この映画は非常に興味深い。
- アジア圏(キリスト教信者が多い韓国だからこそ成立すると言える)ではあまり見られない「悪魔祓い」をモチーフにした韓国映画である
- ムキムキイケメン格闘家が、選ばれし聖者となって悪魔祓いを行う。つまり、オカルト×正統派アクションという異なるジャンルをうまく組み合わせた
- 悪魔祓いの師となるアン神父(真面目で仕事熱心、お堅い印象)と主人公のヨンフ(無口だが力が強く正義漢、愛情に飢えている、悲しい過去を持つ、若さ故のメンタル的な弱さを持つ)の対比もユニーク。師匠と弟子の成長物語とも見えるし、ヨンフが父親的役割をアン神父に求め、疑似的な親子関係も成立している
- ヘビ男の特殊メイクが素晴らしすぎる!CGもすごい。
- 主人公たちと敵対する闇の司祭の集団が魅力的。いかにも悪そうな奴らで、実際に非常に汚い手段を使って主人公を追い詰めるのだが、クラブオーナーをしている一面も面白い。部下も全員闇の組織の一員でウネウネと演技している
- 悪魔に魅入られた人たちの熱演もいちいちすごい
ということで、2019年製作の『ディヴァイン・フューリー/使者』を見ました。
ホラーが嫌いな人、苦手な人にも比較的見やすい構成だと思います。絵もきれいでストーリーもわかりやすく、とっつきやすいイメージ。
総合格闘技のチャンピオンである主人公・ヨンフは、悪魔に魅入られて悩んでいたところ、アン神父による悪魔祓いを目撃。
やめていった助手と入れ替わりで、なんとなくアン神父の仕事を見学し、手伝うことになる。
闇の司祭のグループはアン神父を疎ましく思い、子供に悪魔を憑依させ苦しめる。しかし、子供は依り代に過ぎず、アン神父は闇の司祭に闇パワーを注入されて死にかける。
ヨンフはアン神父の代わりにクラブに乗り込み、ザコをボコボコにしてから闇の司祭と対決。亡くなった父とも夢の中で再会を果たし、右手に出現した聖痕を敵に叩き込むことに成功!ちょっとNARUTOっぽい…
倒れた敵は、突如出現した大量の手がくっついたお化けに闇に引きずり込まれる(「彼岸島」っぽいビジュアルで大変よろしい)。
ヨンフはアン神父ともにイタリアに旅立つことを決める。
という、ほろ苦くもバッドな方向に決して転ばない、非常に爽やかなストーリーでした。主人公のパク・ソジュンはマーベル映画に出演するほどだから、韓国でも人気が高いんでしょうか。アン神父役のアン・ソンギさんは「殺戮にいたる山岳」で主演していたけど、全然覚えてなかった。また見ていない「第7鉱区」に出ているみたいだから、見ようかと思います。
あと、お父さん役の俳優さんが光石研さんみたいでした。
しかし、マッチョが悪魔祓いをやるとこんなにも心強いんですね。安心しました。