「CUB/カブ 戦慄のサマーキャンプ」。2014年ベルギー映画。
ボーイスカウトでサバイバル、人間狩り、狼少年という三要素がメイン。フランス映画かと思いきや、ベルギー映画でした。私は好きですねー。この雰囲気。
主人公サムはのろまで無口な少年。実は被虐待児の過去をもっています。ボーイスカウト仲間で親切なのはドリスだけで、リーダーのダヴィットやその手下はサムをいじめ続けます。監督役のクリスはまともなのですが、もうひとりの大人・ピーターがクソ野郎で、愛犬にサムを追いかけさせたりしています。料理係のヤスミンはピーターと付き合っていますが、実はクリスは彼女がずっと好きで…と、大人もやや面倒なメンツ。
冒頭は追われている女性が狩られるシーン。ところかわってキャンプ初日、ボーイスカウトたちはこれから行く森に狼少年カイというモンスター?がいて、人間を襲うという話を聞かされます。
やっと到着したキャンプ地にはフランスのヤンキーたちがおり、ボーイスカウトたちに別の場所に行けとすごみます。そのせいで、彼らは森の中に足を踏み入れて行くことに…
実はその森は、フランスヤンキーくんの父をはじめとする失業者たちが大勢自殺したいわくつきの場所。サムはその森でおかしな木の仮面をつけた少年を見かけます。逆にその少年は、サムのいじめられる瞬間を目撃しており…?少年(カイ)は、サムの前にたびたび姿を現わすようになります。
カイの家(籐籠のように木の枝を組み合わせたもの)を見つけたサム。一方、ボーイスカウトに警告に来た巡査やフランスヤンキーは謎の男に拉致されてしまいます。
サムはピーターとヤスミンのラブシーンをたまたま目撃し、ますますピーターから嫌われます。しかし、それを見ていたカイはサムを襲ったピーターの愛犬・ゾルタンを誘拐して殴り、いたぶります。サムはそれを知り止めようとするも、いつしか自分も犬を殴り殺してしまいました。
愛犬を殺されたピーターはサム=カイだと信じ込み、サムを激しく折檻します。実はカイはクリスやピーターの作り話で、存在するわけないのです。逃げたサムを追うクリスとヤスミン。クリスはカイの家にたどり着きサムの話を信じることになり、ヤスミンは謎の男のトラップにかかり、サムは謎の男の家へ迷い込みます。放置された大量の死体に驚くサム。
サムを助けたクリスは殺され、さらにキャンプに残っていた子供たちもドリスとダヴィット以外は死亡(車がテントに突っ込んで轢かれた)。ドリスを助けるため、男の気をひくサム。なんと車を爆破までしちゃいます。
逃げたピーターもトラップにかかり、それを見たサムは彼を助けようとするも失敗。ピーターは圧死します。その後捕まっていたヤスミンは救出、カイを倒すも爆破にまきこまれたはずの男は生きていました。サムとヤスミンのうち、生き残れるのはひとり。ヤスミンはカイが落ちた下水にサムを蹴り落とします。
サムとまだ生きていたカイは死闘を繰り広げ、カイが勝利。ヤスミンは逃亡するも(ここでオープニングとつながる)木の杭に刺されて宙ぶらりんに。彼女に追いついたカイが仮面をとると、それはサム。彼はヤスミンを殺し、カイとして男のもとで生きていくことを決めたのであった…という話でした。
サム役の少年の闇を帯びた演技、大人のクソぶりがいいスパイスになっているものの、謎のおっさんのシーンはやや少なめでキャラクターもカイより印象に残らない感じ。
でも、フランスの森はいい森だ。ホラーには大事ですよ。