胃腸炎になりました。皆さんもお体、ご自愛ください。
今回の映画は『デッド・クリフ』。同じ邦題のホラー映画がありましたが、同じタイトルにするのはややこしいのでやめていただきたい。
新人レンジャーの女性が山で遭難してトラブルに連続で巻き込まれるというお話です。
しかし、トラブルが多すぎる。
- 遺体を発見する(他殺か事故か不明)
- 遺体を調べる怪しいおっさんと遭遇(殺人犯?)
- 人食い熊がいる
- 充分な装備がないけど遭難
- 携帯も無線もバッテリーが切れている、氷点下まで下がる気温
まあ、なんてったって一番怖いのは熊じゃないだろうか。人間の男性ならばなんとか出し抜けるかもしれないけど、一般女性で人食い熊と対決するとか無理ゲーじゃないですか?
しかも、この主人公の女性の無能さもすごい。こんなこと言ったらかわいそうではあるのですけど、すごく美人で、それだけに無力で頼りなく、そもそも山の恐ろしさをなめきっている女性として描かれています。
なんでこの女性が山に入るシフトになってしまったかというと、友達が好きな男の子と一緒に居られるようにシフトを交代したから。
ね?山を舐めてるでしょ?
主人公の友達もチャラチャラはしているのですが、山の中を巡って掲示物を貼るという仕事をまかされるくらいだから、ちゃんと仕事はできるのよね。それに引き換え、主人公ときたら速攻で地図なくしてるし。
発見した遺体のものらしきテントの中にも探検気分で入り、後から「殺人事件だとしたら、お前は証拠を台無しにしてるんだぞ!」と怒られたり。
しかし、遭難したうえに殺人事件に巻き込まれるというストーリー設定はなんだか引き込まれるものがある。いろいろと展開も盛り上がりそうだな。
と期待していたら、主人公が山でウトウトしたり、悪夢を見たり、飛び起きたり、火を起こして喜んだりするシーンが続き、私は何を見せられているのだろうか?とイライラしちゃうのよ。
結局何も起きずに朝になるも、崖から落ちそうになったのを助けてくれた殺人犯疑惑の男(彼は崖下に転落)に驚かされたり、唐突に現れた熊をスプレー&ライターで火攻めにしたり… と急展開。展開を詰め込むバランスがおかしいですね。
撃退した熊に足を引き裂かれる主人公。
しかしその直後にスタスタ歩いていてびっくりした。
人食い熊だろ!?やたらと小さい熊ではあったのですが、それでも熊なんだろう…???
そしてこの話の一番驚くべきポイント。
そう、遺棄されていた遺体の正体と事件性は…?
- 亡くなっていた人は、殺されていたわけではない。熊に襲われ、かつ滑落もしていたが事件性はない。
- この遺体をよく見たら、殺人犯疑惑の男であった(遺体は顔が血まみれで判別不能)。つまり彼は既に亡くなっていて、主人公を助けてくれたのだ。熊を撃退したライター(たまたま拾った)も彼の持ち物だった。
- そうだったの… ありがとう、私を守ってくれたんだね。仇はとったわ。だから今は、安らかに眠ってね。R.I.P.
という、ホラー映画にあるまじき、謎にほっこりあたたかい気持ちになって終わるこの映画。まさかのヒロインは謎のおっさんだったっていう。
いや、主人公が小学生ぐらいならこのくらい無知でも不自然な展開ではないのですが、成人している女性でしょ?仮にもレンジャーでしょ?(レインウェアすら持ち歩いてないんですけど…)
レンジャーってこんなユルユルじゃないと思うのですが、いいのかな?まあ、いいか。映画だし。