「ヴァイラル」

ヴァイラル

2016年のアメリカ映画「ヴァイラル」を見ました。既視感のある女優さんだったのですが、あまり知らない人たちだった。ゾンビものかと思いきや、寄生虫による感染モノであります。雰囲気は非常にいいのですが、ラストが賛否両論かもしれません。あと、パッケージ(せっかく美人姉妹なのに、それをプッシュしてない&寄生虫モノのほうがインパクトあると思う。せめて感染者を出して!)と邦題(「ヴァイラル」というタイトルを聞いて借りたくなるだろうか?)も良くないと思う。

登場人物

エマ:主人公。非常にマジメ。エヴァンに恋している転校生。
ステイシー:エマの姉。やや不良だが、そうなったのには理由がある……?
エヴァン:エマの正面の家に住んでいるクラスメート。母は昔死んでおり、複雑な家庭で育つ。
CJ:ステイシーの彼氏。全身タトゥーを入れている。なぜか、物語の前半は足を骨折している。
グレイシー:エマの友達。エマが接した初めての感染者。
エマの両親:ある理由で不仲になっているが、その理由はエマだけが知らない。

ネタバレ

「虫インフルエンザ」が流行している世界。

エマは転校生だが、仲のいいグレイシーという友達ができている。だが、姉のステイシーはやや不良っぽい。エヴァンのことを気にしている妹に気付いたステイシーは、父の車に同乗して帰ろうと誘う。

なぜか、姉と父は不仲である。そして、エマの母は引っ越し先になかなかやってこない。
グレイシーはネット通話で、エマに「自分の母が謎の中国人に血を吐きかけられた」と明かし、撮影した動画を見せる。だが、不意に部屋に紙飛行機が舞い込んできた。エヴァンだ。2人はこっそり家の前でおしゃべりする。だが、エヴァンの父(養父らしい)が出てきて、からかう。キスをしておやすみの挨拶をする2人。

エマの父は生物の学者であり、大学をやめて高校教師に転じた。母とは不和らしい。

その父の授業世、寄生虫について学ぶエマたち。寄生虫のなかには、宿主を操るものもいるという話をしているうちに、グレイシーが履いてしまう。教室を飛び出した彼女を追いかけるエマだが、グレイシーは倒れている。エマが助けを呼んでいるうちに、グレイシーはもう1人いた親切な男子生徒の顔に血を吐く。

母を迎えに、空港に行くという父。
エヴァンとはいい感じのエマ。一方、ステイシーはCJを家に引っ張り込む。

CDCセンターが、マスクや食料を盛ってくる。母はまだ空港で、父とは合流できていない。
グレイシーや彼女に血を吐かれた男子生徒が行方不明になっているニュースが流れる。

そんな中でステイシーはパーティに出かけるといい、エマは呆れる。だが、姉はエヴァンに「パーティに来て」とエマになりすましてメールをしていたので、エマもしぶしぶ出かける。しかし、いざパーティに来たら楽しくなるエマ。エヴァンとはますますいい感じだ(ちなみにこいつら、工事中の家でパーティしてます)。
告白されるエマだが、そこで姉が浮気しているCJを見つけて大喧嘩になる。

しかも、グレイシーに血を吐きつけられた男子生徒がパーティに来ており、大暴れし始める。殺人も起きてしまうが、その男子生徒に血を吐きかけられたステイシーは、目の中に虫が入り込んでしまう!
(ここで、男子生徒の口から虫がピロピロしているシーンはかなり気持ち悪い)

だが、姉はそれをごまかしてしまう。
父とは連絡がとれなくなるが、父の銃をつかっていいと許可を得るステイシー。
隣家が発煙筒(手持ち打ち上げ花火みたいな感じ)で軍に合図をしていることに気が付く姉妹だが、隣人夫婦の奥さんのほうが感染しており、軍に引きずられていくのを見て驚いてしまう。発煙筒は次々と打ち上がっていく。感染は広まっているのだ。

姉妹はこっそり逃げようとするが、街は隔離されている。隔離エリアのすぐ外の店に、父がいるのだ。姉妹は軍に理由を話そうとするが、後から来た車が無理やり突破しようとして銃で撃ちまくられたのを見て、逃げかえる。

ステイシーは突如、妹に「父が浮気していた」「大学の教え子と浮気していたのを自分が見て、動転した母に相談してしまった」ことをカミングアウトする。エマは自分がのけ者だったことに傷付く。
と、そこにエヴァンがやってきて助けを求める。義父が感染したのだ。「感染者は目が見えない」というエヴァン(よくわかったな)。ドアののぞき穴越しに血を吐きかけてきた義父は、窓から飛び込んできて3人を襲う。首は脈打ち、耳からは虫が踊っている。エマを襲おうとするエヴァンの義父を殺したのは、ステイシーだった。だが、彼女もまた倒れてしまう。

ステイシーを浴室に閉じ込めるエマ。ステイシーは寄生虫の支配に苦しんでいる。エマは昔、ステイシーが自分をいじめてていた子に鼻くそを食べさせた話を持ちだし、姉は強くて正しい人間だと元気づける。だが、彼女自身もまた、両親にもう会えないのではないかと感じていた。

と、CJがやってくる。彼は軍が撤退したから、一緒に逃げようとステイシーのところに来たのだ。だが、彼女は閉じ込められており、言葉巧みに彼を誘い、手を握る。そしてそのまま、彼の手を折りとって殺してしまう。

エマは手遅れになる前に、ステイシーの体の中の虫を除去しようと考える。姉を眠らせ、首にできた空気孔をテープで閉じて、虫が顔を出したところで引き抜こうとする。だが、突然姉が覚醒し、自分で虫を首から引き抜いた!出てきた虫は、エヴァンが踏み殺す。

姉は少し元気になり、元通りになったように見える。
だが、姉の白眼の上を寄生虫がつたい、口から虫がドバーッと出てくる!……という夢を見たエマだが、現実でもステイシーは食べ物を食い散らかし、逃亡していた。追いかけるエマだが、姉が逃げ込んだ家は人間は自殺しているし、ある部屋には大量の寄生された人が立ち尽くしているし、その中心にいるのはグレイシーだしで驚きっぱなしである。音を立てて、寄生者たちに追いかけられるエマとエヴァン。ステイシーを見つけるが、彼女は理性があるうちに自分を殺してほしいという。拒否するエマだが、姉が変化した瞬間、彼女を撃ち殺してしまう。

エヴァンとエマは屋根に逃げるが、軍用機が見え、慌ててプールに飛び込む。すると、そこにタイミングよく爆撃がおき、家はそのまま(運がいいことに)燃えてしまう。

街を隔離していた軍のトラックも燃えている。エマは父がいた店に行き、父がおじの家に逃げていることを知る。エマとエヴァンは、2人でそこに向かうことにする。エマたちはキスをして、車は動き出す。

感想

・途中まではいい感じなのですが、まさかのハッピーエンド?でビックリ。①エヴァンは死んでエマだけになる②エヴァンも感染していてエマに迫る③エマが感染してエヴァンを殺す、などバッドエンドはいくつか頭に浮かんでいたのですが、「2人とも助かる」「お父さんも生きてる」「2人でそこに向かう」などなど、ホラー映画にあるまじきほっこり要素が重なったことに驚きました。キスして終わった時点でズッコケたもん。
・虫の描写が気持ち悪いのはもちろん、ホラーらしい構図(突然画面にカットインしてきて血を吐きかけてきたり)も多いし、ドキドキ感は強め。
・姉妹がホントに、女性から見ても相当な美人姉妹なので、それだけでなんだか嬉しい。