残酷な人間狩りに隠れていた黒幕の思惑とは?衝撃作すぎてもう一度見たい『ザ・ハント』

2020年の映画『ザ・ハント』を見ました。アメリカ映画。アマゾンプライムでずーっと「あなたにぴったり」とおすすめされ続けていたのでしぶしぶ見たら…面白かった!

タイトルの通り、人間狩りのお話なのですが、

  • そのターゲットに選ばれた法則に驚きがある(アメリカだなぁという感じ)
  • 中盤まで主人公がだれかわからない目まぐるしさ
  • 誰が味方か敵かもわからない!!
  • 中盤で判明した主人公がすごすぎる。ひたすら強く、カッコイイ!
  • ホラー映画に似つかわしくないレベルの高いアクション

などなど、魅力に溢れた作品です。脱落形式でぼろぼろ人が死んで主要人物だけ生き残って終わり、じゃないところが魅力。

未見の方はぜひ先に映画をご覧になることをおすすめします!!

登場人物たちは12人の男女。森の中で目覚めるのですが、そもそも冒頭で飛行機にて搬送されているシーンが挿入されています。そこで1人の男が目覚めてしまって殺されたり、運営側の人間たちの顔見せがあったり(嫌な感じなのがまた期待を高める!)、とにかくアクの強い黒幕女が出てきたりと、人間狩り映画には珍しいオープニング。

で、男女が目を覚ました先には武器の入った木箱と1匹の豚(おそらく死んだ男の数合わせ)。そしてすぐに銃で襲われる人たち。

主人公っぽい金髪美女(よく見たらエマ・ロバーツじゃないか!!)はここですぐ脱落。そして次に主人公っぽかったイケメンも地雷を踏んで脱落… と、主要キャラっぽくカメラに映っていた人たちから死んでしまうのが怖すぎる。ここで銃乱射しまくって暴れていた男も、罠に落ちて腹を貫かれていたうえに地雷に巻き込まれた女子、合計4人が脱落。そして矢で射抜かれたおじさんも脱落します。

雑貨店に逃げ込んだのは、またまた主人公っぽい映り方のヒゲ男。首にタトゥーを入れた若い男と、髪型が昔のロック歌手みたいなおばちゃま3人で雑貨店に逃げ込んだものの、彼らは店の中にガスをまかれて殺されます。なんと、雑貨店の店主夫婦もグル…?? と、見ている側もビビる。こういう時、普通なら夫婦も巻き添えになりそうなものですが、この映画は違う。誰が味方なのか、敵なのかわからないのです。

そこに新しくやってきた若い女性・クリスタル。彼女もまた参加者ですが、ここでビックリ。戦闘経験があるのかとにかく強い。店主夫婦をあっという間に退治し、店に現れた新しい仲間・ゲリーとともに列車に乗って脱出。

ですが列車の中にはなぜか移民がおり、軍に列車を止められ、連行される羽目になってしまいます。しかしそこにいた謎の男、移民ではないようでゲリーに話しかけてきて… 起こったゲリーはその男を殺して逃走。クリスタルは移民のキャンプに連れていかれて取り調べを受けることに。そこに森で一緒に逃げたおじいさんのドンと合流します。

車でどこかに連れていかれることになったクリスタルとドンですが、なんと車の運転をしていた男を殺して車から出てトランクを開けてみると… ゲリーの遺体が入っていました!

12人のうち、残っているのはクリスタルとドンと豚のみ。ここでクリスタルの逆襲が始まる!敵陣に潜入し、なんと全員皆殺し。敵のスパイと疑われたドンも殺して(たぶん冤罪。かわいそうだけど言い訳ヘタすぎる)、ラスボスのもとへひた走るクリスタルであります。

そもそも、なぜ彼女たち12人は集められたのか??

実は冒頭には飛行機のシーンだけでなく、SMSのメッセージ画面も映し出されていたのですが、セレブが貧民をバカにしている内容だったのです。しかもそのメッセージの内容から、そのセレブのアシーナ(よく見たらヒラリー・スワンクじゃないか!顔も雰囲気もマジで怖い)が領地で人間狩りをしているんじゃないかと思わせるジョークが入っていました。これが流出したせいでアシーナは一定の層からめちゃくちゃ叩かれ、メッセージグループにいた他の人たちも巻き添えをくらって解雇されたり炎上したりとダメージをくらってしまったのです。

怒れるアシーナは自分を炎上させた、彼女いわく“貧乏白人”を本当に人間狩りのターゲットにすることを計画。雑貨店の店主夫婦や移民の列車にいた男は、アシーナの友達や同僚だったというわけ。

アシーナの別荘に現れたクリスタルですが、真相を知って皮肉な笑み。どうやら彼女、同姓同名の人違いでここに連れてこられてしまったよう(たしかに実戦経験がある人をハントするのはダメージがデカそうだ)。しかし訓練を積んだアシーナと実戦経験バリバリのクリスタルは戦い、クリスタルが勝利。彼女はチャーターしたセスナが迎えにきたので正装して悠々と乗り込み、シャンパンをラッパ飲みしながら帰宅するのであります。ただ、彼女が本当に人違いで連れてこられたのかは、本当にわからない(二度ほど「人違い」と明言していますが)。まぁ嘘つく理由もないのですが。

この戦闘シーンはひたすら「痛い」感じの展開です。チョッパーの刃を武器に戦うのは本当に痛そうでヒヤヒヤ。銃身で腕の肉ちぎりとったりとか、火の上に投げたりとかアクションのレベルがとにかくムチャクチャすぎる。

たしかにこの映画のハントされる側の人たち、白人しかいないんですよね(黒人もアジア人もなし)。男性は特徴的な感じ(ファッションとか髪型とか。なぜかキャップをかぶっている人多かったな)。その点も後で合点がいきました。

見れば見るほど謎がほどけていく様子が気持ちいい、面白い映画でした。