やっぱりカルト映画は面白い!世紀末肉屋で起こるドタバタ人肉劇『デリカテッセン』

デリカテッセン

1991年のフランス映画『デリカテッセン』を見た。

近未来、食料が不足している世界でこっそり人肉を販売する肉屋と、彼が経営するアパートを舞台にした、すさまじいSFファンタジー群像劇であります。

主人公は相棒を失った芸人。彼は肉屋に卸される予定でアパートに迎えられたものの、肉屋の美しい娘と意気投合。彼を襲おうとする肉屋と、彼を守ろうとする娘、さらには肉屋の資産であるコーンを狙う地下組織や一癖あるアパートの住人たちがお話に複雑に絡んできます。

自殺願望のある妻とその夫婦、貧しい大家族、半地下で水に浸りながら暮らす老人、警察組織のような役割すら担う郵便局員の男(ちなみに肉屋の娘に横恋慕中)など、キャラクターがとにかく濃い。

ビジュアルも鮮烈なのですが、ただひとつだけ気になるのが翻訳があんまりよくなかったことでしょうか。

ストーリーについて語るのは置いておいて、途中気になったのが「芸人なんだ」という紹介から登場した主人公。

げっ、芸人?漫才師?コント芸人?それともピン?フリップ芸?? えっ、浅井?マセキ?松竹??とかいろいろ考えてしまいましたが、ピエロでした。ズコー。まぁ、ピエロも芸人ですよね。ちなみにチンパンジーと一緒に芸をしていて、そのチンパンジーもクレジットに写真と名前が出ていてかわいかったです。

このピエロという設定が物語を進展させる重要なポイントでもあるのですが、恐怖を感じさせる要素としても映画内に登場しており、センスの良さを感じさせてくれます。未見の方はぜひ。