「ギヴァー 記憶を継ぐ者」

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2014年「ギヴァー 記憶を継ぐ者」。アメリカ映画です。
・平和な近未来のコミュニティーに隠された、裏側に気付く青年
・たったひとりで反乱を起こす青年!
といった印象の、ディズニー映画みたいな正統派っぽいSFではあるのですが、設定がよくわからないのでハテ?となることうけあい。
メリル・ストリープが悪とも言えない悪役です。

あらすじ

ロイス・ローリーの同名ベストセラー児童文学を実写映画化したSFアドベンチャー。一切の争いがない平和な管理社会が築かれた近未来を舞台に、ただ一人の“記憶を受け継ぐ者”となった少年の過酷な運命と成長を描く。主演は「マレフィセント」のブレントン・スウェイツ、共演にメリル・ストリープと本作のプロデューサーも務めるジェフ・ブリッジス。監督は「パトリオット・ゲーム」「ソルト」のフィリップ・ノイス。
そこは、争いやもめ事がなくなった平和な理想郷“コミュニティー”。完全な平等世界である一方、人々は過去の記憶を一切持たず、職業も長老委員会が決定する徹底した管理社会でもあった。そんな中、少年ジョナスは、主席長老から“レシーヴァー(記憶を受け継ぐ者)”という大役に指名される。彼は、コミュニティーのすべての記憶を蓄えているただ一人の人物“ギヴァー(記憶を注ぐ者)”と過ごし、人類の記憶=歴史を伝達されていく。やがてコミュニティーに隠された闇の真実を悟り、いまの平和を維持するための社会の仕組みに大いなる疑問を抱き始めるジョナスだったが…。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=353423

登場人物

ジョナス:主人公。レシーバーに任命される
ギヴァー:レシーバーに記憶を授ける役割の老人。過去にレシーバーを育てるのに失敗し、失っている
主席長老:人々から過去の記憶を奪い、コントロールしている
父:保育の仕事に従事している
母:(なんとケイティ・ホームズ)法律の仕事に従事している

フィオナ:ジョナスと幼なじみの女の子。ジョナスの父と同じ養育の仕事に就く。
アッシャー:ジョナスの幼なじみ。ドローンのパイロットに任命される。

簡単なネタバレ

・近未来の世界では、「正しい言葉遣い」「決まった指定服を着る」「毎朝の投薬」「門限を守る」「嘘をつかない」というルールのもと、モノクロの世界で生きている。
・一定の年齢になると行われる「儀式」で、子どもたちは就職する。他にも「解放の儀式(高齢者は別のエリアに出されるというが……?)」「子どもを授ける儀式」などもある。ジョナスはここで、非常に珍しいレシーバーに任命される。
・訓練内容は秘密、質問をしてもいい(本来はしてはいけない)、薬は朝以外使用しない、訓練の話はしない、ウソをついてもいいという新しいルールができる。

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・ギヴァーから記憶を授けられるジョナス。ソリに乗る記憶、音楽を楽しむ記憶、人々のしてきた悪事も知り、愛も知る。しかし、戦争を知ったジョナスは大きなショックを受ける。
・10年前に、ギヴァーはローズマリーという女の子をレシーバーとして育てそこなっている。そして彼は「解放」とは別の場所への移動ではなく、死だということを知る。
・ジョナスは投薬をやめ、フィオナにもそれをするように頼む。人間らしい心が戻ってくる。

・ジョナスがかわいがっていた子ども(生まれたばかりで、事情があって父が自宅で養育していた)・ゲイブが「解放」される(体が小さいので)ことになり、ジョナスは連れて逃げることを決める
・彼の逃亡を手助けしたギヴァーとフィオナは拘束され、フィオナは「解放」されることになる
・ジョナスはゲイブを連れ、遠い境界線を目指す。そこをジョナスが越えられたら、皆にかつての人間らしい感情が蘇るのだ(仕組みはわかりませんが、そうなんだから仕方ない)。彼は荒野を歩き続ける

・ドローンが彼を発見する。パイロットはもちろん親友のアッシャーだ。彼は任務を遂行して、ジョナスを殺す!と見せかけて、川に落として逃がす。
・ジョナスは今度は雪山を彷徨う(どういう気候?)
・ギヴァーの過去。失ったレシーバーは解放された。その女の子こそ、ローズマリーこそが彼の娘であった。
・ジョナスはソリに乗り、境界線を越える。皆が我に返り、すんでのところでフィオナの処刑に間に合う(ちなみに、父は何も知らないで子どもを殺しまくっていたという設定……)
・雪山のなか、ジョナスはかわいらしい家を発見してそこに入っていく。彼は初めて「(住まいという意味の家ではなく、あたたかみのある)家」を見つけたのだ。

感想

・ティーンズ向けの映画だった。
・境界線を越えると記憶が戻るというシステムが謎
・メリル・ストリープが完全な悪役でなかったのが、なんとなく物足りない
・解放の仕事をしていた人はこの後自殺しちゃうんじゃないか?
・で、最後に辿り着いたの誰の家よ?