「人狼ゲーム ラヴァーズ」

人狼ゲームラヴァーズ

なんだかんだでシリーズを見続けてしまっている「人狼ゲーム」。というのも、
・意外と女優さん・俳優さんが面白い(土屋太鳳ちゃんの演技にはびっくりしたし)
・キャラクターをわかりやすくしてくれている親切設計(衣装や髪型、小道具でキャラをわかりやすく分けてくれていて、そこらへんは漫画っぽい)
・泣き、怒り、喧嘩の演技をけっこう生々しく撮っていて、いい意味で舞台っぽいと感じる。基本的に、演劇を見ている時のほうが映画を見ている時よりも“熱”を感じやすいですけど、微妙に発熱している感じがするんだよな、この映画。「人狼ゲーム」自体はそんな好きじゃないんですけど、キャストがすごく頑張っている感じが伝わってくるので、なーんか見ちゃう。
しかし、今時の若者は人狼ゲームとかホントにやってんのかね。似たようなことを学生時代にやった記憶もあるのですが、ホント「メンドクセーからさっさと終わってくれ」と思ってた。

登場人物

※今回の参加者は、全員が2回目のチャレンジとなります。

高野蘭子:主人公。冷静沈着。家族のもとに戻るためにゲームを続けている。今回は「人狼」だけでなく「恋人」の片方にも選ばれてしまう。
海老原一香:赤いセーラー服がトレードマーク。「村人」であり、蘭子の「恋人」となる。だが、蘭子とは意見が食い違い、仲は良くない。運営を憎み、復讐するためにゲームを続けている。
佐久間弘人:白い学ランを身につけている。非常にクールだが、何か秘密があるようで……?
八木ひなた:「村人」であり、蘭子と一香の「キューピッド」となった。血液のガンで余命僅か。治療費が欲しくて、ゲームに参加し続けている。なぜか蘭子になついている。
管すばる:「予言者」として名乗り出た男子生徒。ぽっちゃりしている。
戸谷佳奈:虎之介とは恋人同士のギャル。「霊媒師」を自称するが、同じく霊媒師だという虎之介と対立してしまう。
梅津楓:ショートカットの女子。さほど主張しない。
山門拓海:生意気な口調でみんなを挑発する。当初はニット帽をかぶっていた。
河合陸:メガネをかけている優等生風の男。やや傲慢な態度でみんなを仕切りまくる。
牧詩央里:マジメ系女子。前回も、河合と同じゲームに参加していた。何かと河合をフォローする。
吉原虎之介:霊媒師を自称するチャラ男。

ルール

・建物の外に出ない、備品を壊さない、他人に危害を加えない。やったらペナルティ。
・人狼は2人、村人は5人、予言者1人、霊媒師1人、用心棒1人。新たにキューピッド1人が追加された。
・他人のカードを見てはいけない。見たら死ぬ。
・人狼は投票で毎晩決められ、処刑される。
・キューピットは恋人2人を指名する。恋人は、片方が死んだらもう片方も自動的に死亡する。
・人狼を全滅させたら、村人の勝ち。
・村人と人狼が同数になったら、人狼の勝ち(残っていた村人は死亡)
・ただし、恋人たちが生存できたら、キューピッドと恋人たちの勝利(人狼、村人の勝利より優先される。なお、キューピットは死亡していても、恋人たちが生き残れば恋人たちの勝ち)
・22時から朝6時までは自室の外に出てはいけない。
・人狼は24時から26時までに誰かを処刑する。
・予言者は、1日につき1人、誰が村人か人狼かを占うことができる(ただし、恋人かはわからない)
・霊媒師は、死んだ人物が村人か人狼かを占うことができる。
・用心棒は、1日につき誰か1人を人狼の襲撃から守れる(ただし、自分は守れない)

ネタバレ

人狼ゲームラヴァーズ1

気が付いたら、蘭子はまた建物の中にいた。彼らはゲームのルールを説明される。
だが、蘭子は恋人に指名された。キューピットはひなただった(選んだ意味は不明)。
予言者として名乗り出たのはひなたとすばる。霊媒師として名乗り出たのは、カップルの佳奈と虎之介だった。全員が混乱する。しかも、河合と詩央里、拓海が自分たちは人狼ゲームが2回目だと言い出す。

その夜。人狼を選ぶ段階で、みんなが河合を指差してしまう。選ばれた河合はパニックになるし、処刑が自分たちでしなければいけない(前回は首輪が締まって勝手に死んだ)ことを知り、みんなは驚く。尻込みする面々だが、一香が河合を殺す。実は、河合への投票に楓と詩央里が乗っかっていた。勝手な一香の行動に、蘭子とひなたは驚く。
ひなたは蘭子に病気で余命僅かだと明かし、蘭子は親が再婚し、借金があるため早く家族のもとに戻りたいと言う。

その夜。人狼は蘭子と、虎之介だった。虎之介は「恋人を先に殺したい」といい、蘭子はドキマギする。だが、最初に殺されたのは拓海だった。
(彼を殺す時に、虎之介が抑えつけて蘭子が刺すのですが、この時体越しに2人の顔がぐっと近づいて、なぜか艶っぽい感じになった)

1日目終了:
死亡者/人狼として処刑された河合(村人)、人狼に処刑された拓海(村人)

翌日、予言者たちと霊媒師たちは占いの結果を放す。
ひなたは詩央里が人狼ではないといい、すばるは蘭子が人狼ではないという。蘭子と虎之介は動揺する。なぜ、すばるは嘘を言ったのだろう?
佳奈は河合は人狼ではなかったといい、虎之介は一緒の意見だと述べる。
誰が嘘をついているのかわからないが、とりあえずひなた、すばる、佳奈、虎之介の4人の誰かに投票すべきだという彼ら。

その夜、結局佳奈が選ばれる。蘭子の提案で、選ばれた者は自分で建物の外に行き自殺するということになっていたが、佳奈は出て行かない。最後、虎之介は佳奈を抱きしめ、その後に彼女を外に突き飛ばす。

すばるの意見のことで、夜に蘭子と虎之介は喧嘩になる。蘭子とすばるが恋人だと疑う虎之介だが、蘭子は彼の意図がわからない。だが、彼は人狼同士を攪乱させようとしているのかもしれない。
喧嘩をしつつ、彼らが選んだのは詩央里だった。虎之介は彼女を撲殺する。

2日目終了:
死亡者/人狼として処刑された佳奈(霊媒師)、人狼に処刑された詩央里(村人)

朝。ひなたは蘭子に、人狼ゲームが終わったら友達になろうという。蘭子はそれを受け入れる。

だが、すばるは昨日の発言を取り消し、蘭子が人狼だったという。そして、虎之介も人狼だった。2人が人狼ということで終わりだと宣言する。ひなたは楓が人狼だと主張するが、楓は自分が用心棒だと言い返す。しかしそこで、蘭子は自分が用心棒だと主張して、さらに場をかき乱す。
(どうでもいいけど、霊媒師としてまったく機能しない虎之介……)

蘭子と一香はまた喧嘩をする。一香はひなたを見捨てようというのだ。
その一方で、虎之介の疑念をごまかす蘭子。

夜。佐久間とすばるはどうして仲が悪いのだろうか?すばるは、佐久間が運営側だったとカミングアウトし、みんなを驚かせる。実は佐久間は金持ちの友人に誘われて賭ける側にいたが、負け続けたせいで参加者にまわされたのだ。すばるは前のゲームで、自分を回収する佐久間を見てしまった。それで佐久間を脅していたのだ。佐久間とすばるは大喧嘩をするが、結果、印象を悪くしたすばるが処刑される人間に選ばれてしまう。
すばるを殺したのは、蘭子だ。

人狼が殺す人間として選んだのは、佐久間だ。だが、彼らは佐久間から情報が欲しい。
佐久間は蘭子を知っている。2人は似ているという佐久間。佐久間は友達に売られた。蘭子も、自分の親に売られていたのだ。彼女の父親は、賭け金を得るために娘を人狼ゲームに売り、自分もまだゲームを続けている。
佐久間は希望により、自ら建物の外に出て死亡する。
落ち込む蘭子の手を、そっと握る虎之介。
(どうでもいいけど、この場面の照明の美しさはホラー映画のそれを凌駕している)

3日目終了:
死亡者/人狼として処刑されたすばる(予言者)、人狼に処刑された佐久間(村人)

朝。父からもらった時計を捨てる蘭子。

夜、蘭子は虎之介と共に人狼であることをカミングアウトする。そして、「恋人を潰す」と言い、ひなたを殺すことを選ぶ。ひなたも泣きながら、自分がそうだと話を合わせる(蘭子のために)。そして、「生きて」と蘭子に言いながら外に出ていく。

ゲームが終了する。人狼の人数と、村人の人数が同数になったからだ。人狼の勝ちのはずと思いきや、恋人たちが生きていたので彼らの勝ちとなる。
虎之介はすべてを理解し、蘭子と手を握り合った後、死亡する。楓も死亡する。

ゲーム終了:
死亡者/人狼として処刑されたひなた(キューピッド)
敗北によって死亡した虎之介(人狼)、楓(用心棒)

※ちなみに、用心棒は今回まっったく役にたってません。誰を守っていたという話もなし。

夜明けを見つめる蘭子と一香だが、一香を屋上から突き落とす蘭子。そして、外れた首輪。
そして彼女は、モニターに向かって入会金として賞金を差し出すといい、妹と引き換えに掛け金をよこせと要求する。
「そっちにいかせてください。そっちはどこですか」

感想

・意外と見入ってしまった。村人、人狼、恋人がもつれ合う様子はかなり面白い。その一方で、用心棒が機能していなかったり、話の矛盾を誰もつかなかったりという点は気になりますが、まあ仕方ないですよね。
・蘭子と虎之介を演じていたキャストの方の演技がすごくよかったですね。全体的に、かなり熱量が高いキャストの方が集まっていたような気がしますが、最初チャラチャラだった虎之介が、最後のほうでいい人になっているのがよかった。
・落ち込む蘭子に寄り添う虎之介、という階段でのシーンなのですが、月の光が差し込んでいるその光の美しさはすごかった。この映画のスタッフさんは有能だなあと思う。