「コープスパーティー Book of Shadows」

コープスパーティ2

2016年の「コープスパーティー Book of Shadows」。都市伝説をモチーフにしたゲーム原作の邦画ホラーであり、おまじないのせいで不思議な世界に飛ばされてバンバン殺されまくるという盛り込みすぎのお話です。今回はさらに、タイムループの要素やら死者を蘇らせる本(80年代ホラーっぽい)の要素やらが入ってきているので、すごくお腹いっぱい。

あらすじ

人気ホラー・ゲーム・シリーズを乃木坂46の生駒里奈主演で実写映画化したホラー・サスペンスの続編。監督も引き続き山田雅史。呪いのおまじない“しあわせのサチコさん”をしてしまったばかりに異空間“天神小学校”に飛ばされ、多くの仲間を失った直美。それから半年。惨劇を生き延びた彼女とあゆみは、失った友だちを取り戻すべく、再び天神小学校へと舞い戻る。するとそこには、同じおまじないで別の学校から飛ばされてきたという刻命たちの姿も。やがて仲間たちと再会し、彼らと一緒に生還する道を模索する直美たちだったが…。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=356969

登場人物

中嶋直美:前作の生き残り。騒動の後、一時的に精神病棟に入っていた。
篠崎あゆみ:前作の生き残り。直美に嫉妬して陥れようとしたが、失敗してしまい、横恋慕していた持田を結果として失ってしまう。
持田哲志:直美と両思いだったが、思いを伝えられないまま彼女をかばって死亡した。
岸沼良樹:あゆみを好きだったが、その思いは通じないまま死亡した。
篠原世以子:直美の親友。前作で死亡。直美は彼女の死を公開していた。
篠崎ひのえ:あゆみの姉。天神小学校の呪いについて単独で調べ、呪文を唱えて手かざしするだけで超能力を発揮できる謎キャラ。なぜかシルバニアファミリーみたいな服を着てる。

霧崎凍狐:新キャラ。直美たちとは別の高校の生徒である。「幸せのサチコさん」のおまじないを提案し、仲間と共に天神小学校に飛ばされる。
黒崎健介:凍狐のクラスメート。ごくごく普通の青年である。
刻命裕也:凍狐のクラスメート。リーダー格でイケメンだが、ある恐ろしい秘密を抱えている。

それにしても、今回から登場した人たちの名前がすごすぎる。凍狐なんて名前つけられたら絶対にグレるよ。

ネタバレ

コープスパーティ2 1

「しあわせのサチコさん」をやっている少年少女たち。気が付けば停電し、教室は揺れ、今までと違う教室に異動していることがわかる。黒板には子供の落書きが見える。
呆然とする少女の耳に、ハサミがとれる。その耳が飛び、内臓が飛び出す。彼女の背後には赤いワンピースの少女がいる。

直美が戻った現実世界では、死んだ者たちはいないことになっている。直美は存在しない人間の名前を叫び、発狂したと噂になっている。もうひとりの生き残り・篠崎は現実世界に順応しているようだ。だが、直美は死んだ哲志の手のぬくもりを忘れられない。

篠崎は、天神小学校で生徒手帳を隠し直美が帰れないように画策したことを懺悔する。そして、「みんなを取り戻せるかもしれない」と言い出す。彼女の姉だけが彼女の話を信じ、天神小学校やサチコのことを調べてくれたのだ。
『連環の儀』を行い、サチコの骨を使えば時間を遡れるという篠崎。でも、どの時間に戻れるかはわからない。彼女たちは皆を助け、サチコを成仏させてサカウチ(字を忘れた)して戻ってくることを誓う2人。彼女たちは手をつなぎ、篠崎はサチコの骨を食べる。

と、保健室に戻る直美。無事に天神小学校に戻り世以子と再会するが、彼女には首に跡がある(彼女は前作で首を吊って死んだ)。

一方、間に合わなかった死もあった。壁に叩きつけらて死んだ女子・鈴本は既に死んでいた。同じく、教師も助けられなかったことを悔いる篠崎。篠崎は岸本と合流するが、彼もアザが出てきている。前作で腕をちぎられた彼だが、その腕にアザが出ているのだ。

森繁の死体を家庭科室で発見した篠崎。生首だけになり、そこには蛆が湧いている。
「死のアザがあるね」
という子供の声がして、黒板からキリキリと嫌な音がする。
『一度決まった死からは 逃れられない』

その頃、ひのえはサチコの骨がなくなっていることに気が付く(しかし、この姉ちゃんはなぜ骨なんて持ってるんだ)。部屋の隅に、セーラー服の幽霊が見える。彼女のメモには「Book of shadows」と書かれている。

妹の由香を助けに行く哲志。うまくいくように思われたが、そこで突然由香の持って来たカサが開く。そして、そこから現れた少女が由香をハサミでめった刺しにする(ハサミをねじって傷口から空気を入れるシリアルキラーぶり)。哲志も刺され、岸沼も超能力で吹っ飛ばされる。
少女はカサに血を飛ばし「水玉~!」とはしゃぐ。
そこに直美がやってきて、ネックレスを掲げる(前作のキーアイテムかもしれないが、とんと覚えていない)。サチコは消えてしまう。

凍狐、黒崎、刻命(キザミ)はある教室で怯えている。凍狐は目に包帯をしている。他の生徒は全滅したようだ。

ひのえは学校に行き、時空の狭間に飛び込む。

小学校の地下にいる直美たち。由香は死んでしまうが、サチコを昇天させる。サカウチをして帰ることにする彼女たちだが、教室の気配を感じ、凍狐たちと合流する。状況を説明し、帰る方法があるという直美たち。さらに、ひのえと合流する。篠崎は生徒手帳を直美に返す。
だが、サカウチをしても帰ることができない。世以子は突然生首を飛ばし、死んでしまう。
そして、白いサチコが現れるが、その体を裂いて中からさらに黒い少女が出て着る。彼女は口を裂かれており、手に斧を持っている。凍狐も死んでしまう。

彼らはバラバラになって逃げる。直美、刻命、黒崎は視聴覚室に行き、前作で設置されていた監視カメラを利用して仲間を探すことにする。
直美はトイレで殺された凍狐たちの仲間の少女の映像を見つける。彼女を殺したのは、男子生徒だ。それはよく見たら、刻命である。刻命はその場で友達の黒崎を殺し、演説を始める。彼はサイコパスだったのだ。森繁を殺したのも彼だった。彼はケガした仲間を見捨てようとして少女に罵られ、カッとして覚醒してしまったのだ。

篠崎、ひのえ、岸沼も逃げているが、前方には黒っぽい体に赤い目の化け物、背後には少女の幽霊が迫る。だが、ひのえが手かざしをして霊を祓ったのだ。
彼女たちはあの少女の霊はサチコではなく、双子だけど生まれてこられなかった彼女の妹・サチ(仮名)だと推測する(姉ちゃんの情報網がスゴイ)。サチコの中にいたが、彼女が成仏して解き放たれたのだ。
サチは成仏しない。彼女はこの世を恨んでないからだ。遊びで人を殺しているのだ。
彼女たちは時空の裂け目に急ぐが、哲志は直美を連れて帰るべきだと言う。
篠崎は小声で「帰ろうよ……」と呟き続けるが、本当の気持ちを押し殺し、直美を探す。
しかも、そこに刻命が先に合流してしまう。

だが、哲志は刻命の手の血に気が付き、彼の正体はすぐ露呈してしまう。哲志と岸沼は刺され、しかも岸沼は棚の下敷きになってしまう。彼は仲間も守るため、薬品の瓶を転がす。それを拾った哲志は、刻命の顔に叩きつける!

だが、時空の裂け目は消えてしまった。篠崎は軽く狂ってしまう。直美、篠崎、ひのえが合流し、戻る方法を模索する。ひのえは「Book of shadows」の存在を思い出す。これは天神小学校の中にある禁断の書で、死者を蘇らせることができるのだ。それを手に入れられれば、ここから出る方法も見つかるかもしれない。
どこからか「こっち、こっち」と呼ぶ声がする。

ひのえは刻命に指されてしまう。彼は顔半分が溶けてしまっている(バッドマンのトゥーフェイス?)。だが、反撃にあい、目を刺されてしまう。ボイラー室に逃げ込む直美と篠崎。まだ刻命は追ってくるが、最終的にサチに殺されてしまう。直美をかばう篠崎。サチを抱え込んで自殺してしまう。

残った直美は本を見つける。迷う直美の頭を撫でるサチコ(白)。気が付いたら、彼女は現世に戻っている。本と一緒に。
篠崎の痕跡も消えてしまっている事に気付き、直美は禁忌の技に手を出す。
「お願い、皆を生き返らせて!」
勝手に本が開き、文字が集まって直美の手に吸い込まれていく。皆の声が聞こえてくる。
だが、そこにやってきたのは、全ての人間が合体した大きな肉塊だった。這いずりながら、直美に近寄る塊。篠崎の声も、哲志の声も聞こえてくる。絶叫する直美。
本が閉じ、表紙の髑髏は血の涙を流す。

感想

・ゴア描写がとにかくすごい。近年の邦画ホラーではぶっちぎり。特殊メイクもすごいし。
・ところどころ、有名映画の要素が入っているのはオマージュといっていいのか……??
・サチコが赤くなったり白くなったり黒くなったりと大忙しです。
・あゆみが直美を尊敬したり、疎んじたりと忙しい。キャラがよくわからない。ゲームや漫画ならありかもしれませんが、異常にオカルトに詳しい姉っていうのも謎であります。
・極限状態に追い込まれたら仲間を殺しまくるってキャラがいますが、こんなんホントにあるわけないだろ!いいかげんにしろ!
・禁断の書っていうと「ナインスゲート」あたりをイメージしてるのでしょうか?にしても、突然しゃしゃってきた本が謎すぎる。時空の裂け目も良くわからないうちに開いて閉じるし。キテレツ大百科思い出したぞ。相変わらず、脚本がムチャクチャであります。だからこそ面白いんだけど。