頭のおかしい訪問者に殺されるという展開は怖い。そりゃもう、怖い。
このすりこみは古谷実の『ヒメアノ~ル』を見たからかも。ホラー映画でもいろいろあるけれど、サイコパスの殺人鬼に適当に選ばれて殺される人たちの運命、みたいなものをかんがえるだけでゾワゾワする。
この映画もそんな感じではあるのですが…
『ストレンジャーズ 地獄からの訪問者』。2018年アメリカ映画。
2008年のリヴ・タイラーの映画『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』の続編(リブートとはまた違うような)ではあるんですけども、『パージ』人気を受けてのものなのか?
とにかく、前作とはまったく関係ない。
ただ、悲しいんだ。
グレた長女を寄宿舎学校に入れるため、4人最後の休暇を過ごすべく田舎にやってきた一家。しかし、そこにはすでに殺人鬼たちが待ち受けていて…
というよくある展開ではあるものの、「私はママみたいなつまらない人間にはなりたくない」とか若さにのぼせあがっている長女に最初はイライライライラ。でも目の前で自分をかばって死ぬ母を見て、初めて「私のせいでママが死んだ」と愛を思い出すシーン。かわいそうすぎる。
その長女を守る長男もよくいる野球少年っぽくて素直でかわいいのですが、彼を守るために父親も死んでしまうのです。
襲ってくるのは布袋をかぶったマン・イン・ザ・マスク、どっちがどっちだかよくわからなくなったドールフェイスとピンナップガール(両方女性)の3人。マスクマンがスーツなのがなんだかジワる。大仁田厚みたいなガタイの良さ(ああいうキン消しみたいな体形の人気プロレスラーって減りましたね。みんなスタイル良くない?)。
なんだかんだで兄妹は助け合ってサバイバルするのですが、まぁ一筋縄ではいきませんよね。
印象深いのがプールのシーン。ガンガンと流行曲が流れるなか、プールに落ちた長男をオノで襲うマスクマン。最終的にはプールにもつれこみ、刺されてしまう長男… プールから出てきたところを斧で叩かれるという、ムチャ怖いワニワニパニックです。
もうひとつ印象深いのが、車に放火して逃げる長女を追いかけてくる燃える車。燃えながら走ったらアブネーだろとは思いつつ、燃える車の暴力的な美しさと圧倒的なパワーが凄まじい。「もうムリゲー」感がものすごいの。この時の長女の演技も素晴らしい。
結局通りすがりの車(すごい偶然じゃないか?)に助けてもらい、兄に憧れてやりたかったけれど結局挑戦しなかった野球のバットを振りかざし(たまたま荷台に乗っていた)、殺人鬼をかっとばしてエンド。
しかし、生き残った兄の病室に誰かが訪ねてくる… という恐怖エンド。
ちょっと笑ってしまったのが、仮面がとれた殺人鬼のひとり(美人)が「なんでこんなことするのよぉ!」と子供に怒鳴られた時に「別に…なんとなく?」とニヤニヤするのが、なんじゃそら!という感じでした。
なんとなく暇つぶしで人を殺す奴なんているわけないだろ!いや、いるのかもしれない。でも、こんなガバガバな計画ではやらないと思うぞ。プロレスラーだってそうそうマスクとられないのにこんなに簡単にポロリするかね。養生しとけ!
そういえば、昔のアイドルの水泳大会では騎馬戦でポロリしていたと聞いたことがあるのですが、そんなことを思い出す映画なのであります。