「プリデスティネーション」

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SF好きの方にはとにかくおすすめの「プリデスティネーション」。2014年のオーストラリア映画。ホラーではないのですが、じんわりと背中に冷たい体液をにじませてくれるような、とにかくゾッとさせられるほど面白い。最後にこの話のからくりがわかった時の気持ち悪さたるや、素晴らしいです。
主演はイーサン・ホーク。助演のセーラ・スヌークの演技も素晴らしい!
「ジェサベル」で主演していた女性ですが、この女優さんは素晴らしく演技がうまいと思う。こんな演技、並大抵の女優じゃできませんと言いたくなるくらい、この映画は厄介なストーリーです。この監督の「デイブレイカー」も好きです。

あらすじ

「デイブレイカー」のスピエリッグ兄弟が再びイーサン・ホークを主演に迎え、SFの巨匠ロバート・A・ハインラインの短編『輪廻の蛇』を映画化したタイムパラドックス・サスペンス。共演はオーストラリア期待の若手女優セーラ・スヌーク。

1970年11月6日、ニューヨーク。場末のバーに現われた青年ジョンは、バーテンダーの男に自らの数奇な身の上を語って聞かせる。青年の告白に同情したバーテンダーは、あることを条件に、彼に復讐のチャンスを与えると提案、2人で7年前へとタイムスリップする。なんと、バーテンダーは未来から来た時空警察のエージェントだったのだ。彼は1970年のニューヨークで市民を震撼させている連続爆弾魔フィズル・ボマーの犯行阻止を最後のミッションと決め、引退する自分の後釜にジョンを据えようとしていたのだが…。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=350843

簡単なネタバレ

時空を飛び、ニューヨークで大虐殺を行った爆弾魔を追う仕事をしている主人公。だが、彼に残されたチャンスはあと1度だけだ。爆弾魔を追い、阻止しては別の場所を爆破され、いたちごっこが続いている。

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彼は最後の仕事でジョンと名乗る青年に出会う。彼の数奇な運命に聞き入る主人公。
彼、いや、彼女・ジェーンは孤児だった。勉強をして宇宙飛行士になろうとするが、途中でその夢を阻まれてしまう。勉強をし直していた彼女に、ある男性が近づく。妊娠する彼女。だが、その検査の途中で両性具有であることがわかる。子どもを出産するもその子は盗まれ、ジョンは手術をして男性になる。そして、名前を変えてニューヨークにやってくる。

彼は自分の後釜に彼をスカウトする。そして彼をある時代へ連れていく。それは、ジョンが宇宙飛行士をやめた直後だ。そして彼・ジョンは、性転換をする前の女の自分・ジェーンと出会う。そして恋に落ち、体を重ねてしまう。

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ボマーと対峙する主人公。だが、ボマーは消えてしまう。

ジョンとジェーンの間に生まれてきた子どもを盗みだし、主人公は過去に連れていく。そして孤児院に置き去りにしてしまう。つまり、ジェーンとジョンが生んだ子はジェーンであり、そのループは繰り返されているのだ。

主人公はジョンに仕事の手順を言い残していく。テープに吹き込んでいくのだ。

主人公はボマーを追い詰める。しかしそれは主人公の顔をした老人だ。
つまり、ジェーンもジョンも、赤ん坊もボマーも、主人公なのだ。
彼はボマーを殺してしまう。

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ジョンは主人公が残した「お前は人生最高の贈り物だ。お前がひどく恋しい」というテープの声を聞いている。
この話は面白いなあと思ったのですが、原作はロバート・A・ハインラインなんですね。SFに疎い私でも何となく知っているくらいですから。
大満足の映画。こういうのをデートで見せてくれる人がすき。