陥没穴に落っこちたマンションの中から脱出!でもどうやって?『奈落のマイホーム』

奈落のマイホーム

韓国のサスペンスホラーのなかでも異色の作品『奈落のマイホーム』。2021年の作品。

陥没穴に丸ごとマンションが落ちてしまい、そこからどう脱出するか!?というホラーコメディ。とはいえ、悲しいシーンもきっちりあります。

前半はマイホームを巡ってもホームコメディ要素が多め。節約生活を続けてソウル市内にマンションを購入するも、マンションの傾きに気が付く。隣人には変わった男もおり、小金をむしられたり迷惑をかけられたりと騒動が続く。同僚を招いたホームパーティでは、社内恋愛が明るみになり、かわいがっていた後輩も失恋。

などなど、ひたすらドタバタアットホームコメディが続き、先が読めない感じが続くのですが…

陥没穴にマンションごと落ちてからは、サバイバル脱出劇がスタートします。主人公のサラリーマン、ホームパーティに来ていた部下の男性、インターンの女性に加え、変人の隣人おじさん(この人もちゃっかりしているだけで、実は家族思い)とその息子が救援隊に生存を伝え、傾くマンションからなんとか逃げのびようとしますが…

なんと最深部の駐車場に自分の息子がいるかもしれないことを知り、助けに行くことに。そこで息子と生存者のおばあさんと出会いますが、おばあさんの親族(介護をしていた若い男の子)や、男の子の遺体を目の当たりにして涙。そしておばあさんは、彼らとともにマンションに残る選択をします(おばあさんをつれて上がれないため)。この辺りは本当にかわいそう。子供の遺体はテントに入っていて登場しませんが、懸命な演出だったと思います。

大雨が降り注ぐなか、空になった貯水タンクの中に入って浮かび上がろうとする生存者たち。しかし、外からフタを締めなければならず、隣人のおじさんがその役をかってでます。

まぁ運よく生存し、生き残っていた面々は助かり、主人公の部下男女はのちに結婚までしちゃうのですが…

とはいえ、事故の生々しさや被害者遺族の涙は胸を打ちますし、生存者を助けるために隣のマンションも意図的に陥没穴に落とすことになるのですが、それに進んでOKを出す住人たちもすごい。隣人愛、家族愛に満ちている作品。

韓国映画でいいなあと思うところは、家族仲の良さであるとか、自己犠牲の精神であるとか、今の時代にはやぼったく思われるような要素をしっかりと入れ込んでいるところでしょうか。そのたくましさとか絆に救われる感じがしました。

今まであまり見たことがないテーマの話であり、かつスケールが大きい(セットもでかい)ので集中して見ることができました。ホラー映画とは少し異なるかもしれませんが、この状況はおそろしすぎる。あと、家がでっかい穴に落ちてなくなるってシンプルに怖いですよね。

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