豪華客船を舞台にした密室ミステリーかと思いきや、これは「ホステル」なの…?イギリスドラマ『WRECK/レック』の感想・解説(ネタバレあり)

イギリスのホラードラマ『WRECK/レック』のシーズン1を見ました。Huluで配信されております。

舞台は豪華客船。こき使われる若い底辺スタッフたちの間で殺人事件が起きるという、ヒエラルキーを意識した学園ミステリーに近いテイストの作品かと思いきや…

トンデモナイお話でした。ミステリーではなくゴアスプラッターに近い気がする。

 

このドラマの特徴をざっくり挙げておくと

  • 2人の主人公がそれぞれ同性愛者である(もしかしたらバイかもしれませんが)
  • 姉の死の謎に弟が迫るミステリー(あるある!)
  • 船の中で対立する2つの麻薬組織、そしてもうひとつの大きな秘密とは?
  • ひとりずつスタッフが消える… なぜ?
  • 『ホステル』『パージ』を想起させるおそろしい秘密を抱える豪華客船=密室ホラー

全6話なので見やすいのもいいですね。コメディ要素は実のところ、ないと思います。あったとしてもシニカルな笑いですね。

 

登場人物たち。

ジェイミー:姉の死をきっかけに、問題の客船にスタッフとして潜り込んで調査。いわゆる陰キャで目立たないタイプ。父にDVを受けてきた。

ビビアン:ジェイミーの相棒であり、もうひとりの主人公。ジェイミーと同じく家庭環境が悪く、親に内緒で乗船。ジェイミーの目的を知り、協力を申し出る。

オリー:ジェイミーの恋のお相手。フィリピン系で、主にキッチンを担当している。実はある秘密を抱えており―!?

コーマック:ジェイミーに身分を貸してくれた友人。ジェイミーとはタイプが異なり、脳筋。客船のショーキャストをしている彼女を追いかけ、ジェイミーの部屋に忍び込んでしまう。いい奴。

ロージー:コーマックの彼女。関係がこじれていたが、劇中でよりを戻す。コーマックとともにジェイミーとビビアンを手助けする。いい奴。

ローレン:ジェイミーたちとともに乗船した新人スタッフ。寝る暇がないほど働かされる。ジェロームといい雰囲気になるが…?

ジェローム:陽キャのミュージシャン。ジェイミーたちとともに乗船した。唯一、仕事も遊びも楽しみまくっている。

リリー:VIP客のひとり。ビビアンと恋に落ちる。

ビッパ:ジェイミーの姉。船から飛び降りて自殺したと言われているが、ジェイミーはそれに納得していない。たびたびジェイミーの前に幽霊の姿で登場する。船では花形のショーキャストとして人気者だった。

ソフィア:現在センターを担当するショーキャスト。ビッパの友達だった。航海士たちの悪だくみに手を貸し、命を狙われる。

サム:航海士。イケメンだが女たらし。

ダニー:ビッパの元カレ。ジェイミーにとっては「容疑者」だったが、本当にビッパを愛していたことが彼の口から明かされる。ただし女たらし。

カレン:航海士たちのボス。パワハラ当たり前の性格で、若いスタッフたちを苛め抜く。

私のお気に入りはコーマックとロージーのカップル。プロムクイーンとプロムキングのようなルックスでありつつ性格も良く仲間思いで強いところもよいのですが、ドラマにおける重要な「ガス抜き」(お笑い)要員でもあります。

あと、ドラァグクイーンが出ていたのも面白かった。本家の方?俳優さん?どっちだろ?

 

お話を振り帰ります。

第1話

物語とキャスト説明に費やされる回なので、特に何もないかと思いきや、ダニーが船のマスコット(着ぐるみ)に襲われるシーンがあります・

犯人は終始着ぐるみを着ているのかと思いきや… そんなこともなかったです。ちなみにアヒルちゃんでした。

一時期マスクをかぶったホラーが流行しましたが(古くは『悪魔のいけにえ』『ハロウィン』『13日の金曜日』、最近だと『パージ』シリーズも印象深い)、このドラマでは特に意味をなしていません。なので、着ぐるみであることはあまり意味をなさないです。(犯人の性別や体形などがわからなくはなっていますが、さほど怖くはないかな)

 

第2話

今度はキャストのソフィアが襲われる羽目に。ジェイミーは彼女から何かを聞き出そうとするが、その矢先に彼女は殺されそうになってしまう。

一方、ジェイミーはオリーとの、ビビアンはリリーとの仲を深めていく。

しかし、ソフィアを襲った目出し帽の犯人はオリーで…!?

 

第3話

ビッパは腿に魚のタトゥーがある男とトラブルになっていたことがわかる。オリーの知り合いのフィリピン人タトゥーアーティストに話を聞くが、要領を得ない。

実は豪華客船では、フィリピン人スタッフの派閥と航海士たちの派閥が麻薬戦争を起こしていた(つまり、両方の組織で麻薬を客やスタッフに売りさばいており、敵対関係にあった)。

フィリピン人グループに所属するオリーは航海士の協力者であるソフィアを脅そうとしただけであり、犯人ではなかったことがわかる。

しかし、フィリピン人スタッフたちに目をつけられたジェイミー。ボコられる寸前のところをオリーにかばわれる。掃除婦のおばさまが凄腕キラーなのがかっこいい!

 

第4話

タトゥーの男は航海士のサムだった。彼はビッパに既婚者だということを黙りつつも真剣交際をしていたことをアピール(嫁とは別居状態だったらしいです)。ジェイミーに協力すると断言する。

サムはソフィアと別れることを選ぶ。ビビアンはリリーといい感じになっていたが、その交際は賭けの対象だったとリリーの義理の兄から知らされ、リリーを軽蔑する。

ジェイミーは姉が使っていた部屋のカーペットの下に残された地図を頼りに、火災報知機に隠されたメモを発見。船から降りたていになっているが、姿を消したスタッフが定期的に出現していることを突き止める。しかも、人事のデータでは全員が「逃亡」扱いになっていた。

下船する予定だったロージーとコーマックはそれを取りやめ、ジェイミーとビビアンに協力することにする。

ジェイミーに協力していたサムだが態度を急変させ、襲ってくる。サムも客船の大きな秘密を知っていたのだ。拘束されるジェイミー。失踪していたジェロームの遺体を発見する彼の前に、カレンが現れる。

リリーとビビアンはよりを戻し、オリーは戻らないジェイミーを待ち続ける。

 

第5話

ジェイミーはなんとか拘束を解いて逃げるが、どこで捕まっていたのかが思い出せない。隠し部屋で証拠(ジェロームの遺体)を撮影しようとするジェイミーは、コーマックやビビアンたちと協力して部屋を探すことに。

しかし、ジェイミーとビビアンは「指名手配」され、航海士たちは執拗に彼らを探し回っていた。

ジェイミーとオリーは航海士に捕まり、リリーに匿われていたビビアンもはやはり捕まる。

そして、見せしめとしてオリーやジェイミーの前で始末されるサム(不手際が多すぎた)。

実は船ではVIP客に向けて、スタッフの殺人ショーが公開されていた(VIPがお気に入りのスタッフを指名して、その人たちを襲うことができる。他のVIPはそれを見て楽しむ)。そして、裏切り者であるリリーはビビアンをターゲットに指名したのだ。

 

第6話(最終話)

パーティをしているショーキャストやスタッフたちのところに協力を求めたジェイミー。船の秘密をしったスタッフたちはジェイミーを手伝うことを決める。

航海士たちと若いスタッフ、ショーキャスト、フィリピン人グループたちが命をかけて睨みあう中、ジェイミーはこっそり抜け道からビビアンを助けに向かう。

ビビアンはチェーンソーを持つリリーに襲われていたが、飛び込んでいたジェイミーに気を取られたリリーはバランスを崩してしまった。そして、チェーンソーが彼女の頭に刺さってしまう。

その後、逃げた先でVIP客たちに捕まるジェイミーとビビアンだが、助けがやってきた。にらみ合う両者だが、ボウガンを手に取ったローレンのおかげでVIP客たちは無事拘束される。

ただし、カレンはどさくさにまぎれて下船(航海士たちはボロ負けした模様)。船には警察が到着する。

しかしながら、同企業の他の豪華客船でも同じことが行われているらしい。彼らの悪だくみはまだ続くのか?

そして、客船を観察してる小型船の上の誰かが見える―それはいなくなったジェイミーの姉・ビッパだった。

 

という、シーズン2に続く感じの終わり方でした。

まさかの『ホステル』みたいな内容をドラマで織り込んでくるとは… とビックリ。かなり過激な内容だし、スプラッター的な要素もあるので驚きました。

黒幕は航海士たちと船長、そしてVIPたち。ビッパとダニーを手にかけたのはサム、ジェロームはVIPの犠牲になったということがわかりました。が、だろうね~という感じの内容。オリーへのミスリードはありましたが、他に怪しい人たちいないんだもん。そりゃあ航海士たちが怪しいよねという感想。

カレンだけは逃げたので、次回は出てくるのか?

次は客船ではないところが舞台で、キャストも一新されるのかもしれません。

 

すっどくどうでもいいことですが、ビビアンとリリーが結ばれる際、舞台に置かれた車のセットの陰でイチャイチャして、その曇った窓ガラスを向こう側から掌が拭う…(まあ、曇り具合と手の動きでめちゃくちゃ絡み合ってるみたいなのを察するシーン) みたいなシーンがあったのですが。

これは「タイタニック」のオマージュなのかしら?たしか主人公カップルが結ばれた時、船の中にある車のなかでいたしていたような…

あと、ホラー的な推察で言いますと、ビビアンがリリーに体を許す=おそらく処女性を喪失した、その直後にターゲットとなるのはホラー映画のセオリー通りとも言えます。今時バージンならばキラーに襲われない(襲われても生き残る)、というのはいささか古いのかもしれませんが。

しかしよく考えると、バージンを襲うのが趣味だというキラーは気持ちが悪いですね。いや、そうじゃなくても(肉体関係を持った経験がある女性を襲っても)気持ちが悪いんですけど。

そういう意味ではジェイミーって処女性を喪失しないままラストを迎えているので、ターゲットにならなかったのか?

イギリスのドラマって脚本や設定がとんでもないものがあって、わりと好きです。

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