「しあわせはどこにある」

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2014年の映画「しあわせはどこにある」。イギリス、ドイツ、カナダ、南アメリカの製作映画。サイモン・ペッグのハートウォーミングコメディです。この人、たぶんツッコミ側のほうが輝くタイプだと思うんだけどな。
・精神科医が「幸せってなに?」と、世界中を旅する
・そのなかで、恋人との関係や自分を見つめ直す
まあ、ストレスフルな人が見てもあまり救われないような気もする(休みとれていいなあ……という気持ちしか湧かない)のですが。

あらすじ

フランスの精神科医フランソワ・ルロールが迷える現代人に向けて綴った世界的ベストセラー『幸福はどこにある 精神科医へクトールの旅』を、「スター・トレック」「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」のサイモン・ペッグ主演で映画化したコメディ・ドラマ。共演はロザムンド・パイク、トニ・コレット、クリストファー・プラマー。監督は「マイ・フレンド・メモリー」「Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?」のピーター・チェルソム。
ロンドンに暮らす精神科医のヘクターは、完璧な恋人にも恵まれ、何不自由ない生活を送っていた。ところが、同じように満たされているはずの患者たちの不満や悩みを聞き続けているうちに、自分まで何が幸せか分からなくなってしまう。そこで、本当の幸せとは何かを世界中で調査しようと思い立ち、イギリスを飛び出して幸せ探しの旅を始めたヘクターだったが…。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=352239

ネタバレ

精神科医のヘクターは、変化のない生活を続けている。ラジコンが趣味で、クララという恋人に支えられて幸せに暮らしていると思っていた。だが、、患者から「アドバイスがありきたりすぎる」と不満をぶつけられたのをきっかけに、自分が幸せなのかわからなくなる。
そして、旅に出ることを決めたヘクター。

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まずは中国へ。飛行機で一緒になった男・エドワードと行動し、ハチャメチャな夜を過ごす。女子大生のイン・リーと一緒に過ごすが、ヘクターが寝てしまって何もおこらなかった。イン・リーにときめくヘクターだが、朝食デートで彼女の両親に会いに行きたいと告げると、彼女は顔を曇らせる。なんと、彼女はエドワードが手配した売春婦だったのだ。

「比較すると幸せは台無しになる」
「多くの人が幸せを感じるのは金持ちになったり偉くなったりした時だ」
「人は幸せを未来にしか見ない」
「(幸せとは)一度に複数の女性を愛すること」
「時にして、幸せとはすべてを知りすぎないこと」

彼は登山をして、有名な寺に向かう。だが、寺にもスカイプがあることをしってガックリする。それでも風が吹いただけではしゃぐ彼らに、何かを感じる。
「不幸を避けるのは、幸福への道ではない」

ヘクターはアフリカに向かうことにする。行きの飛行機の中でサツマイモシチューの夕食に誘われる彼。彼は昔の友達にマイケルに会いに行くのだ。
外に飲みに出かけた彼は、麻薬王と知り合う。彼はヘクターにすごむが、妻が精神病だと知り、ちゃんとした医者と薬を紹介する。麻薬王は自分の利益のためにしか人は動かないと考えていたのに、彼の態度に驚く。

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ヘクターはアフリカ流の医療を手伝う。マイケルは彼にここに残るように勧めるが、ヘクターは断る。そして彼は、マイケルがゲイであり、恋人がいることを知る。

「幸せとは、ありのままの姿で愛されていること」

サツマイモシチューの会に参加して、楽しむヘクター。

「(幸福とは)サツマイモのシチュー!!」

しかし、その帰りのタクシーで強盗に遭う。

「恐怖とは、幸せを阻害するもの」

彼は監禁される。死の恐怖を感じるヘクター。彼はマフィアに幸せのために記しているメモを盗み読まれ、笑われてしまう。「僕はただ幸せになりたいんだ!」怒ったマフィアは、彼がかわいがっていたネズミを射殺する。「幸せがほしけりゃ奪え」
だが、その瞬間、ヘクターは麻薬王・ディエゴから借りたネーム入りのペンを見つけて、彼の友人であると証明する。

次の瞬間、道に放り出されているヘクター。

「(幸福とは)心底生きている実感を味わうこと」

サツマイモシチューの家に戻り、歓迎される彼。美人に誘惑されるも、優しく断る。そして皆で踊る。

「幸せとは、盛大に祝うこと」

今度はロスへ向かい、元カノのアグネスに再会するつもりだったが、飛行機の中で脳腫瘍の患者・ジャミラと出会う。臨死体験の話をするジャミラ。メリーゴーラウンドに愛する人たちが乗っていた夢。大好きな人の思いやりに囲まれ、私は本当に幸せというその言葉に、最初はつっけんどんだったファーストクラスの女性も感情が昂る。

死を怖がる人は生を怖がる人。
聞くことが愛情である。話を聞くことは、愛を示すこと。

待ち合わせしていたヘクターは、アグネスと会う。彼女は夫と子供に囲まれ、幸せに暮らしている。夫婦円満の秘訣を探るヘクター。
ディエゴからも電話がくる。妻の病気が良くなり、幸せになった。マイケルの診療所に寄付してくれるという。
アグネスは今が最高に幸せだという。もしもあのまま付き合っていたらと言い出すヘクターに、アグネスは怒ってしまう。

「過去はなつかしい、だが戻らない」

ヘクターは幸せについて詳しいコアマン教授に会う。ベストセラー作家であり、「幸せはほどほどにして味わうべき」「何かを探す幸せのほうが、何かを得た後の幸せよりは上」と語る。彼は脳のCTスキャンで、人の幸せについて探っている。
ヘクターもその実験に参加する。その過程の中で、彼は悲しい子ども時代を過ごした過去に直面する。

クララと話すヘクター。彼女は母親になりたいのだ。ヘクターの母ではなく、子どもの母に。だが、ヘクターは子どもを必要としていない。クララは本心を打ち明ける。ようやく本音をぶつけ合った彼らは「これは幸せの電話ね」という。
その瞬間、全ての感情が脳に現れ、混ざり合う。「これぞ幸せだ」と教授は呟く。

ヘクターはお寺のお坊さんにスカイプで話をする。
「人は誰でも幸せになる能力がある。人は誰でも幸せになる権利がある。人は誰でも幸せになる義務がある」

戻ってきた彼の生活は大きく変わる。サツマイモのシチューをクララに振る舞い、車はやめてベスパに乗る。患者の話を辛抱強く聞き、友達とのラジコンの集まりにも彼女を連れていく。彼女に結んでもらっていたネクタイを、自分でやるようにする。そして、結婚する。
彼は愛を学んだ。生まれて初めての愛を。

感想

脳に感情がほとばしったり、結婚が幸せだというオチで終わったり、けっこうスゴイ話であります。好みではないけど、途中引き込まれる映画ではありました。