「バイバイマン」

バイバイマン

2017年の映画「バイバイマン」。想像していたより怖くなかったですが、時々グッとくるような場面もあったりしたので、拾い物といえばそうなのかも。

「ストレンジャーズ/戦慄の訪問者」「オキュラス/怨霊鏡」のスタッフが製作したそうです。「オキュラス」では映像美が見事だったイメージがありますが、構図の巧みさや演出面もさほど……ただ、邪悪な存在に取りつかれた人たちが包丁を持ってウロウロするのは怖かった。でも、現実で同じことが起きてもやっぱり怖いはずなので、映画として怖かったのかはよくわからない。

登場人物

エリオット:主人公。サシャの恋人。無意識にジョンとサシャの関係性を疑う。
サシャ:エリオットの恋人。
ジョン:エリオットの親友。ユーモアにあふれるタイプ。
キム:サシャの友人で霊感がある。ジョンと関係を持つ。家に引っ張られるように、おかしくなっていき……。

ネタバレ

バイバイマン4

ウィスコンシン州マディソン。友達をバンバン殺すメガネのおじさんが登場する。(後で出てきますが、このこの人は新聞記者のラリー。キーパーソンです)

それから時が経ち、古い屋敷でシェアハウスを始めた大学生たち。エリオット、サシャ、ジョンは仲がいい友達だ。
引っ越したサシャはエリオットからカードをプレゼントされ、感激する(ちなみにこのカードが、犯行声明のような文字のコラージュでぶっちゃけ怖い)。しかし、ポルターガイストのような現象に遭遇して驚く。

引っ越し祝いのパーティで、エリオットの大事な兄家族もやってくる。かわいい姪っ子を、エリオットは誰より愛している。
しかしその姪っ子が、屋敷であるコインを見つけてしまう。また、エリオット本人も謎のテーブルを発見する。もともと屋敷にあったそのテーブルの裏には、「考えるな、言うな、考えるな、言うな」と延々と書かれており、小さく『バイバイマン』と書かれていた。

バイバイマン1

霊感があるというサシャの友人、キムを巻き込み、降霊術を試みる大学生たち。
ここでキムが「言うな、考えるな」とひたすら唱え続ける。「何?」「バイバイマンだ」エリオットが口走った瞬間、キムは倒れる。

その夜、エリオットはサシャが「愛してるわジョン」と口走ったのを聞いたような気がしている。
家じゅうで、変な音がし続けている。

翌朝、泊まったキムを送っていったジョン。ジョンは昨晩、どうしても機能せず、キムと関係が持てなかった。
ジョンはキムの髪の毛にウジがついているような幻覚を見る。
また、エリオットは家に奇妙な傷がたくさんあるのを目撃する。

ジョン自身も具合の悪いサシャに「君は清らかで美しい」と言い、キムに暴言を吐く。
サシャはジョンの裸の幻覚を見て驚くが、体調不良に苦しめられる。
エリオットはジョンとサシャが浮気していると疑い出してしまう。そして、裸で線路の上に立っている3人(おそらくエリオット、ジョン、サシャ)が電車に轢かれる幻覚を見て驚愕する。

サシャは屋敷の大家に話を聞きに行き、エリオットはバイバイマンについて調べることにする。
ジョンは大学に行くが、スマートフォンの中の写真が動き出し、驚かされる。
エリオットはバイバイマンについて記事を書いているラリー・エドモンという人の存在を知る。ラリーは10代の少年が家族を惨殺した事件を調べていた記者だったが、のちに彼自身も似たような事件を起こしていた。エリオットは司書の女性にバイバイマンについて喋ってしまう。
だが、気が付いたら、記事の中のバイバイマンという文字を塗りつぶしていて怒られ、図書館を追い出される。

外に出た彼はサシャとジョンの浮気現場を目撃するが、それが真実かはわからない。
キムを頼るエリオットだが、彼女を家に連れていく途中、キムは列車事故で困っている人たちの幻覚を見て、そのまま車の外に飛び出してしまう。彼女のカバンには血まみれの包丁が突っ込まれていて、キムがすでにルームメイトを殺した後だということもわかる。
キムはそのまま、電車にはねられて死んでしまう。

警察が到着して、エリオットたちを取り調べる。しかしエリオットとジョンはケンカになり、エリオットにはキムとそのルームメイトを殺した疑惑がかけられてしまう。具合の悪いサシャは、女刑事の目と口から血がしたたる幻覚を見る。
エリオットは警察に拘留されるが、キムの犯行がわかり釈放される。彼女は、エリオットとサシャ、ジョンをも殺すつもりだったようだ。

帰宅したエリオットは浮気現場を目撃してしまい、ジョンを殴る。しかしそれはやはり幻覚だった。
彼は偶然見つけたラリーの元妻の住所を訪れることにする。そして女性司書に念のために電話をするが、彼女は既にバイバイマンに汚染され、家族を皆殺しにしていた。

ラリーの元妻を訪ねるエリオットだが、ラリーが家族を殺した少年の事件を調べているうち、取り込まれてしまったことがわかる。
昔の話。妻が家に帰ると、ラリーは「考えるな、言うな」と家中にメモしていた。そして彼女を殺そうとしたが、ラリーは耐え、妻だけが生き残った。

バイバイマン3

(まんま「シャイニング」に見える…)

だが、妻はなぜ生きているのだろうか?それは、彼女がバイバイマンという名前を知らないからだ。
それから逃れるには、名前を知っている者を全員殺して、自殺するしかない。
エリオットの前で元妻の体が炎上するが、エリオットはようやく、それがバイバイマンの見せている幻覚だと気づく。

大急ぎで家に帰ろうとするエリオット。女性司書のワトキンソンさん(既に包丁を持ってウロウロ、頭がおかしくなっている)を轢き殺してしまうが、そのまま家に帰る。
しかしながらサシャはエリオットとジョンを間違えるし、ジョンはサシャが血まみれのキムに見える。
気が付けばジョンは、ハサミでサシャのことを刺している。エリオットはジョンを撃ち、2人は死んだように見える。

バイバイマン2

エリオットの前にバイバイマンが出てきて、彼は驚く。タイミングの悪いことに、彼を心配した兄と姪っ子が家を訪れ、エリオットは「バイバイマン」と言いたい衝動にかられてしまう。
バイバイマンの猟犬が、サシャを食べ始めている。
彼は家族を守るために、自殺してしまう。

そのまま家は炎上して、火事になってしまう。
しかし、アリスは家の裏でコインを拾っていた。バイバイマンと書かれているコイン。
彼女は自分の父親からそのコインについて聞かれるが、「何か書いてあったけど、暗くて読めなかった」と明るく答える(かわいい)。親子はそのまま車で帰宅する(通報は…??)。

警察は、家の焼け跡からひとりだけ生存者を見つける。おそらくそれはジョンで、彼は女刑事の耳元で「バイバイマン」と囁いてしまう。

感想

バイバイマンの造形が、肌は白くてカサカサ、猟犬を連れてフードをかぶった男性という感じなのですが、なぜか怖い!恐ろしい!と思えない。
「バイバイマン」を知ると、そういいたくてたまらなくなる。それが感染すると、幻覚や幻聴に悩まされるようになり、体調を崩してしまう(ジョンが男性として機能しなくなったのはこのせい)。
ただ、このオカルト描写が全部浮気関連なので、怖いというよりこいつそんなに彼女のこと信用してねぇのかという気持ちにしかならない。

姪っ子のアリスちゃんがかわいいのでラストはハラハラしましたし、ワトキンソンさんが包丁を持ったまま真っ暗な田舎道をひたすら歩いているのも執念を感じて怖かった。それくらい。