少年ジャンプで連載してほしい、エモすぎる設定『ホラーマニア VS 5人のシリアルキラー』

『キャビン』(邦題も英語だっけ?)というホラー映画っぽいキャラクター大大大集合!メタ演出もある意味てんこ盛り!!という映画がありまして、私はその映画が大好きなのですが。

それに通じるものがあります、この映画。

2020年のカナダ映画『ホラーマニア VS 5人のシリアルキラー』を見ました。

カナダ映画のスゲー面白いホラー映画はいくつかありますが、これもすごい。すき。もうすごいのよ。設定がスリリングでテンポもいい。

殺戮シーンが短い(わりとあっけなく倒される、ただグロイとこはしっかりグロイ)のも、笑いを増すために効果的な感じです。あっけね~(笑)という印象。

以下、いいとこ。

  • シリアルキラー大集合!キャラがとにかくいいのよ
  • 前半の舞台がチャイナレストラン(アジアンレストラン)で、セットにちょっとユニークな雰囲気があるのもいい。すごい作りこんでるのよ
  • 『ゾンビランド』を思い出させる恋愛ベタな主人公のダメ男ぶり、『ガンズ・アキンボ』を想起させるオラオラ凄腕殺人マシーン美女とのナイスコンビぶりも最高

ナンパなシリアルキラーを演じるアリ・ミレンがとにかく面白い。『iゾンビ』のブレインを思い出すなぁ。濡れるような美しさのある冷酷な殺人鬼って感じ。

あらすじも面白い。

ホラーマニアというよりもホラー映画の編集者?ライター?として働く主人公・ジョエルは、ルームメイトの女の子に片思い中。

その彼女のデート相手の正体を知りたくて尾行したら、なぜか殺人鬼の自助グループにまぎれこんでしまった!殺人の手口を語り合う殺人鬼たちに震え上がるジョエル。

しかも彼女のデート相手もそこにやってきて殺人鬼の1人と判明!正体もバレてピンチに陥るも、なぜか美女に助けられ…!?

という感じ。後半は警察署と病院に舞台を移してガンガン喧嘩しまくります。

殺人鬼のメンツが

  • とにかく冷酷。デートした女性を殺しまくる詐欺師殺人鬼(イメージは『アメリカンサイコ』?)
  • キャンプ場で学生を殺しまくる大男。ターゲットは女子大生(イメージはジェイソン?)
  • 普段は会計士、効率を追求し殺人沼にハマるピエロ殺人鬼じいさん(イメージはジェフリーダーマー?まぁアメリカってピエロの扮装の殺人鬼多いですよね)
  • 日本からもやってきた!ひとのおにくもぐもぐおいしいおじさん!!日本ってこういうイメージなんか? 昼はお客さんのために料理、夜はお客さんを料理しちゃう般若マスクマン邦人殺人鬼(この人だけモデルわからん。ただ、顔半分に般若のマスクを模した仮面をつけているのは抜群にかっこいい)
  • あと、暗殺に準ずる殺人鬼おじさんもいたよ。この人がコメディ映画に多数出演しているベテラン俳優のデヴィッド・ケックナー。最近だと『ゾンビーワールドにようこそ』の隊長役してたよ

そしてこの仲間かと思いきや、殺人鬼たちを倒す別組織の人間として登場したのが美女・キャリー。このヒト、殺人鬼のいろんな自助グループを壊滅させている張本人らしい。

ジョエルは終始グズグズモタモタ悩んでおり、キャリーに引きずられるように巻き込まれるのですが、「この人を助けなきゃダメだ!しんじゃうもん!」とスイッチが入るタイミングが非常に人間臭くていいんですよね。ものすごいドSお姉さまのキャリーとのコンビネーションもたまりません。コンビを組んだ後もず~っとペコペコしてなんでもいうこと聞いてるのもいいぞ。

前半のレストランで日本人の殺人鬼がすぐに退場(暗殺者おじさんは内輪もめですぐに消えた)、警察署でピエロと大男が退場、病院でナンパ男が退場…とそれぞれ見せ場があるのですが。

この戦闘シーンよりも、ジョエルがキャリーについていくことを決め、日常と好きだった女の子を捨てて行ってしまうシーンが何よりエモい。

このルームメイトの女の子もただのホラー映画にありがちなアホモブ女かと思いきや、心配してジョエルを警察署まで迎えにきてくれたり、病院までついてきてくれたり、最後はちょっと成長して立ち去るジョエルを見てフフッと笑ったり… この女優さんのさりげない「フフッ」がいいんですよ!あと、服がさりげなくめちゃダサイのもいいぞ。

ラストは別殺人鬼にお仕置きをして爆破エンド。

この脚本家はすごい。ジョエルが悪酔いしながら電話して、電話にゲロかけて、そのせいで電話が不通になるというテンデモナイ展開、私なら書けないもん。