竹中直人成分が過多なのでホラーギャグ映画だと思います!『ホーンテッドテンプル~顔のない男の記録~』

ホーンテッドテンプル

SIRENみがある。それだけで尊い。

2016年のアメリカ映画『ホーンテッドテンプル~顔のない男の記録~』を見ました。

2022年の11月に公開する予定が、下書き状態で忘れていた。この面白さを伝えたいのに!

おそらくほぼ日本で撮影した作品で、日本のある廃寺を訪れたことで恐ろしい災厄に襲われてしまう外国人大学生グループを描いたというタイプのホラー。だ、大学生に見えない…

日本人俳優も多数出演しており、事件の真相に迫る教授?役に竹中直人、通訳に内田朝陽。バーテンダーにマキタスポーツ、意味ありげな謎のサラリーマンに古館寛治。黒川芽以… はどこに出てたんだ?(違うと思うけど、もしかして古書店の店長?それともクラブにいた女?)

まず、人間関係のドロドロに注目したい。主人公のクリス、その幼馴染のケイト、そしてその婚約者のジェイムズ。

おそらくクリスはケイトに恋愛感情を抱いているものの、ぶつけたことはない。ケイトはそれを察しつつ、彼に友達としての役割を求めている。ジェイムズはその両方に気付いていて、クリスの存在を面白く思っていない。なお、ジェイムズはクソ。

前半はトウキョウスゴイデスネー的な観光シーンが続きます。ロボットレストランがなくてよかったけど、わりとベタな観光(新宿、渋谷あたり)をして、ケイトのお目当てのお寺を探すべく栃木へ行くことに。後半からごりごりの閉鎖的な村に一撃突破を試み、廃寺にむりやり押しかけて酷い目に遭う… って感じ。

ちょっと面白かったところをピックアップしよう。

  • ファミリーマートで充実野菜を選ぶケイト。シュール
  • 夜の東京を彷徨うクリス。背景に味源が映りこむ。深夜のラーメンテロ
  • 話を聞いている時の竹中直人の顔がすごい。「な、なんてことだ…」みたいな顔してるけど、まだ東京観光の話しかしてないと思うんだけど
  • 栃木に移動し、男だけで夜遊びへ。それはいいんだけど、栃木のそこそこ田舎のクラブでアニメソングを回せる外国人VJっておるのか?ここでジェイムズくん、日本人女性とチュッチュする
  • クリスは一度購入を断られた古書をなんとか手に入れ、バーで読む(古語を読み解くことができるハイスペックイケメン・クリス)。横にいたサラリーマンに「その寺は君をおかしくするよ…」と囁かれる。
  • 自動販売機の前の荷物から突然、落ちた小銭目当てのホームレスのばあちゃんが飛び出してきてむしゃぶりつく(※金に)。栃木ってすごいとこなんだなあ。
  • 寺のある田舎の村に到着すると、遠巻きで見られる3人。突然じじいに呼び止められ「ちょっとこい!」と怒鳴られる。部活? で、このじいさんからヒトシという男性が何かを見たという情報を得るクリス。松本?
  • 民宿に到着。民宿のじじいが飯を食っているところをクリスが覗いて睨まれるという、そりゃ当たり前だろなシーンに笑う
  • 女将に誘われて2人で地酒を飲むという謎シチュ。女将、途中からタメ語になってるし
  • 深夜。友達が横に寝ているのにおっぱじめるジェイムズとケイトだが、それを暗視モードでねっとり見ているクリスくんにも変態の素養があると思った
  • 次の日、山奥へ。石切り場に到着するのですが、さんざん邦画と特撮で見た石切り場(「リアル鬼ごっこ」で見たとこだと思うんだけど)。
  • 廃寺でクリスがケガをして「今夜は寺に泊まろう!」というジェイムズの謎提案。そもそも山登りの装備じゃないんだから、さっさとひとり下山して助けを呼んだほうがよいのでは…?? あと、廃寺の真横でたき火をするのは危なくないっすか…??
  • ジェイムズ、へそを曲げてひとりで下山。石像に襲われて絶叫。追いかけたケイトはトンネルの中に迷い込み、出てこられない。寺に残されたクリスは寺で失踪して呪われた子供たちの霊に襲われ、ひとりだけ発見される。この襲われるシーンが「神の左手 悪魔の右手」の紅白歌合戦のシーンを思い出したぞ。
  • そののち、顔を失って発見されたクリスだが、実際にジェイムズを殺したのはクリスだったことが明かされ、大暴れして逃走。通訳が刺されてしまう。ケイトはいまだ失踪している。

全体的に「なんでそうなる?」と言いたくなるくらい、逆張りが多いのでまぁイライラします。ケイトの「お寺の研究をしている」的な主張もペラペラだし(浅草なんてロケ地としてはよさそうだけど、許可おりなかったんだろうな)。

ちなみに、廃寺にあった仏像も顔をえぐられていたから、顔がなくなるのはデフォルトなんですかね。

個人的には通訳の内田朝陽が刺された時、ずっと「な、なんてことだ…」みたいな顔してつったってる竹中直人さんが面白かったですね。そっとドアの横に立っていた。何もできずに。

ああいう時って、呆然とするしかないだろう。私もそうなる自信がある。でもなぜだろう、映画だと「動けよ!」という怒声も飛ぶかもしれないし、そのポカンとした様子に「そこはかとなくマヌケ」を感じてしまうかもしれない。

キャスト・スタッフ一同で東京観光を満喫されていたのが伝わるのはほっこりポイントでした。