「ゾンビ・ファイト・クラブ」

zombifightclub

2014年の台湾のテレビ作品らしい「ゾンビ・ファイト・クラブ」。
団地のような集合住宅でゾンビが大量発生して大混乱する前半からの世紀末な後半のギャップがスゴイですが、それなりに魅力を秘めた作品だと思います。
・男はひとむかし前のイケメン(「Fine」とかにのってそう)、女子は露出度高め(ガリガリなのはなぜ……??)
・ゾンビたちは素晴らしいメイク
・前半の人間関係ごちゃごちゃななかにゾンビが放り込まれるさまは、なんだか脳がくすぐられているような不思議な感じがする

ざっくりとネタバレ

・世界が崩壊し、唯一ゾンビだけが生き残った。
・台北市。事件が起こる30分前。ある集合住宅。
男を誘拐して耳を切り取るヤクザ男。セクシーな宅配便業者の女。友達の家で乱交しようとやってくるラッパー・タイガー。それを迎え入れるヤク中カップル。ヤクザ男は彼女(嫁?)とイチャイチャしている。ひたすら、天気が悪い。
・集合住宅の一室、ヤクの取引現場(というか保存場所か?)に押し入ろうとしている警察たち。
・乱交中、タイガーの相手をしていた女たち2人は具合が悪くなり、ゾンビ化する。そして、タイガーに噛みついてしまう。タイガーの仲間のデブも股間をかみちぎられる(女たちは合計3人いる)。

・西洋人が借りている部屋では、仮装パーティの真っ最中。ゾンビが客と間違われて招き入れられ、そのまま惨劇が起こる。閉まった扉の下から、血がドロドロと出てくる。
セクシー宅配便女子と、ヤクザ男の手下がエレベーターに乗り合わせるが、それは動かない。
・娘の誕生日パーティのために、友達を招き入れている父親。彼は教師で、娘も娘の友達も教え子のようだ。彼は虫を潰してニヤリと笑う。
・警察がヤクの密売組織のもとに突入して大混乱が起きる。イケメン刑事(軍人かもしれない)アンディは果敢に戦うが、彼のボスは皆を裏切り、裏金を持って逃げる。そこにもゾンビが突入してきて、さらに混乱が起こる(ここでゾンビへの顔面貫通パンチが炸裂する)。

・タイガーもゾンビ化しながら、女の首をちぎり、撲殺する。デブの相手をしていた女ゾンビは、トイレの水を飲んでいるところを部屋の持ち主の男に見つかる(ゾンビが噛もうとしたら本人は無意識でよけるというコミカル展開)。
男はゾンビに襲われ、入れ違いで入ってきた宅配便業者に見つかり、男はゾンビごと押し出されてしまう。
・デブは内臓をぼろぼろこぼしている。タイガーは彼を助けるが、デブが唐突にゾンビ化する。バーミキサーを彼の頭につっこんで殺すタイガーだが、彼自身もゾンビとなり、体が割れて人を飲み込める形状になる。そのまま、彼は宅配便業者を飲み込んでしまう。彼らはもみ合いながら、ただひとり生き残っているヤク中カップルの女がいた浴室に突っ込んでくる。

・誘拐した男もゾンビとなり、ヤクザ男とそのカップルもトイレの窓から逃げ、外壁をつたって逃げる。アンディはドラッグの密売組織の男とまたまた喧嘩になる。女ゾンビはおっぱいを出してウロウロしている。
・教師の家に、ボスたちが侵入する。彼らは傍若無人に振る舞い、少女たちを好き勝手にもてあそぼうとする。さらに、教師が娘・ナナの友達のニーニーに手を出したことを暴露する(彼女が手紙を書いてきていた)。
だが、ボスの手下の男がゾンビに噛まれていた。娘の友達は協力して彼を殺してしまう。ボスはすぐもどってきて、彼女たちとナナを殺してしまう。ゾンビとなった手下はボスに襲い掛かる。だが、父親はゾンビを殺し、娘の友達すら「なぜ君が生きているんだ」と殺してしまう。

・ヤクザ男と彼女も安全圏に逃げ込むが、既に彼女は噛まれていた(しかも彼女は妊娠していた模様)。彼女はゾンビとなり、彼に噛みつくが、男は彼女の首を折る。

・ゾンビから歩行器を使って逃げるじいさん。家の中には若い嫁がいるが、騒動に気が付いていない。嫁はゾンビに気が付いて塩をまき、「旦那を襲って~」と逃げようとするが、外に出て噛まれる。じじいは助かる。
・ヤク中カップルの女とアンディは出会う。彼らをじじいがかくまってくれる。
・ヤクザ男は彼女の死体のそばにいるが、そのままゾンビ化する。
(このあたりでお約束のチェーンソーも出てきます)

じじい、下半身にロボットスーツをまとい、ゾンビと戦闘。その隙にアンディたちは車で逃げようとするが、団地の廊下を疾走する羽目になる。ゾンビとなったヤクザ男はボイラー?を爆発させ、じじいは食われ、車は横転する。

・ドラッグのせいで、ゾンビたちが蔓延。無政府状態となり、地上をゾンビに支配された人間たちは地下に潜った。残った人間の支配者こそ、団地にいた教師である。彼は娘のナナのゾンビを人間のように扱う。
・アンディとヤク中カップルの女(この人、最後まで名前が出てこないから以下「女」でもいいかね)は、奴隷となっている。
人間たちは娯楽で、ゾンビと闘わされている。アンディは強く、「女」を助けてくれる。支配者たちは、ゾンビファイトの勝敗で女や食料を賭けている。
・ある女性は、ナナのために髪の毛を刈り取られる。それをナナに乗せる教師。「ホラ、髪だよ」
(振りかけても意味がないと思うが)

・「女」は、教師に命じられてナナの母親役をやることになる。が、強姦されて終わってしまう。彼女は乱暴されながら、手をついているテーブルにあるパンにかじりつく(ちなみに、アンディにはなぜかデブスの女性がごほうびであてがわれる)。
・ゾンビたちを人間のオリに入れる支配者層(理由は忘れたけど)。アンディの仲間の1人が死ぬ。

・またファイトクラブ。ゾンビが下にウヨウヨいるなかで、横転したバスの上で戦うアンディ。だがいつしか人間同士の争いになり、アンディと闘っていた相手はゾンビにばりばり食べられてしまう。
・アンディは人間たちを逃がす。が、彼は自分がオリに入る。彼自身が噛まれていたのだ。
「女」は逃走中に教師に見つかってしまうが、ナナが彼を襲う。そのまま、「女」は教師を撃ち、彼は最愛の娘に食べられる。
「女」は外に逃げ、扉の外で真っ白に溶けていく……(こういう演出、なんなのかね)。
・ゾンビ化したアンディは、ウロウロしてます。
エンディングは全く関係ないゾンビコメディが挿入されます。

感想

・「ファイトクラブ」は名作だけどさぁ……ゾンビと人間を戦わせるのも人間同士で戦わせるのもけっこうナンダカナーというくらい、飽きてきています。
・団地の場面はなかなか面白い。たくさん人が出てきて、ゾンビで人間関係も居場所もぐちゃぐちゃにかき乱される。
団地モノって面白いけど、日本ではどうしてほとんどないのかな(オカルトなら「クロユリ団地」があるけど)。SFとゾンビ、団地と相性いいと思うんだけどなー。
・ただし、後半はなんか、全部デフォルトです。そういえば、ゾンビの娘を生かしておきたい父を描いているものは多いけど、ゾンビの息子を生かしておきたい母を描いている作品ってさほど多くないですね。これはゾンビ映画の作り手に男性が多いからなのか、ファンに男性が多いからなのか?まあ、「キャリー」みたいに狂気に走るパターンのほうがねちっこくて好きというのもありますが。