2018年のカナダ映画『ブラインデッド』を見ました。
盲目の囚人(家族と一家心中しようとしたので冤罪?)と、妊婦の女性警察官が協力してゾンビだらけの世界を生き抜くというお話。
…なんですけど、DVDジャケットの煽り文句「ゾンビ映画史上最高難易度のサバイバル・アクション」ではない。そもそもなんなんだそれは。
- 盲目の男がゾンビパニックのなかで警察官に助けられる
- 協力して逃げようとするが、警察官は単独行動に走り、盲目の男はゾンビに襲われて逃げる
- 助けられるも、助けてくれた人がゾンビ化
- 再合流
- 出産が近付くも、ゾンビは追いかけてくる。盲目の男は噛まれながらも警察官を守り、彼女だけを逃がす
- 力尽きて倒れ込む警察官を、ある車が拾ってくれる。車中出産。
という、ベタベタの展開。
そもそも、警察官が呑気に朝目覚めるシーンから始まるのもよくわからない。
さらに、ゾンビがあんまりいないので普通に逃げられるんじゃ…?とか、車をどうして探さないの…?(頑なに徒歩移動)、全然食べないけど平気?とか、いろんな疑問が浮かんでは消えていきます。つっこみどころ満載なのに、空気的にスルーして終わりっす。
ちなみにこの映画のゾンビは走らないので、余計にそう思う。頭メチャ悪いし(気配を感知して追ってくることすらしない)。ふと、恐竜ってこうだったのかなとか思いました。
助けてくれた人がゾンビ化するシーンもよくわからない。風邪のワクチンを打った人が狂暴化して云々みたいな説明エピソードが出てきたのですが、これってコロナの反ワクチン的な話なのか?とドキッとするも、2018年に公開されているなら違いますね。胸がザワザワしたけど、騒めきを無駄撃ちしてしまった。すこし悔しい。
もういっそのこと「よくわからないけど、あいつらは蘇ってきた」ぐらいでいいのよ。最近こういう切り口のゾンビ映画、全然見かけないし。
ラストもお手本のようで、躊躇する女子をドアの外に押し出し、かっこよくドアを閉める…なんて場面を見せつけられて困ります。我々は100万回以上見てるよな、こういうシーン。出産と対比するように、男はゾンビの遺体の山のなかでボーッ… ゾンビ化しないまま終わりだったので驚きました。普通にぼんやりしているところで終わったのも新しい。謎。
出産シーンも謎だ。車中で産むより、とりあえず見晴らしのいいとこに停めてくれたほうがよさそうですが。揺れる車内でズボン脱いで下着とっていきんで産んだのか。難易度高すぎ。運転手はどういう心境なんだろ。運転するから頑張れ!ってスタンス。まさかの放置?
戦闘シーンもそれなりに緊迫感があるのですが(CGもそこまで悪くない)、とにかくずーっと産まれないので見ているこちらのお腹がキリキリしました。
余計なことばかり考えていたので、この映画のいいところが何も思い出せない。ゾンビ映画でもなければ恋愛映画でもなく、バディ映画でもなく。
そういえばメインキャストが全員白人(3人しかいないが)だったことを思い出しました。よく顔が映ってたゾンビもそうかも。なんでだ。別に有色人種を起用しなきゃいけないとは思わんが、昨今の映画では珍しいですね。