「ストレイン」シーズン3・第10話(最終話)『邪悪な心』のネタバレ

ストレインS3

第10話 邪悪な心

滅亡の危機にさらされる人類。パーマーに呼び出されたセトラキアンはアイヒホルストが瀕死の重傷だと知る。マスターがストーンハートに姿を現すであろうことを教えられたセトラキアンはマスターを葬る絶好の機会だとフェットたちと新たな作戦を練るが……。同じ頃ケリーとザックの親子もマスターと合流しようとしていた。
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ネタバレ

「人類の存続は定かではなかった
何度も絶滅の危機があった
1300年代には
腺ペストで
地球上の2割以上の人間が死んだ
人口がもとに戻るまでに300年かかった
その後スペイン風邪が世界中で猛威を振るい
終息までに7500万人が命を落とした
やがて科学の繁栄で人類は進歩し
人口は70億人以上に膨れ上がった
進化は人々の距離を縮めた
我々は傲慢になった
捕食者は恐るるに足らず
科学と技術で打倒できると信じた
だが41日で全て変わった
飛行機が降り立ったあの日以降
人類は滅亡の危機にさらされている

瀬戸際にいる我々に待つのは
破滅への最後の一押しか
土壇場で伸ばされる救いの手か」

「救いはない」と書かれた壁の文字が見える。

マンハッタン 西15丁目

炎上している車の横で、誰かを待つエイブラハム。そこにパーマーが現れる。彼はマスターと完全に縁を切ったと明言する。アイヒホルストに重傷を負わせたことを告げたパーマーは、マスターが核兵器を取り戻しに、そしてパーマーを殺しにストーンハートのビルにやってくるだろうから、仲間を集めろとエイブラハムに言う。パーマーはこの戦いに命をかけるのか。

マンハッタン
コロンブスサークル

アイヒホルストはひどく重傷を負い、ひどく弱体化している。精巧な人間のマスクもとれかかっているようだ。たまたま通りかかり、倒れ込む彼の首を切り落としてコレクションにしようとする2人組がいるが、ストリゴイの軍隊に撃たれてしまう。彼らはアイヒホルストを回収する。

感知者とキャッチボールをしているザック。だが、ザックを気にして声をかけてくれた親切なおじさんと感知者が鉢合わせしてしまう。感知者を撃とうとするおじさんを、殺すように命令してしまうザック。感知者はおじさんの血を吸いつくす。ザックは、その選択に後悔もしていないように見える。

マンハッタン西54丁目

エイブラハム、ダッチ、ヴァシリー、クインランのもとにエフが合流する。改めて彼に怒りをあらわにするヴァシリーだが、エイブラハムがそれを諫める。
計画はこうだ。ストーンハートのペントハウスの1階下のフロアにエフとダッチが作った機械を用意し、やってきたマスターを機械で動かなくさせる。そして、マスターを棺の中に入れて動きを封じ、そのまま海に沈めるのだ。

パーマーたちも戻ってきて、準備を進めようとする。だが、駐車場にいる彼らを特殊部隊のストリゴイが待っており、護衛を次々と撃っていく。マスターの声が彼らを痺れさせ、ストリゴイはダンカンすら殺す。
だが、パーマーの前に姿を現したマスターに、核爆弾を入れた金庫の暗証番号は自分しか知らないと主張する彼。とりあえずパーマーは殺されないで済む……のかと思いきや、マスターは次の器としてパーマーの体を選ぶ。白い虫ゲロを吐きかけられるパーマー。倒れ、次に起き上がった時には、既に彼はマスターとなっている。

ザックは人を殺したことを母に知られ、「僕は悪くない」と言い訳するが、ケリーは怒らず、逆に褒める。ニヤニヤするザック。そして母は「変成するのは美しいことだ」と告げる。だが、ザックは変成させない。マスターには別の計画があるのだ。
そして、また居場所を変えることになったザックたち。

ヴァシリーとエフはやはり決裂し、ダッチもヴァシリーと再び決裂する。

アイヒホルストは目を覚まし、新しいマスターの姿を見る。彼はなぜパーマーを選んだのかと尋ねる(彼は、自分の体をマスターに捧げたいと熱望している)。マスターはパーマーの過去や記憶から核爆弾の在処を調べるため、彼を選んだという。アイヒホルストはこの苦しみから解放されたいと願うが、マスターは自分の白い血を彼の体の上にたらし、傷を回復させていく。
「立つのだ、トーマス。立ち上がってその目で見よ。人類が終焉を迎える日を」
アイヒホルストは立ち上がり、パーマーの姿をしたマスターを見つめる。

アイヒホルストはケリーにメイクをしてもらい、元通りの姿を取り戻す。
ザックはトランクの中にあるものをアイヒホルストに見せてもらう。核爆弾だ。起爆装置をケリーに渡し、それをマスターに渡すように命じるアイヒホルスト。ボタンを押せるのは彼ひとりだ。マスターは上階で人と会い、その後に最終段階に入るという。まるでアイヒホルストとケリー、ザックが家族のように見える。

ニューヨーク港

アイヒホルストはデサイと共に船に乗っている。彼はデサイをまだまだ利用するつもりなのだ。デサイに核爆弾を渡し、それを指定の場所に置いてくるように命じるアイヒホルスト。
彼はニューヨークの街並みとさんさんと輝く太陽を憎々しげに見つめる。
「疲れ切った貧しい人々を 自由を求める人々を我に委ねよ
岸辺に押し寄せる人々を 家もなく荒らしに翻弄される人々をわが下へ
我は輝く扉の傍らで明かりを掲げる」
船からは自由の女神が見える。

ストーンハートのビルの中にそっと入っていく白いバンから、クインランやエフが出てくる。クインランは偵察と言って姿を消し、ダッチとヴァシリー、エイブラハムとエフというコンビに別れて行動することになる。2人きりになったとたん、ヴァシリーはダッチに「エフと寝ただろう」と問い正す。なんのことはなく、エフに当たっていたのはヴァシリーと寝たからだったのだ。
「ただ、できれば君とはもっといい関係でいたかった」
「殺し合ってないだけマシ……でも、同感よ」
エレベーターが目的地に着き、ダッチはヴァシリーと別れて部屋に侵入する。妨害電波を出す機械をセットするのだ。上の階の厨房に棺と共に隠れるヴァシリー。クインランは地下駐車場の死体の山を見つけていた。そして、ストリゴイの男の不自然な死体を見つける。次の瞬間、彼は罠だと思う。

エイブラハムとエフはパーマーの部屋に着く。やけに丁重な言葉、こわばった動きにエイブラハムも異変を感じ取る。だが、パーマー(中身はマスター)はエフの妻や息子を持ちだし、
「ザックには邪悪な一面がある、そう思わないか」
と言い出す。彼らはようやく不安が現実のものだと確信する!
エイブラハムは吹っ飛ばされ、エフは彼を助け起こす。

パーマーと戦っている2人を監視カメラで見たダッチ。機械を起動させようとするが、うまくいかない(コードが抜けていた)。
クインランはストリゴイを倒しながら、猛スピードで上に向かう。

エフ、エイブラハム、加勢したヴァシリーがマスターと戦う。ようやく機械を動かせたダッチだが、動きは鈍ったものの、マスターのパワーはけた違いだ。だが、クインランがようやく登場し、2人は掴み合いになる。とうとう棺桶に入れられたマスター。

ダッチも合流するが、腹を切られているエフを介抱すると主張する。ヴァシリーとクインラン、エイブラハムが棺桶を海に運ぶことにする。だが、エフはストリゴイ対策に機械を持っていくようにダッチに頼み、自分だけが残ることを選ぶ。

マンハッタン11番街

アイヒホルストはデサイの車に乗っている。だが、マスターの声が聞こえなくなったことに戸惑うアイヒホルスト。ストーンハートの会社に向かうようにデサイに命じる。
ケリーもやはり戸惑っていた。そして、突然ザックに忍び寄るケリー。
上の階にいるマスターに会いに行こうと言うザック。ケリーはおとなしくなる。そして、ザックは自分で起爆装置を持っていく。

自分で腹を縫い合わせているエフ。そこに、ケリーとザックが現れる。エフに驚くケリー。そのまま彼にとびかかる。エフを殺そうとするケリーを止めようとするザックだが、揉みあいの末、エフは妻を息子の目の前で殺してしまう。ケリーも逆襲しようとするが、ザックの声で踏みとどまる。ザックは軽蔑のまなざしで父を見ている。

マンハッタン
バッテリーパーク
A桟橋

棺桶を海に運んでいる4人。

ザックは倒れている母を見ている。
「終わったんだ、安心しろ」
だが、ザックは母が死んだ怒りのあまり起爆装置を押してしまう。

海岸沿いにいたヴァシリーやダッチ、アイヒホルストたちは爆発を目撃し、海岸沿いにあった壁に隠れる。逃げ遅れたクインランはそのまま吹き飛ばされる。アイヒホルストは車ごと横転し、エフとザックもビルの中で爆発のあおりを食らう。

起き上がったクインランは、棺に走り寄る。だが、その蓋は既に開いており、マスターも逃げてしまっている。エイブラハムたちも無事だが、彼らは核爆発を目の当たりにして驚く。
エフも目を覚ますが、そこにザックは見当たらない。

アイヒホルストも車から這い出す。デサイは生きたまま車に挟まれて苦しんでいる。デサイは助けを求めるが、アイヒホルストは無視してそのまま立ち去っていく。
ザックはビルの外に出ていき、自分のしたことを目の当たりにする。そこにアイヒホルストがやってきて、ケリーについて尋ねる。ザックはケリーが殺されたことを告白するが、アイヒホルストは装置を起爆させたことをまったく怒らない。そして、彼はザックを連れ去ってしまう。

危険な死の灰から身を隠すために、ヴァシリーはダッチと地下に潜るという。エイブラハムとクインランは呆然と爆発を見つめている。
「これが『星食』か」

エフはザックを探すが、彼はもうそこにいない。死の灰が、太陽を覆いつくしていく。
ストリゴイたちは地上を占拠していく。

感想

・まさかの「核爆発」オチ。これが映画のラストならばなかなかのZ級オチのような気もしますが、さらに戦いは続くとなると俄然興味がわくような気もする。おそらく、シーズン4は放射能から姿を隠しながら生きる人間とストリゴイの戦いになるのでしょうか?
・そして、今回でパーマー、ケリー、エンジェル、ジェラルドなどがレギュラー降板となります。新キャラがほとんど追加されないタイプのドラマなので、これからどうなるのか気になりますね。
とはいえ、パーマーはまた出てきそうな気もしないでもないけど。
・母を殺したエフを怒るザックの気持ちはわかるが、核爆発させるのはスゴイ。そりゃ「悪の素質がある」ってアイヒホルストにも言われるでしょう。彼の悪行よりもヒドイかもしれない。妻VS夫なのかと思いきや、父VS息子の構図に展開していくのであります。そういえば、このドラマは意外と父息子の関係性がたびたび登場するのですが(ヴァシリーしかり、パーマーしかり)。
・ということで、ザックにひたすらイライラするシーズン3だったのでありました。しかし、「ウォーキング・デッド」もそうだけど、カールもザックも父への反発のスケールが普通よりもデカイんだよなあ。