「私はゴースト」

iamagoast

2012年のアメリカ映画「私はゴースト」を見ました。
・女性のゴースト目線で描かれる映画
・なぜ自分が幽霊になったのかもわからないまま、除霊される
・だが、彼女は恐ろしい追体験をすることにもなる
低予算だとは思うのですが、非常にユニークな意欲作です。主人公がアンナ・イシダさんという人なのですが、もしかして日系人???

ネタバレ

家の階段を下りていく女性。フィルムがふいに色づき、何かのオーラを映し出す。ここで「I AM A GHOST」というタイトルが入る。

彼女は卵を焼き、本を読む。不思議な物音で彼女は困惑する。引き出しを開けて荷物を眺め、寝て、パンにバターを塗りながら自分の手にナイフを振り上げる。手にケガをした彼女は洗面台に吐き戻す。
写真を皆が泣く彼女。
また食事を作り、掃除をして、また吐き戻す。掃除道具をかたしていると、そこで人の声がする。
外出して、買い物をして戻ってくる。
毎日、同じ生活の繰り返しだ。

ある部屋で寒さを感じるエミリー。シルヴィアという女性が話しかけてくるが、姿は見えない。「私はタンスの前にいる」という彼女。エミリーが幽霊だと指摘するシルヴィアに、エミリーは衝撃を受ける。因果を解かなければ地縛霊になるし、因果を解いたら外に出ることができるというが、エミリーがここで殺されたと語る。怪物。青白い顔の男にメッタ刺しにされたのだ。
実はこの家には、別の家屋が住んでいる。だが、ナイフが飛んだことをきっかけに霊媒師のシルヴィアが呼ばれたのだ。エミリーは生活しているつもりだが、それは追体験。シルヴィアの体を通り抜けるように言われるエミリーだが、怖くてたまらない。

部屋を飛び出すエミリーは、次の瞬間また卵を焼いている。音楽を聴いている彼女だが、何かがエミリー!と呼びかける。シルヴィアの歌が聞こえてくる。

私がそばについてるわ だからもう怖がらないで
私があなたを守ってあげる たとえ2人きりになっても
人は別れ 去っていく
赤ん坊は生まれ 成長する
私があなたを愛してあげるわ たとえ二人きりになっても

またシルヴィアに呼ばれ、今度は彼女が殺された絨毯の上を歩くことになる。葬式のことを思い出すエミリー。そしてすべてを思い出す。
母が悪魔祓いをしてきたこと。妹の首を絞めていた時のこと。しかも血まみれで。父が死に、エミリーは捨てられた。
シルヴィアも霊能力のせいで森に捨てられた過去があり、彼女に同情する。
彼女は全てを思い出したと感じる。外に出ていこうとする彼女。

だが、ドアから外は真っ暗になっている。
「虚無が広がっていた。闇じゃなくておぞましい無」
と、エミリーは驚く。しかも、もうひとりの彼女を目撃する。生前の記憶を客観視できるようになったのだ。かつて、自分が過ごしていた様子を横で眺める羽目になるエミリー。だが、もうひとりのエミリーと目が合う!

エミリーは殺されたのではない。心の病気だったのだ。多重人格だった彼女。つまり、自分で自分を殺したのだ。シルヴィアを拒絶する彼女。部屋の中でもうひとりのエミリーが出てこないのはなぜなのか?
怪物とは生前は一心同体だった。でも、エミリーが死んで2つの魂が解放されたのだ。この魂も成仏させなければいけない。
次の瞬間、真っ白な全裸男が階上から降りてきてエミリーを襲う。
「ずっとお前の中にいて教えてやろうと思ったのに」「臆病者のお前が知っても、どうにもならない答えを」エミリーを追い詰める、もうひとつの人格。
「お前を殺したら逃げられると思ったが、屋根裏で嫌なことを追体験させられていた」
という男はエミリーを捕まえる!彼女は白目を剥く。

彼女はフライパンで自分を焼き、殴り、鏡に頭を突っ込ませる。ナイフを手に刺す。

「償ってもらう」男は姿を消す。
エミリーはシルヴィアを探す。
「死者よ立ち去れ!」
シルヴィアの声がする。
「私、成仏できそう?」
家の中で生活していたエミリーの姿は次々消えていく。闇が広がっていく。自分を刺しているエミリー。驚いている男(悪霊ではなく、彼女の死を目撃して驚いている人?)。
「心配しない、きっと成仏できる。私はゴースト、私はゴースト……」

感想

・ほぼ1人芝居。素晴らしい演技
・最初、全然意味が分からないかも?と思ったけれど、ラストまで見ると飲まれてしまう。
・ただ、ラストの男の人は何だったのかな?読解力がなくてすみません。

私はこの映画好きです。