もしも「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」に全裸のババアが出てきたら…『ウィドウ 怪物の森』

ウィドウ

ロシア映画。2020年の『ウィドウ 怪物の森』を見ました。

実在の失踪事件を基にした… とキャッチコピーにありましたが、そんなわけがない。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』と『REC』の影響を濃く感じたような…

『ブレア…』と似ている要素に関しては、「POVの要素を入れている」「呪いの儀式?が森の中で見られる」「森の中で迷ってボロボロになる」要素があります。また、『REC』に関しては「すげぇババア(いや、女優さんはすごく頑張っているけど、あえてこう書きます)がむちゃくちゃやる」「レポーターが救助隊に密着する」要素があります。

多くの失踪者を出し、近隣の者はできるだけ近寄らないようにしている、ある森。

新人の救助訓練をしていた救助隊withテレビリポーターは、要請を受けてこの森に失踪した中学生を探しに行くことに。

しかし、見つかったのは謎のおばあさん・ゾーヤ。彼女は警告を繰り返しますが、彼らは既に森に踏み込んだ後。車のタイヤがハマったり、迷ったりして出られないまま、ひとりずつ命を奪われていきます。

リーダーのアンドレイは魅入られて沼に車ごと突っ込み、イリヤは何かにつかみあげられて?飛んでいき、アレクセイもおかしくなって死亡。ちょくちょく展開が大雑把なのが心をつかみます(イリヤがどう死んだのか、うちのテレビでは全然解析できませんでした。すごく遠くででっかい蟻に持ち上げられたようにしか見えなくて困惑。でも多分違う。巨大テレビをお持ちの方、ぜひ確認してみてね!)。

残ったのは新人のビクトリアとリポーターのクリスティーナ。ビクトリアはゾーヤが森を統べる魔女“未亡人”だと確信するのですが、実は彼女はみんなを守ろうとしていた善意の人。

(失踪した中学生はゾーヤの儀式を目撃して巻き込まれた。なお、雪の日に全裸で祈りまくるゾーヤを目撃した模様)

クリスティーナとビクトリアはダブル引きずられを経て、クリスティーナのみ帰還。ビクトリアはゾーヤの後釜として、全裸で藁の山の中祈りまくる存在へと変化…

と、「ダブル引きずられ」って何?とお思いでしょうが。

『REC』でもあった、有名なシーン。足を引きずられてカメラの視界からズルズルっと消えてしまうという、ホラー映画ではもうお決まりの展開。これを2人でやっています。しかも向かい合った状態でロープを引っ張られているので、片方は後ろ向きに、片方は進行方向に引きずられているものの、お互いの顔しか見えないままスゴイ勢いで引っ張られるという、ありそうでなさそうだったシーンが見られました。ちょっと楽しそうに聞こえますけど。

なお、全体的に画面が暗いので、昼間に見るのが大変でした。

が、フラフラ歩いていく仲間を追いかけるビクトリア→壁を向いている彼を呼ぶ→そーっと振り向く…というこれまた定番のシーンはドキドキしました。いや、その直後にビクトリアが腰を抜かして気絶したので、別に何もなかったんですけど…

そしてホラー映画には珍しく、救助犬のわんこも犠牲になっています(姿を消しただけだが)。動物だけは危険を察知してさっさと逃亡するか、最後まで生き残るか、主人の犠牲になるか、ラストシーンにしれっと出てくるか…ぐらいの選択肢でしたが、ビクトリアを惑わせるシーンにしっかり絡んできたので意外でした。

また、救助者に知らせるためのサイレンを鳴らすシーン(すぐ壊れる)も『SIREN』を思い出して怖かったわ。ちょこちょこ怖いシーンがあるんですよね。ゾーヤが突然指をかみちぎろうとして来たり(理由は不明)、いなくなった中学生が首まで土に埋められているのに全員気付かずに通り過ぎたり。あと、エンディングが歌なしの低音ズンズンリズムだったのも何気に怖かったです。