「ザ・モンスター」

ザモンスター

2016年のアメリカ映画「ザ・モンスター」を見ました。
主演はゾーイ・カザン。「ルビー・スパークス」の主演はもちろん、脚本や製作まで手掛けたことで有名ですね。こちらは 森の中で交通事故を起こした母娘。だが、その事故の原因となったのはモンスターで…というお話。

ネタバレ

「モンスターはこっそり君を見ている
目の前にひょっこり現れるよ」

ダメな母親とその娘・リジー。2人はとにかく仲が悪い。
・リジーの発表会の日、「見に来てほしくない」「私に興味がないくせに」とゴネるリジーにキレてしまい、母は車で立ち去ってしまう
・寝ている母親に刃物をつきつけ、「ママを殺したい」と呟くリジー
・母親の彼氏(離婚後にできた彼氏?)の鍵を隠し、怒られたリジー。さらに母親は彼氏の期限を損ねた娘にビンタをする
など、諍いのシーンがたびたび挿入されます。

その一方で、
・母が寝ている間にかいがいしく家事をする
・孤独のあまり、アルコールに溺れる母
・アルコールのせいで嘔吐して、トイレで倒れる母の後ろに寄り添い、一緒に眠るリジー
・リジーの寝ているところを、いとおしそうに見ている母
という場面も挿入され、二人は本当はお互いを愛したいと思っているのだということがわかる。

森の中を、元夫の家までリジーを送り届けるために車を走らせる母。
だが、何かと車が激突してしまう。通報する娘。どうやら狼を轢いたようだ。

だが、オオカミの死体は突然移動する。なぜ、森の中に死体が移動したのか?森の中に、何かいるのだろうか。

レッカー車の担当者・ジェシーが現場にやってくるが、突然彼も姿を消してしまう。
すると、母娘の車のボンネットの上に、ジェシーの腕らしきものがぼとりと落っこちてくる。
車に閉じこもる母娘。ジェシーは森の中から這い出して来るが、何かに襲われ、その場で食べられて死んでしまう。

そして母も車から引きずり出され、モンスターに襲われる。
運よくパトカーと救急車が到着するが、男の警官は殺され、死体を救急車に叩きつけられる。さらに、運転席にいた女の警官は外に引きずり出されてしまう。
母は救急車を運転させてそのまま逃げようとするが、車は横転する。

母は火を使って、モンスターを逃がそうとする。
だが、その結果、母はモンスターに襲われ、切り刻まれてしまう。リジーは自分を守ってくれた母にすがりつくが、彼女の魂はもうそこにはない。
リジーは頭を使い、モンスターを車の中におびき寄せて、スプレー缶とライターを使ってそれを燃やしてしまう。モンスターは苦しみながら暴れまわる。

リジーはひとりで、森の外に出ていく。

感想

森のシーンと母娘のシーンが交互に挿入されるのですが、その影響か、怖さにズブズブにひたりきることはできなかったかも。森のシーンはなかなか素晴らしい。ダークな感じがよく出ているし、娘役の子の演技も好きです。その一方で、モンスターが宇宙人っぽいというか、体格や色はゴリラ、固そうなところは甲虫っぽくて、歯の感じやシルエットはゴジラっぽくも見えたりして、なんでコイツ森にいるんだという根本的な謎は解けず。しかも、群れじゃなくて単体だし。
食うために襲っていたのか、テリトリーに入ってきたから襲ってきたのか(といっても、その道を通る人間が殺されたといった事件は登場しないし、扱われない)という理由も謎ですが、本当に何も描かれないので、ある意味潔い気もする。