「脳漿炸裂ガール」

nouryosakuretu

2015年の邦画「脳漿炸裂ガール」を見ました。
・ボカロ曲とそのノベライズが原作
・女子校を舞台に、女の子たちがリアルサバイバルゲームに挑む
・実は、その裏には政府も絡む恐ろしい陰謀が隠されていた
というと聞こえはいいですが、乾いた笑いしか出ないっす。
「さあ狂ったように踊りましょう どうせ100年後の今頃には皆死んじゃってるんだから」「どうでもいいけどマカロン食べたい」
といったフレーズが効果的に(?)使用されています。

あらすじ

大ヒットした同名のボーカロイド楽曲とそのノベライズ版をもとに、私立恵比寿中学の柏木ひなたと「映画 暗殺教室」の竹富聖花主演で映画化したティーンズ・シチュエーション・スリラー。監督は「ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国」のアベ ユーイチ。
憧れのお嬢様学校・聖アルテミス女学院に入学した市位ハナだったが、突然、クラスメイトたちと檻の中に閉じ込められ、1名だけしか勝ち残れない死の謎解きサバイバル・ゲームに参加させられてしまう。同級生の稲沢はなと力を合わせてゲームに挑むハナだったが…。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=352420

登場人物

市位ハナ:主人公。お嬢様ばかりの学園で唯一の庶民。かわいい。
稲沢はな:成績優秀、眉目淡麗な学園のマドンナ(女子校にもあるのか?)。演技力はあるんでしょうが、いかんせん憧れのお嬢様にしてはおアゴが……。

瀬澤マイカ:ハナ曰く「ビッチ」。男好き。岡田あーみんの「淫乱シスターズ」思い出した
城野モクハ:超お金持ちのワガママ娘。陸上選手でもある。
味田レイコ:眼帯をしていて無口。地味設定のようですが、顔はかわいいっす
※マイカ、モクハ、レイコはいつもつるんでいる

田篠:ハナの担任の教師。
久保賀:教育実習生。チャライ。
古寺:教育実習生。一見冷たく見えるが……「テラスハウス」の人が演じてます。

ネタバレ

スーパーの台車みたいなもの(柵付きの台車みたいなもの。名称不明)に閉じ込められている女の子。

時間は巻き戻る。主人公のハナは、超お嬢様学校の制服に憧れて学園に紛れ込んでしまった一般人。モクハ、マイカ、レイコにバカにされつつ、憧れのはなにプレゼントされたマカロンに喜ぶ無邪気なところもある。
はな、モクハ、マイカ、レイコは成績優秀者なので白リボン。ハナはもちろん普通の赤リボンだ。

終礼では、教育実習が終了する日のため教師2名が挨拶をする(ちなみに、男性陣は全員執事のような恰好をしていて目玉が飛び出した)。
「面談の予定のない人はまっすぐ帰宅」という教師の命令を忘れ、携帯電話をとりに戻るハナ。しかし、学校を出ようとした時、担任の田篠が銃で女の子を撃つのを見てしまう。そして、彼女も拉致されてしまう。

最初の「面接」が始まる。「黄金たまごのジョブハンティング」ゲームに強制参加を求められる女学生たち。白リボンの生徒ばかりだ。アプリへの登録を命じられるも、はなは携帯を持っていない。ハナの助けにより(2台持ちだった)、はなは助かる。
そして、次の居場所を当てるクイズに参加させられる。ハナははなの手助けを得て、無事にクイズを解く。
(クイズのヒントとして、正解の文字列のなかに、指定した文字が何個入っているか開示される。だが、ひらがなかと思いきやそれはきっかけで、アルファベットの「i」を入れてヒントを開示するのが正解を得るために欠かせない行動。ちなみに、先生も「愛だよ愛」とヒントを言っているのですが、ゾワゾワするヒントの出し方だ)

ハナははなにお礼を言い、「あなたに生かされた命なのだから私たちは一蓮托生よ」と誓い合う。そして、余っていたマカロンを食べる2人。はなはマカロンが大好物のようだ。
しかし、他のクラスでも同じことが起きているようだ。マイカたちも合流して、彼らは先を急ぐ。だが、第二面接の会場に行くための道がセンサーで塞がれている。モクハは他の生徒を犠牲にしてセンサーを調べ、それを飛び越えようとする。しかし、センサーは固定されているわけではなく、人を察知して自在に動くため、モクハはここで倒れる。ちなみに銃は本物の拳銃ではなく、撃つと生徒の脳梁らしき透明な液体が飛び散るシステムになっている。

はなは、センサーが何に反応しているのか調べる。声ではなく体温センサーだと気が付いたはなは、マイカのヘアスプレーを借りてセンサーを凍らせ、道を作る。

面接は続く(ここからボカロの曲が入り、ざくざくカットになります)。
・花いちもんめやじゃんけんをする
・音楽室で演奏、楽譜を書き出す
・図書室で辞書や本の速引き対決(問題の答えを早く見つける)
どんどん脱落していく生徒たち。
※演出なのでしょうが、突如画面が止まってピンクになったりグレーになったりするので笑ってしまった

そして第8面接。既に生徒は5人しか残っていない。
はな、ハナ、マイカ、レイコ、もう1人。ひとつだけウソが混じっている4択問題のなかで、ウソを見抜いたら勝ちというクイズに挑戦するが、1人しか生き残れないことを知って驚くハナたち。
しかも、全員が正解したらもっとも回答が遅かった人が死ぬのだ。そのため、名無しの生徒がさっそく死亡する。
ここで、「はなが新聞で報道されている集団自殺事件の黒幕である」こと、「マイカが久保賀と関係を持ったこと」「レイカは久保賀が好きだが、フラれたこと」などが明らかになる。マイカとレイコはケンカになり、レイコは不意を突いて久保賀が持っていた銃を奪い、彼とマイカを殺す。そして、自分が生き残るためにはなとハナを殺すと宣言する。

逃げ続けるハナたち。途中で古寺に見つかり、ハナだけ拉致される。だが、彼はハナを掃除ロッカーに隠す。ハナは狂気に支配されたレイコに見つかってしまうが、そのレイコを古寺が撃つ。しかし、彼は田篠の手下(フクロウの仮面)に呆気なく殺される。彼は教師になるため、この計画に協力せざるを得なかったようだ。だが、どうしてもこの状況に納得できず、反旗を翻すも死んでしまった。

ハナは気付いたら体育館に連れてこられている。死んだと思っていたマイカやレイコ、モクハたちがいるが、田篠が現れ、また説明を始める(「説明するの、忘れてましたぁ」と後付けで説明してくるキャラなのですが、仕事のできない人にしか見えない)。
彼女たちは死んだのではなく、何の意志もない人形になったのだ。田篠に煽られるまま、狂ったように踊る女子生徒たち(ダンスのクオリティが……ちなみに、このシーンが「パズル」のラストシーンに酷似しています)。
そしてはなも現れる。しかし、今までの彼女とはまったく違う、投げやりなキャラになっている。彼女がたびたびハナに語っていた兄の存在。それは田篠だった。彼は「黄金卵のジョブハンティング」というアプリを開発したものの、それを政府に悪用され、教育プロジェクトに乱用されたのだ。
「兄は大人の家畜になった」
というはな。兄もまた、大人たちに脳梁を炸裂され、自分の意志を失っている。さらに、はなが集団自殺事件の犯人だという話も、自分の意志を失った生徒たちに「こんなに無能なら、生きている必要ない」と言い捨てて自殺させてしまったからだ。彼女は既に、このゲームを別の学校で体験していた。

ハナとはなは、最終対決をする。2つある銃のなかから、1つを選んで撃つ。弾が入っているのはひとつだけ。だが、ハナははなの誘導で、スマホのフリック入力を利用して答えを導く。だが、ハナははながヒントをくれていたこと(ハナが貸した携帯はガラゲーだったため、フリック入力についてブツブツ言う必要はなかった)に気付いている。
しかし、ハナとはなは同時に銃をつかむ。間違っているのはどっちなのか?
次の瞬間、ハナは引き金を引く!はなは目をつぶる。しかし、ハナははなの口の中に余っていたマカロンを突っ込んだだけだった。
ハナははなを信じたいのだ。「私たちは一蓮托生だから」
しかし、はなはハナに生きていてほしいと願いを託して、脳梁を炸裂させる。

田篠は、このゲームの結果を偉い人(説明なし)に報告している。女の子たちは自我を失ったが、それで満足度が増したという報告をしている最中に、襲撃を受ける!そこには、ボロボロの制服に銃を持ったハナと、意志を失ったはながいる。「はなちゃん、いつか必ずもとに戻してあげるからね!」「だって私たちは一蓮托生だから!」その横ではなは「どうでもいいけど、マカロン食べたい」とつぶやく。

感想

・自分の意志で呟けるなら、自我失ってなくねぇか?
・女の子はみんなカワイイ。でも制服がメイド喫茶みたいに見えるのがちょっと……男性陣はみんな、SEKAINOOWARIのコスプレしてるみたいでした。
・サバイバルゲームのわりに、クイズが多いのが謎。
・黄金卵のジョブハンティングゲームって聞くと、どうしてもハロプロエッグオーディションが頭に浮かびます。しかし、アプリゲームを教育プログラムに悪用するってなんだろう。アプリをダウンロードした人から無選別に参加者を選ぶとかならともかく、「まずは登録してね!」って……!?!?
・ダンスシーンが「パズル」と非常に似通っている
パズル:夏帆さんが体育館で制服のまま激しくダンス(ただし、フリなし。体を動かしているだけとも言える)
この映画:女子高生たちが体育館で制服のまま激しくダンス(ただしフリあり)
パクリとは思いませんが、既存のシーンを越えるインパクトなり、感情なりが欲しい。
・みんなそんなにマカロン好きかい?寿司とかハラミとかカレーライスのほうが好きじゃないかい?