勧善懲悪なので見やすい!運搬×終末世界ドラマ『配達人』の解説・感想(ネタバレあり)

ネットフリックス配信ドラマ『配達人』を見ました。2023年配信。

「運ぶ」×終末世界という設定、実はわりと多い。

同じくネットフリックス配信の『アーミー・オブ・ザ・デッド』や『新感染』続編のように、ゾンビがうようよいるエリアから金品などを強奪してくる作風が最近は多いですね。

終末世界で、とある本を運ぶ男の戦いを描いた『ザ・ウォーカー』なんかも懐かしい。あとは、終末世界で子供を運ぶ=送り届ける系のホラー映画も鉄板です。

目的があると脚本も転がりやすいから?

ただ、このドラマシリーズは目的があって何かを運ばなければならない、という内容ではありません。厳密にはそうなんですけども、終末世界でひっそり生きる人々に物資を届ける「配達人」そのものを描いているドラマなのです。

そして、終末世界にありがちな利権をむさぼるボンボンドラ息子と、反体制の配達人たちの戦いを描いているというアクション多め、わりとハードな作品です。

そういう意味では『マッドマックス』の世界観に近いかも。でも、あまり車(カーレース)には特化していないので、そういう意味で物足りなさを感じる人もいるかもしれませんね。

登場人物はわりとシンプル。

5-8:本名不明。肉体エリートの配達人のなかでも、トップクラスの実力を誇る。選民主義の企業・チョンミョンに反発し、仲間を集めて反撃を試みる。

サウォル:難民孤児の青年。一般人エリアで暮らすソラ・スラ姉妹の家で暮らしながら、難民エリアにも出入りしている。配達人に憧れを抱いている。性格は短絡的だが情に厚い。実は突然変異しており、傷の治りが早い・皮膚の下に鉄の膜がある(骨が鉄?)などの特徴を持つ。

ソラ:軍人。サウォルを家に匿うなど優しい面もあるが、仕事になるとキビキビと動く有能。チョンミョンの異常性にいちはやく気付く。

スラ:サウォルのおさななじみ。かわいい。

リュ・ソク:一流企業チョンミョンの御曹司。選民主義であり、難民を切り捨てようと目論んでテロ事件を多発させる。難病を患っており、治癒のために突然変異の若者を探している。

じいちゃん:サウォルたち孤児の面倒を見るおじいちゃん。難民エリアに住み、荒廃した土地で植物が根付くか研究を続けていた。有名な研究者だったが、セレブ層が住むコア地域には入居していない。

そして終末世界ですが、「基本的に空気が悪く酸素が欠乏している」「すべての物資が不足しており、その配達はすべて配達人が行う」「コア(セレブ)・一般人・難民エリアに分かれて人々は生活している」という設定があります。

コア→マスクなしでも生活できるエリア(地下)に住み、食事も豪華。

一般人→家の中ではマスクなしで生活できる。シェルターのような建物の中で暮らす。

難民→常にマスクをつけて生活している。衣食住に苦しみホームレスのようになるもの、犯罪に走るものも多い。

みたいな感じでしょうか。

 

1話

1話では、登場人物の紹介や設定の紹介が続きます。

5-8は憧れの存在として君臨しつつも難民支援もこっそり行っている。サウォルは5-8に配達人になる方法を尋ねるため襲撃するが、あっさりと返り討ちにあう。

サウォルはソラとスラの家に戻るが、スラと2人きりの時に謎の襲撃に遭い、撃たれてしまう。通りかかった5-8に助けられるが、スラは命を落としてしまう。

2話

サウォルは突然変異していたため、頭を撃たれても命が助かった(父親がある鉱山で働いていた時に生まれた子供=鉱山二世であることが影響しているらしい)(スラも鉱山二世だったが、突然変異ではない。ソラも同様)。サウォルはスラを守れなかったことで自分を責める。

子供を誘拐する手助けをしていたのは、配達人の5-7だった。彼は親が鉱山で働いていた突然変異種の若者を誘拐する手助けを行い、リュ・ソクは連れてこられた若者を人体実験して自分の治療に利用していたのだ。

5-8は誘拐犯を確保するも、男は自死してしまう。また、5-7を問い詰めると彼もまた死んでしまう。それはすべて、リュ・ソクの差し金だった。

5-8に助けられたサウォルは、改めて自分も配達人になることを目指すと明言する。

3話

空いた5-7の枠を決めるイベントが開催されることになる。サウォルも参加するが、その内容は「適正審査」「酸素のない部屋で最後の1人になるまで殴り合い」(数百人→8人)「犯罪者がおっかけてくるなかでカーレース」(8人→2人)という過激なものばかり。

サウォルは5-8やその仲間から特訓を受けるが、困っている人を助ける優しさを見せてしまい、ミッションを達成できずゴールできたのに脱落となる。

4話

決勝に進んだ参加者がケガで辞退したため、サウォルは決勝に進出。なんとか勝利するも、突然変異であることが生放送でバレてしまう。

一方、リュ・ソクは配達人決定のイベント決勝戦(ボクシング対決)を難民エリアに会場を作り生配信するが、そのすべてを爆破してテロ事件を起こす。

5話

サウォルは優勝して、配達人として働き始める。

5-8と仲間たちはテロ事件の黒幕を探し、リュ・ソクの側近のオ常務までたどり着く。チョンミョンは難民を切り捨てるために殺戮を繰り返すつもりだとわかり、怒りを燃やす配達人たち。

しかもチョンミョンこそ、終末世界を作り出していた張本人だった。彼らは空気を清浄する車を走らせていたのだが、その実態は毒ガスカーだった。

6話

配達人たちはオ常務から得た情報をもとに、リュ・ソクの暗殺を企む。しかし常務の裏切りにより、配達人たちは指名手配されてしまう。それぞれ潜伏する配達人たち。

(リュ・ソクの父親とサウォルのじいちゃんが知り合いであり、コアを設計したのもじいちゃんだという設定も明らかになる)

リュ・ソクは父親に責任追及されるも、クーデターを起こし、父を殺して自分がチョンミョンのトップに立つ(正確には、リュの父親を殺したのは部下ですが)。

リュ・ソクは難民たちを受け入れると見せかけ、彼らにワクチン接種を促していた。しかし、このワクチンを接種した人たちは次々と死んでしまう。サウォルの幼馴染の青年は、ワクチン接種を止めようとして射殺されてしまった。

サウォルは捕まり、リュ・ソクの研究施設に運ばれていく。

配達人たちはリュ・ソクを止めるためにコアに潜入することにする。ソラも彼らに協力する。

研究施設に突入し、5-8とリュ・ソクは対決。当たり前だが負けたリュ・ソクは自死しようとするが、5-8が彼を先に撃つ。そしてエアーコアが爆発してしまい、コア地域も住むことができない環境になってしまった。

リュ・ソクが死に、コア・一般人・難民という仕分けもなくなり、すべての人が平等に暮らすことになる。空気もキレイになった。配達人たちは仕事に戻る。

 

と、わりとさっぱりと話が終わりました。勧善懲悪だから見やすいですね。

とにかく、配達人たちがカッコイイ!ルックスじゃなくて、武闘派集団っぽいたたずまいがいいですね。紅一点の女性キャラも素敵です。

リュ・ソクも、なんだかオペラ歌手みたいなファッションの時もありますが、悪役としては存在感がありましたね。

難民の孤児仲間たちもグーニーズっぽくてかわいい。

一方で、配達人を決めるサバイバルレースはマッドマックスそのものだし、殴り合いを見ているとなぜかイカゲームを思い出す…なぜだ…?

あと、突然変異したとしても骨が鉄になるわけないだろ!(体重がめちゃくちゃ重くなりそうだけど、チタンとかの軽い鉄なのでしょうか?)そのうえで治癒力が高いってどういうこと?何がどう治るのよ??という気持ちにはなりました。なぜか「鉄骨飲料」を思い出した。これを知っている人は同世代!!

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