令和に「人間ルーレット」が見られるのはこの映画だけですよ『バナナ・スプリッツ・ホラー』

子供番組ってなんだか怖い…

という方にぴったりのホラー。『バナナ・スプリッツ・ホラー』は子供番組の着ぐるみたちが襲ってくるという、過激な印象が強いホラーコメディ―です。

番組の雰囲気は、『シンプソンズ』のクラスティのショーに近い感じがしました(他に客を入れて収録する子供番組を知らないからだけど)。

着ぐるみが襲ってくるというスタイルのホラーは珍しくはないのですが、どちらかというと小道具的役割で登場することが多い気がする。(学園サスペンスで登場した殺人鬼が、着ぐるみを着て襲ってくるワンシーンがあるぐらいの役割)

着ぐるみが襲ってくるイメージが強いのは、近年だとニコラス・ケイジの『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』。こちらも出来が良くて好きですね。ニコラス・ケイジの使い方もうまかったと思う。

 

主人公の兄弟はとにかくピュア。弟は子供番組が大好きで、友達がいないちょっと幼めのタイプ(小学校低学年ぐらいか?)。兄は出来は良くないけれど、そんな弟を心配して面倒を見るめちゃくちゃいい奴(18歳ぐらい)。

母親はちょっと口うるさいけれど子供を愛している。父親は兄弟と血がつながっておらず、一言でいって嫌な奴です。子供に厳しく、仕事ばかりで家庭を顧みず、結局浮気していたというしょうもない男。

無理やり誘った弟の友達も1人加わり、子供番組「バナナ・スプリッツ・ショー」の公開収録に参加する一家。

しかし、番組の裏では打ち切りが決定してスタッフもキャストも荒れているし、AIを搭載した着ぐるみ(これ、着ぐるみっていうのだろうか?ロボ?)たちはアップデートに失敗して人間たちを襲うようになってしまいます。

彼らの目的は大人たちをボコボコにして子供たちを客席に集め、残酷ショーで震え上がらせた後にこちらも始末するという… いや、めんどうくせぇよ!と言いたくなるぐらいまわりくどい願望を持っています。

襲われるターゲットは番組スタッフ、キャスト、収録後に残されたスペシャル観覧客(この人たちだけが後に残って着ぐるみたちと記念撮影できる)たち。

観覧客は

  • 問題ありありのステップファミリー(主人公たち)
  • ステージパパと言いなりの子役女子
  • 番組ファンのインフルエンサーカップル

という、いかにも犠牲者として選ばれそう…って感じのメンツです。で、バシバシ襲われ、子供たちだけ囚われ、母親と兄たちで助け出す流れなのですが。

 

とにかく、犠牲者が多い!

子供番組の内容に乗っ取り、デスゲームで脱落する人も多い!そして、罪のある人間もそうでない人間も物凄い勢いで犠牲者に転じていきます。勢いがすごい。

スプラッターとしてはあまり出来はよろしくない(CGではなく特殊メイクが中心だが、あんまりうまくないのとオリジナリティのある手法はさほど見られない)気もしますが、それでも面白いんですよ!

 

テレビ局の制作部長:まさかの人間ルーレット(たけし軍団とか志村けんの番組の罰ゲームでよく見た)に釘付けにされ、なぜかそのまま体を裂かれる

警備員:初登場でそのまま首とれる

インフルエンサーの男:プロポーズに成功後、胴体切断マジックの箱に入れられ、首を切り落とされる。ちなみに彼女は無理やりそれに加担させられる

ステージパパ:顔を焼かれた後にデスゲームに参加させられ、高さのあるセットから落下して脱落。

人間のキャスト:番組には着ぐるみ以外にも人間のキャストがいるのですが、酒びたりのダメ人間として描かれています。喉にキャンディを刺されて退場。その後、三輪車に乗せられて炎の塊で吹っ飛ばされるというド派手な退場をかましました。

プロデューサー:ステージパパと同じくデスゲームに参加させられるが、転んだ拍子に関節がバッキバキに折れてしまい、ゲームを続けるごとにさらにバッキバキになり、最後は顔面崩壊しながら退場(一番痛そうでよりかわいそうな感じ)。この人、何も悪いことしてないんですけど…

ランダムに紹介していますが、これ以外にも大人たち(スタッフや客含め)が床に大量に転がっているシーンもあります。

 

生き残ったのは

  • 一家の母親と兄弟、その友達
  • ステージパパの娘
  • インフルエンサーカップルの片割れの女
  • 案内係(前説担当)のかわいい女の子

という、謎の組み合わせ。いや、子供が生き残るのは素晴らしいですよ。

インフルエンサーはなんで生き残ったのか?と思ったら、ラストにバラバラになった着ぐるみたちを持ち出す役割を担っていたんですね。恋人の死を目の当たりにして狂ってしまったような描写もあります。続編があるなら、彼女がフィクサーになるんだろうなと思わせるラストです。

そして気になるクソ父親ですが、このインフルエンサー女子に車で轢かれて終了。わりとがっつり轢かれてました。

お兄ちゃんは案内係の子とくっつき、お母さんは唐突にタンクトップ姿で勇ましく立ち回っていたのも印象深い。『エイリアン』シガニー・ウィーバー、『REC』の主人公のアナウンサー以来のタンクトップフィーバーでした。

着ぐるみのなかにも良心を持つものがおり(ちなみに象さん)、子供たちを助けてくれて、着ぐるみ同士で殴り合ったりもしてくれます。

 

この映画の新しいところってAIを搭載したロボ(布をめくったらすぐ機械)が人間を襲うという設定にあるのですが… いや、よくよく考えたらターミネーターも似たようなものか?

しかし、バナナ・スプリッツってどういう意味があるんだろう?調べてみたら、裂いたバナナってこと?

頭の中で『ソーセージ・パーティ』(下ネタと残酷描写の乱発が過ぎるアニメ)と混ざってしまい、宅配DVDの配達を受け取った時に一瞬「あっ、エッチなDVDだっけ?」と思って慌ててしまいました。

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