「死霊伝説」

salemslot

1979年の映画「死霊伝説」を見ました。この映画はすごくイイ。
小説「屍鬼」が影響を受けたと言われている、キング原作の小説「呪われた町」は学生の時に読んでおります。ヴァンパイアが田舎町にこっそりと潜み、仲間を増やしていくというスリリングな内容。監督はトビー・フーパーです。元はテレビドラマらしいですね(日本では映画として編集され直して公開された)。

ネタバレ

生き残っているらしい男と少年。身なりはとても汚い。彼らは聖水をビンに詰めている。
「逃げよう」という少年と、「いや、まだだ」という男。

時は巻き戻る。メーン州のセイラムズ・ロットに、ある作家がやってくる。ベン・ミアーズは、かつてセイラムズ・ロットに住んでいた。執筆のために町に戻ってきた彼。下宿に住み始めるが、謎の屋敷に老人が出入りするのを見かけるようになる。
彼が下宿を紹介された不動産屋には、不倫カップルがいる。

町には新しく骨董店ができたようだ。バーロウ&ストレイカー骨董家具店というその店に、ベンは奇妙な感情を覚える。バーロウ氏はこれから町を訪れるというが……?

ベンは美しい娘・スージーと出会う。彼女は彼の著作を読んでいた。彼らはデートをする仲になる。一方、ミアーズは骨董家具店の老人と鉢合わせする。だが、老人は普通の男だ。むしろ、警官はベンを敵視している。彼は、ウィーゼルというホームレスにベンのことを見張らせることにする。

墓場で働く男は、黒ラブラドールを飼っている。不動産屋で働く女(上司と不倫中)は、夫にこびへつらっているが、夫は何かに感づいているようだ。

ベンはスージーの家に呼ばれて夕食を食べることになる。彼女の父(医師)に気に入られるベン。一方、ウィーゼルはベンの下宿に忍び込んで原稿を盗み見る。その原稿には、「マーステン館」の禍々しさについて描かれている。

スージーと関係を深めていくベンだが、スージーの元カレであるネッドはベンを敵視する。スージーは都会で働いていたが、リストラを経て田舎に戻ってきたという。湖でイチャイチャする2人。キスまでしてしまう。

ベンは小説を書き続ける。下宿から見える、マーステン館を見ながら。謎の老人が購入した館は、不気味にそこにあり続ける。

老人は、不動産屋にある頼みを持ちかける。船で届いた積み荷をとりにいって、館に届けてくれというのだ。そして、荷物を入れて鍵をかけておいてほしいという。それを聞き入れる不動産屋。

学校では、芝居の練習が進んでいる。出演しているマーク少年と、それを演出しているバーク。バークは、ベンの恩師でもある。彼は先生を訪ねて学校へ現れる。

不動産屋で働く女の夫は運送業をしているが、他の男にその仕事を頼む。妻の浮気現場に踏み込むためだ。その代わり、スージーの元カレであるネッド、墓場で働く男が運搬をすることになる。

ネッドはスージーを待ち伏せしている。だが、彼女は彼を拒否する。

その夜、ベンはバークと飲みに出かける。不動産屋の女は男を引っ張りこみ、ネッドたちは荷物を受け取りに港へ船を走らせている。荷物は無事に受け取ったものの、箱が冷たすぎる、動いてはいないか?と彼らは怯える。

マークは芝居の稽古をしている。彼と仲のいいダニーとラルフィーがくるが、彼らは途中で帰宅する。ホラーマニアのマークのことを、両親も心配しているようだ。帰宅しているダニーとラルフィー兄弟だが、弟のラルフィーが何かに襲われる。

ネッドは箱を開けたがる。

ダニーだけが家に戻り、弟は帰ってこない。兄もフラフラしている。

墓場では、犬が死んでいる。

さらわれたラルフィーは、マーステン館に幽閉されている。

不動産屋の男は、相手の女の夫に不倫を発見されてしまう。男は散々脅され、裸に近い格好で外へ飛び出す。そして、彼も何かに襲われてしまう。不倫を発見した夫は不倫妻に激しい暴力を加える。

湖でイチャイチャしていたベンとスージーは、帰りしなに不動産屋の男が車の中で死んでいるのを見つける。

不吉なことばかりが起き、それがベンが来てからだ!と思いこむ者もいる。警官だ。彼はミアーズと老人・ストレイカーを怪しんでいる。

町では「悪性貧血」が流行しているようだ。スージーの父もそれを心配しつつ、ベンと娘の仲が進んでいることを微笑ましく見ている。

具合が悪いダニーのもとに、弟が現れる。彼は果たして“本当の弟”なのだろうか?

スージーは町を2日間空けるとベンに告げる。

ダニーも弟の後を追うように亡くなる。墓場で働いている男は、棺桶を埋めようとしている。だが、ふと墓穴に下ろした棺桶の中を見ようと、穴の中に降りる。そこには、吸血鬼と化した少年がいた!男も噛まれてしまう。

父は、ホラー好きのマークを気遣っている。

取り調べの結果、ストレイカー老人が犯行に関わっている証拠は見つからない。もちろん、ベンも犯行に関わっていない。警官はイライラする。

バークとベンがまた食事をしていると、墓場で働いていて少年に噛まれたマイクがやってくる。彼は記憶が失われている。何かの唄が聞こえてきた。そして「目」が見えた。でも、誰の目かはわからない。先生はマイクを受け入れてしまう。

一方、マークのところにはダニーが姿を現す。彼は願いを聞き入れず、ダニーを中に入れない。そして十字架をかざす。絶叫と共に消えるダニー。

マイクはバーク先生の家に匿われる。彼は何かに噛まれていることがわかる。しかも、窓は開いている。誰かが「受け入れられた」のだ。(ヴァンパイアは許可を得ないと、その人間の家には入りこめない)

ベンは夜中にバーク先生からの電話で起こされる。先生は相談を始める。開いていた窓、首の噛み跡、異様な物音。そして笑い声。それはヴァンパイアの仕業だと確信するベン。だが、バークももちろん、彼らに既に狙われている。

悪性貧血について、もっと詳しく調べるように医師に言うベン。

その頃、街では骨董店がオープンする。マークとベンは初めて出会う。ベンはストレイカー老人を詰問するが、もちろん何も引き出せない。

バークの家には、明らかに吸血鬼に変化したマイクが座っている。十字架で追い出される彼。

暴力を振るったネッドは留置所に入れられ、そこで襲われる。

ダニーとラルフィーの母も倒れているところが見つかる。彼女は息子たちを受け入れたのだ。そして、母も死んでしまう。

ベンは神父に相談するが、信用してもらえない。

マークの家もまた襲われる。停電、ポルターガイスト(地震)の末、彼の両親は死んでしまう。老人と吸血鬼(バーロウ)も現れ、神父は初めて事態に気が付く。だが、彼は抵抗する術を持たない。

ベンは簡易的に棒を組み合わせ、十字架を作って襲ってきた吸血鬼を撃退する。十字架を当てられると、姿が消えてしまうのだ。
ネッドも、ダニーとラルフィーの母も蘇ってくる。

ベンはバーロウの棺に木のクイを打ち込む。そして、スージーの父を説得して、彼の妻と娘を町の外に避難させるように持ち掛ける。

警察も既に毒牙にかかっている。ネッドが警察官を噛んだのだ。

スージーはベンの下宿の女将のエヴァと会う。彼女はクタクタだ。元夫のウィーゼル(ホームレス)が、「首にキス」した夢を見たという。

スージーとマークは、ベンの思惑とは裏腹には勝手にマーステン館の中に入っていく。スージーはストレイカーと鉢合わせしてしまう。

警官は自分の責務を放棄して逃げていく。

マークも館の中から逃げようとする。スージーを探しに行った父も館に入るが、ストレイカーは彼を持ち上げ、壁に飾られているツノに体を刺し貫いてしまう。

館の中には、日光を避けた吸血鬼たちが寝転がっている。木のクイでとどめを刺すベン。だが、マークには吸血鬼たちが迫る。彼らは館の扉を閉めて、放火する。町も燃えていく。
町は火で清められた。しかし生き残った奴らは追ってくる。

マークとベンは、さすらいの旅を続けている。2年後のグアテマラ。ある小屋の中に入ったら、そこにはスージーがいる。ベンは目を疑う。「キスして」というスージー。ベンはフラフラと唇を寄せるが、次の瞬間、彼女を殺している。まだ、戦いは終わらない。不吉な月明りと風のざわめきが、彼らの不安を煽り続ける。

感想

・こういう話大好き。「屍鬼」が好きな人は絶対に見るべき(あと原作も読むべき)。
・当時のフィルムの粗さが恐怖を引き立てる。
・とはいえ、夜中にマークの家にやってくる男の子が宙に浮いているのですが、そのイスが丸見えなのがいかにもって感じでいいですね。