく。そこには、たくさんの機械がある。
「何しに来たのか、そろそろ教えてくれ。ユージーン」
「銃弾を製造する。ここ数日考えてた。ヒルトップには弾がない。防御にも必要だが、需給の法則により取引の要となる」
「一から作る?」
「薬莢に詰める中身をね。私なら作れる」
「できるのか?ここで?この機材で?」
機械こそあるが、ほぼ廃屋に等しい工場。
「磨き上げる必要はある。大量の鉛も必要だが、確信をもってできると言える」
「我が友は紛れもなく天才だ。独創性がある。まず何から?」
「リックとオリビアに作るべき弾の種類を聞く」
「一時停止だ、奴を殺す」
エイブラハムはウォーカーを見つけた。
「待ってくれ、あれは私のものだ。私がやる」
キリッとして、鉈を抜くユージーン。エイブラハムは呆れる。
「お好きなように」
顔の皮膚が溶けたように剥がれかけているウォーカーが近寄ってくる。彼は鉛を浴びたようだ。
「やれ」
彼は鉈を振るうが、鉛まみれのウォーカーはその鉈を跳ね返す。カーンという軽快な音が響く。
「1ストライク」
エイブラハムが茶々を入れる。ウォーカーの腕をつかむも、どうにもできないユージーン。彼は機械にウォーカーの体を叩きつける。
「2ストライク」
鉄筋で口の奥を刺そうとするも、その鉄筋の置いてあるところまで手が届かない。ユージーンを見かね、エイブラハムがとどめを刺す。
「何をする。私のだと……君に権限はない」
「お前を救う権限か?」
「自分でできた」
「寝ぼけたこと言ってんな」
「謝罪の機会を与える。今すぐ謝ってくれ」
「顔を食われりゃよかったか?」
「失礼だが、ふざけるな」
「何だと?」
「ウォーカー殺害は私の能力だ、ふざけるな」※ウォーカーを殺す能力だって僕にはある、と言いたいのだろうが、HuLuの翻訳って変なところが多いです。ご了承ください。
「その頭を使って、日曜大工で弾を作る。それがお前の能力だ。死にぞこないでも人間でも、敵を殺すのは俺だ。天寿を全うしたいなら、自覚するんだな」
ユージーンは怒っている。
「そうか。保護に感謝する。今までは必要だったが、もう君の世話は無用だ。率直に真実を言おう。君に有用性はない」
この暴言に、エイブラハムも堪忍袋の緒が切れる。彼は怒りをにじませて、ユージーンを睨む。
「そうか」
「それが事実だ」
エイブラハムは鉄筋を投げ、去る。
「どこへ?」
「帰る。もう俺の世話は無用なんだろ?1人で帰ってこい」
彼はドアに向かっていく。
「クソ野郎」(ass hole!)
と言い残して。
ユージーンは途方にくれ、機械を見渡す。

扉が開く。ダリルが見え、ロジータの姿も見える。埃まみれの店内には、誰かがいるようには見えない。
「朝食を吐くか?」
「オートミールよ、一応言っとく」
(腐敗臭がするのか?)
ダリルとロジータは先へ進む。カウンターにある子どもたちの写真に目をやるデニース。何枚も子どもの写真がある。とてもかわいい。
薬局を見つけるロジータ。シャッターが下りている。それをバールでこじ開けるダリル。
「バッグを持つわ」
「大丈夫」
デニースは全く役に立っていない。ふと、キーホルダーのラックを見つけて眺める彼女。人名が刻まれたキーホルダーが大量に売られている。だが、その名前を持った人達はどれだけ生き残っているのだろうか。
ダリルはシャッターを壊す。そこには、大量の薬がある!
「必要な薬を選ぶわ」
「いや、全部だ」
「全部って……」
「平気よ」
ダリルたちはカウンターを乗り越え、薬の保管スペースへと入っていく。取り残されるデニース。
ふと、物音がする。慌てて顔を出すダリルたち。だが、音でウォーカーを判断する。
「1体だけね」
「はまってる」
ダリルたちは作業に戻っていく。それとは反対に、その音がする方向から目が離せないデニース。締め切られた扉の奥から、その音がしているようだ。彼女は静かに、鉈を持ってその方向に近付いていく。そして扉をそっと開く。音はまだ遠い。懐中電灯を掲げて、その方向を見る。そこには、汚れきったベビーベッドや絵本が見える。そして目の前に、完全に腐り始めているウォーカーが姿を表す。腐っているのはもちろん、ウォーカーは足にギブスをはめている。歩くことはできないだろう。壁には「静かに、静かに、静かに……」(HUSH HUSH HUSH)と赤いクレヨンで書きなぐられている。
そして、彼女は水槽のようなものに、子どものスニーカーが浮いているのを見つける。いや、それは沈められた子どもが履いている靴だ。誰かが、子どもを殺したのだ!思わず部屋を飛び出し、棚に激突してガラスの器を落として割ってしまうデニース。
「何しているの」
ロジータが見咎める。
「別に」
彼女は外へと出て行ってしまう。

座り込んで、外で待つデニース。ウォーカーたちは倒れて死んでいる。“DENNIS”というキーホルダーを持っている彼女。それを手に、涙を浮かべる。ロジータとダリルも外に出てくる。泣いている彼女に戸惑う2人。
「なあ、お前はよくやった」
泣いているデニースは頷き、立ち上がる。ロジータは厳しい言葉を投げる。
「だから言ったでしょ。無理だって」
「分かってる」

「兄貴がいたって?」
ダリルはデニースと2人で道を歩きながら、そう切り出す。
「兄といっても、6分だけ先に。両親は“デニス”と“デニース”って名付けた。おかしいでしょ」
ダリルは何も言わない。
「兄は怖いもの知らずで勇敢だった。いつも怒ってたわ。危険な組み合わせよね」
「俺の兄貴もそうだった」
メルルのことを久しぶりに語るダリル。ロジータが2人の前を歩いているのも見える。ふと、線路のほうの道を歩き出すダリル。
「そっち?」
「近いんだろ」
ロジータとデニスは思わず微笑む。

たくさんの車が線路脇に残っている。そこを進む3人。デニースだけ遅れていく。ふと、線路脇の車を見に行くデニース。中からはウォーカーが唸りながら出てくる。
「クーラーボックスよ」
デニースは声を上げる。
「何か入ってるかも」
ダリルとロジータは振り返る。
「目的は果たした」
「手間をかける必要はない」
彼女は車の中を見ている。そして、そのまま歩き出すのかと思いきや、助手席の側に近寄り、ドアを開ける。クーラーボックスだけ持ち出そうとするも、ウォーカーが離さない。彼女はウォーカーに覆いかぶさられる!ダリルたちは気付き、走り出す。
「何なのよ」
ウォーカーを組み伏せ、形勢逆転するデニース。
「来ないで!」
かけつけたダリルたちに叫ぶデニース。そして、自分でウォーカーの頭を刺す。顔を見合わせるダリルとロジータ。彼女はナイフをしまい、その次の瞬間吐く。
「まったく。眼鏡に吐いちゃった」
彼女はクーラーボックスに手を伸ばして、飲みものを見つける。
「やったね」
「何やってる。死ぬとこだったぞ」
「そうね」
「何やってる」
「あなたたちだって、救世主に殺されるかもしれなかったでしょ。生きたいならリスクを負わなきゃ!だからやった」
「ソーダ数本のため?」
「いいえ。これだけ」
1本の缶を持ち、歩き出す彼女。ロジータとダリルはまた目を見合わせ、ロジータはやれやれと頭を振る。

「そこまでバカだったの?」
ロジータも怒っている。だが、ここでデニースが一気にまくしたてる。
「あなたは?本気で聞いてる。理解できるの?私がどんな思いをしてきたか。
訓練は受けたけど、縫合や手術同様、実践の経験はなかった。だから……(ロジータは)兄のように勇敢だから、一緒だと安心できる。それに独りでしょ。人生で初めてよね、あなたのように私も強くなれる気がする。
タラだけ行かせて、愛してると言わなかった。怖かったからよ。バカげてた。自分の弱さと向き合わなかった。
あなたたちにも腹立ってるわ。強くて賢いし、本当にいい人たちよ」
熱弁をふるう彼女だが、突然、彼女の頭にボウガンの矢が刺さる!頭の後ろから、ボウガンの矢が彼女の頭部を貫通して、目から矢の先が飛び出す。
「なのに……目を覚まして……」
自分が撃たれたことに気が付かないまま、倒れていくデニース。彼女を抱き止めるも、既に意識はない。ロジータとダリルは周りに銃を向けるが、銃を持った男たちがわらわらと湧いてくる。
「武器を捨てろ!」
その声はどことなくぼんやりとして聞こえ、現実離れした光景にも感じられる。ダリルは銃を下ろさない。だが、彼は血相を変える。人質として捕まっているユージーンを見つけたのだ。彼は髪の毛もほどけていて、ひどく怯えている。
「驚いた」
ユージーンを捕まえているのは、ダリルのバイクを盗んだ男だ。

「何か言えよ」
ダリルに話しかける男を見て、ロジータも彼を見つめる。男の顔の半分は焼け焦げ、耳の皮膚も溶けたようになっている。
「話し合うか?大口叩いてみろ。いいや、無口だったな」
男たちは銃を奪い、ダリルとロジータのボディチェックをする。
「コツがつかめない」
ダリルのボウガンを持ち上げて示す男。かすかに笑う。
「(このボウガンは)じゃじゃ馬だ」
「間違ってた」
「なんて?聞こえなかった」
「殺すんだった」
「そうかもな。だが再会した。疑問だろうな、なぜこうなったか。信じるかどうか分からないが、彼女は狙ってなかった。言ったとおり、じゃじゃ馬でさ。恨みはない。穏便に協定を結びたかった。だが、そうもいかなさそうだ」
ふと、ユージーンは何かに気が付く。エイブラハムが線路脇に積まれた錆びたドラム缶の山の裏に隠れているのだ。
「だが、そうもいかなそうだ」
「何が望み?」
ロジータは声をかける。
「その前に君の名前は?終えは“D”だ。ドワイトでもいい。それで?名前は?」
「ロジータよ、望みは?」
「ロジータか。望みではない。君とダリルに命令だ。住みかに案内しろ。いいところなんだろ?俺たちが欲しいものをいただく。欲しい人間もだ。さもないと彼の頭を撃つ」
ユージーンは汗だくだ。
「次に君(ロジータ)、それから彼(ダリル)だ。そうならないことを願う。1人死ねば充分だ。誰にしようか。誰を殺せば、分かってくれる?誰がいいか言ってくれ」
「殺したいなら、石油缶に隠れてる奴からに」
ユージーンが突然、エイブラハムのことを密告する!
「私たち3人より殺す価値がある」
「調べろ」
ドワイトは部下に命令する(なお、このチームは年配の男性ばかりだ)。ユージーンは震えており、ロジータも驚いている。男はそろそろと近付いていく。と、ドワイトの股間にかぶりつくユージーン!ドワイトは絶叫して、悶絶する。そこで、ドラム缶裏から移動していたエイブラハムが彼らを襲撃する。ダリルやロジータも反撃を始める。ユージーンはまだ股間にかじりついている。
エイブラハムの後ろの男を撃つロジータ。彼女の行動に、エイブラハムは驚く。彼女を傷付けたのに、ロジータはエイブラハムを助けたのだ。銃撃戦は続くが、音を聞きつけたウォーカーたちが姿を現す。ドワイトはようやくユージーンから体を引きはがすが、2人とも倒れる。彼らの方に向かうウォーカーをダリルが撃つ。ドワイトはユージーンを撃ちたいようだが、ウォーカーも現れ、ロジータやダリルの射撃のせいでうまく狙えない。
「下がれ!退却だ!」
彼らは撃ち続けるが、男たちは姿を消す。ドワイトはボウガンを残していく。それを拾って、彼らを追おうとするダリル。だが、ロジータの「いかないで!」という声で押し留まる。

デニースは死んでいる。

「私は今日 結婚するの」 ※BGMが流れ出します

ユージーンも撃たれている。彼の腹を抑えるロジータ。

「教会は十字架とブーケであふれてる」

ユージーンのもとに、エイブラハムも駆けつける。彼らは叫び続ける。ダリルも走ってくる。

「永遠にキスして 死だけが残る場所で」

3人でユージーンを運び始める。デニースの死体を、ダリルは一瞬見つめる。彼女はそのまま、線路の上に残される。

診療所では、ユージーンが手当てされて寝かされている。窓の外を見つめるダリル、ベッドに付き添うロジータ。ユージーンが戻ってくる。
「リックがくる。どうだ?」
「弾はかすっただけ。運が良かった。入手した抗生剤で感染症も防げる。命拾いした。デニースのおかげよ」
咳をして、目覚めるユージーン。
「起きた?」
「ああ」
「よかった」
エイブラハムは彼に言う。
「殺す気はなかった。時機を見てた」
「正しかった」
「私の能力を疑ったことを謝罪するか?」
「能力を疑って悪かった。ナニに噛みつくとは、最大の敬意を払う。第2ステージだ」
「もうとっくに、入っていた」
ダリルは黙って外を見ている。

エイブラハムはある家の前に立っている。そこからはサシャが出てくる。
「聞いたわ。大丈夫?」
「“選ぶことができる”と。お前も選べる。残り30年だとしても、短いくらいだ」
サシャは瞳をうるませる。
「入って」

ダリルは、「DENNIS」のキーホルダーを握りしめている。そして、白いシーツにくるんだ彼女の遺体を埋めている。手伝っているキャロルはふと手を止めて、ダリルを見る。ダリルはウォーカーのリュックから回収したらしい、酒を煽る。
「あなたが正しいと分かってたわ」
キャロルは言う。
ダリルはただ黙って、土を掘る。

「“こんな終わりは望んでなかった”」
トビンは、キャロルが書いたらしき手紙を見ているようだ。
「“傷付けるつもりはないけど、仕方ないの。ここには何でもある。人材や食料、薬も壁も……何でも揃ってる。誰もがうらやむ環境よ。常に狙われる。1つの脅威を潰しても、別の誰かの標的になる”」
倉庫のなかのたくさんの食糧。そして、銃。銃はどこかに運び出される。神父はまた、池のほとりを歩く。
「“街のみんなを愛してるわ。だから人を殺した。でも、もう― 殺さない”」
見張りを変わるロジータ(ユージーンの代わり)。見張り台にはサシャがいるが、彼女は気まずそうに目をそらす。
「“リックに追い出され、いろいろあって戻った。でも、もう無理。人を愛したら、殺さないといけない」
サシャの背後には、たくさんの駐車された車が見える。壁を補強している人たちも見える。
キャロルの家のポーチにあるブランコが、揺れている。
「“だから出ていくわ”」
ブランコの上の灰皿には、タバコの吸い殻が積まれている。
「“どうか追わないで”」
モーガンは立ち尽くしている。ブランコが揺れているのを見ているのだ。その背後を、銃を持った人たちが通っていく。モーガンはただどこかを見つめ続ける。

感想

・デニース、ユージーン、エイブラハム、ロジータとそれぞれフラグが立っていましたが、まさかまた貴重な医者キャラであるデニースが死んでしまうとは……ヒルトップの医者が名前蟻のキャラで出てきたので、なんとなく予想していたものの、女性の気弱なキャラは最近いなかったので寂しい。
・ドワイトはなぜ、キャラが激変したのか?彼に何があったのか?
まだ戦いが続きそうです。
・このシーズンから、恋愛要素が濃くなってきたような気がします。ロジータとエイブラハムとサシャ、リックとミショーン、キャロルとトビンと、カップル多すぎ!