「ウォーキング・デッド」シーズン7・第1話「惨き鉄槌」のネタバレ

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「ウォーキング・デッド」のシーズン7がやってきました!製作が、主要人物の数名が脱落する!と明言したことでも話題になりましたが、前シーズンと比べてもこの初回エピソードはショッキング。ビジュアルもかなりキツく、ゴア描写がびっしりです。

前シーズンまでのあらすじ

・数々の襲撃を経て、リックたちはアレクサンドリアのトップとなる。だが食糧不足や弾丸不足に悩まされる。
・襲撃者たちを襲って殺すことを画策するリックだが、敵のほうが一枚上手だった。
・リックはミショーンと関係を持つ。エイブラハムはロジータと別れ、サシャの家に住みつく。
・カールはイーニッドを守り、関係を近付けていく。
・キャロルとモーガンは対立しているが、アレクサンドリアを出て行った彼女を追ったのはモーガンだった。2人は味方になってくれそうな人物たちに保護される。
・タラは恋人のグレースを失ってしまう。
・別の街であるヒルトップも出てくるが、キャラクターはあまり活躍せず。
・妊娠中のマギーをヒルトップに運ぶため森を移動していた彼らは、襲撃者たちに捕まり、拷問を受けることになる。

登場人物まとめ

リック:前シーズンを通じて主人公。時折、非常に傲慢になる。仲間を助けるために他人を犠牲にしてもいいという考えを、モーガンに非難される。
カール:どんどんでっかくなるリックの息子。反抗期も経て、だんだん青年へと近づく。
ダリル:ワイルドだが繊細。他人を助けるか、それとも殺すかの間でいつも揺れる。今シーズンではますます腕が太くなりました。わりといろんなグループに引っ張り込まれているが、意外にもすぐなじむ。
キャロル:元DV主婦(被害者のほう)だが、現在は腕利きのスナイパー。前シーズンでは自身の行動のせいで子供を死なせてしまったり(ただし、彼女が意図したことではない)、愛してくれた人を捨てたりと情緒不安定。仲間を守るために身を張ることが多い。
グレン:まっすぐ・誠実担当。基本的に情にもろい。前シーズンではさほど見せ場がなかった印象。

マギー:妊娠中。突然ショートカットになる。第2シーズン登場キャラのなかでは、唯一の生き残りとなっている。

モーガン:人を殺さずに生き残るべきだと推奨している。そのため、リックやキャロルとは対立した。彼のせいで起きたトラブルもあったが、彼のおかげで助かった命も存在する。

サシャ:刑務所で出会った面々の中では、唯一の生き残り状態。前々シーズンでは荒れに荒れまくっていたが、エイブラハムとの交際もあり、徐々に自分を取り戻していく。

タラ:前シーズンではほとんど目立っていないので準レギュラー扱いか?恋人のグレースを殺され、失ってしまう。

アーロン:今シーズンは主要キャラの仲間入りか?前シーズンではマギーを助け、時にはつまらないジョークでなごませてくれる。温厚なキャラ。

エイブラハム:ロジータからサシャに乗り換え、幸せいっぱい。ユージーンとも喧嘩を経て、本物の友達となった。
ユージーン:弾丸を作る技術を考案するなど、技術的なことには相変わらず長けている。前シーズンでは「自分も戦う」と明言したが……?
ロジータ:エイブラハムを失い、サシャともぎくしゃくしている。

神父:影が薄め。
イーニッド:カールのガールフレンド。
スペンサー:前シーズンでウォーカーと化したディアナの息子。家族を次々と失った。臆病でありつつも自暴自棄に振る舞うこともあり、皆を困惑させたこともあった。

ニーガン:襲撃者たちのリーダー。非常に残虐である。
ドワイト:ニーガンの手下。ダリルを裏切ったこと、グレースを殺したことからリックたちと対立するきっかけを作る。

第1話 惨き鉄槌(The Day Will Come When You Won’t Be)のあらすじ

不調を訴える妊娠中のマギーをヒルトップへ搬送する途中、ニーガンの一団に捕らわれてしまったリックたち。部下を大勢殺されたニーガンは、その代償にリックの仲間の中から1人を選んで殺すと言い、“どれにしようかな…”とランダムにたどり着いた先の1人が、有刺鉄線が巻きつけられたバットで殴り殺される。仲間を殺されてもなお歯向かおうとするリックを、ニーガンはキャンピングカーに引きずり込むが・・・。
http://tv.foxjapan.com/fox/program/episode/index/prgm_id/20608

※このブログでは、映画やドラマを見てからネタバレをご覧になることを推奨しております。面白いドラマだから、まずは先に見て下さいますようお願いいたします!

ネタバレ

俯いているリック。
「なんだ?キツイ冗談だったか?」
「殺してやる」
リックは顔を上げる。その前に、ニーガンがしゃがむ。
「小さな声じゃ聞こえねえ」
「今日でも明日でもないが、必ずお前を殺す」
かすかに笑うニーガン。
「まったく。サイモン、こいつの武器はナイフか?」
「手斧だ」
「手斧?」
「斧を持ってた」
「サイモンは俺の右腕でね、大事な存在だ。なくてはならない。いろいろ大変なんだ。お前の右腕はまだ息をしてるか?まさか俺が……」
涙を浮かべているようにも見えるリック。血まみれのバッドを持っているニーガン。
「そうか、なるほど。彼の斧を」
すぐさま斧が手渡される。リックはニーガンにつかまれ、キャンピングカーに引きずられていく。
「リックを借りるぜ。こいつが戻らない時は、お前らをぶっ潰す。そこに残ってる全員だ」
キャンピングカーの扉が閉まる。
リックと男がいた場所には、血だまりとぐちゃぐちゃに潰れた人間の体のようなものがある。

※オープニングはシーズン5~6と同じ。

キャンピングカーの中で、リックの斧をテーブルに叩きつけるニーガン。リックは疲労困憊している。
「ドライブだ」
だが、エンストしている。
「なんだよ、ポンコツめ」
彼は運転席に座って、リックに背を向けたままだ。
「“お前を殺す”……ハハッ。冗談だろ。俺が何をしたか見てただろ?
チャンスだ。立ち上がり、斧を掴んで俺の頭に振り下ろす。やってみろ。タフな男なんだろ。斧を取りやがれ」
すぐさま斧を取ったリック。だが、振り返ったニーガンは銃を握っている。リックは振りかざした斧を落とすしかない。殴られるリック。ニーガンは斧を再度手に取り、またテーブルに叩きつける。
「俺を立たせるな。見ろよ。夜が明ける。新たな1日の始まりだ。他に道はなかったか?結局どうなった?これからどうなるのか考えてみろ。」
車は走り出す。

残された仲間たちのことを思い出すリック。
ロジータの顔が浮かぶ。
突然、車は、ウォーカーを轢き殺す。目の前のウォーカーたちが次々と撥ねられているようだが、霧がかかったように前方は見えない。
「誰かを思い出したか?」
また大笑いするニーガン。
グレンの顔も思い浮かべるリック。彼はまた涙ぐむ。
「お前は俺のもの、残ったあいつらも俺のもの」
ニーガンはリックの隣に座る。
「これ(手斧)も― 俺のものだ」
キャンピングカーを、ウォーカーたちが取り囲んでいる。ニーガンは車の外に手斧を投げる。
「リック、取ってこい。仲よくしよう」
笑顔だったニーガンが、顔を歪ませる。
「取ってこい」
立ち上がるリックを外に突き飛ばしたニーガン。リックは外に吹っ飛ばされる。

今度は、サシャの顔が浮かぶ。
リックはウォーカーに向かって立ち上がり、猛然と掴みかかる。
涙を浮かべているユージーンの顔が浮かぶ。
リックはあまりの数のウォーカーに身震いする。だが、彼はまた戦うしかない。
アーロンの顔が浮かぶ。
戦い続けているリック。
エイブラハムの顔も浮かぶ。
大量のゾンビが彼につかみかかる。彼は逃げ出す。
マギーの顔が浮かぶ。
リックはキャンピングカーの上に登ろうとするが、ウォーカーに足を掴まれる。なんとか振りはらうリック。
ダリルの顔が浮かぶ。
リックはキャンピングカーの上で一息つく。そして現状を確認するが、目の前の道は大量の木材で封鎖され、その木は燃えている(霧ではなく、煙だったようだ)。そして、その中をウォーカーたちが彷徨っている。鎖で首吊り状態になっているウォーカーは、リックの方に手を伸ばしている。
ミショーンを思い出すリック。
彼は膝をつき、そして手すらつく。目の前に吊るされている(複合道路の上から首吊り状態でぶら下がっているので、車の上に立っているリックと同じ目線にいる)死体は彼に手を伸ばし続けている。
カールの顔が浮かぶ。
ニーガンの声が聞こえてくる。
「共に年を重ねると思ったろ。日曜日に食卓を囲み、幸せに暮らせると。だが、そうはいかないんだ、リック。これからはな。何が起きたかを考えろ」
リックは震えている。

回想シーン。
「決められない。こうしよう」
殺すための人間を選ぶため、“だれにしようかな、神様の言う通り”で決めようとするニーガン。彼らは震えている。選ばれたのは、エイブラハムだ。
「誰かが騒いだら、ガキのもう片方の目を親父に食わせてやる。息をしても、まばたきしても、泣いてもいい」
サシャは思わず泣き出す。ロジータも涙が溢れてくる。
「全部やるだろうよ」
次の瞬間、思いっきり、エイブラハムの頭部をバットでぶん殴るニーガン。
だが、エイブラハムはゆっくりと起き上がる。
「やるじゃないか、根性がある」
ニーガンははやし立てるが、彼は口を開く。
「しゃぶれ。俺の、タマを」
また、彼は殴られる。何度も、何度も。ユージーンも号泣している。

すべてが終わった後。
「聞いたか?“俺のタマをしゃぶれ”とさ」
ロジータはゆっくり涙を流している。またバットを振り下ろしているニーガン。サシャは嗚咽を抑えきれない。グレンも、ダリルもそれを見つめているし、マギーも泣いている。エイブラハムの頭部は、もう既に原型をとどめていない(ほぼなくなっている)。
「まったく、最高だぜ。これを見ろ」
興奮して大笑いするニーガンのバットから、エイブラハムの血が飛び散り、リックの頬に飛ぶ。
「俺のかわいい子がびしょ濡れだ」
ロジータの前に、血まみれのバットを突きつけるニーガン。
「よく見てくれよ」
ニーガンは、ロジータの憔悴ぶりから察する。
「まいったな、奴とそういう仲か。最悪だな。だが、わかるだろ。なぜこうなったのか。赤毛はいつにも増して、真っ赤になった。お前らのために犠牲になったんだ。分かったならよく見やがれ」
ロジータは震えている。
「見るんだ」
そのニーガンに、突然殴りかかるダリル。ニーガンは顔を抑え、ダリルはたちまち取り押さえられる。
「ダメだ!ダメなんだよ」
リックの目の前にバットを突きつけ、猛然と叫ぶニーガンだが、また表情を柔らかくする。
「まったく、今のは全然ダメだ。その態度はここじゃ通用しないんだよ」
押さえつけられているダリルのもとに、彼のボウガンを持ったドワイトがやってきて、それをダリルの頭に突き付ける。
「やるか?今すぐ」
ダリルの髪の毛を掴むニーガンだが、すぐ手を離す。
「いいや、殺しは早い。役目を果たせ」
ダリルはまた引きずられていく。
「とにかく、ルールを守れ。さっきも言ったろ.”最初だけは許す。次はぶっ潰す“と言った。例外なくな。どんなウソつきと出会ってきたか知らんが、俺は約束を守る。第一印象が大事だ。俺を知ってもらいたいからな。だから、こうだ」
話していたニーガンは、突如彼の後ろに座っていたグレンの頭にバットを振り下ろす。血まみれになり、頭から脳みそをはみださせながら起き上がるグレン。左目は殴られた影響で、少しは飛び出している。
「まだ頑張るか?何か言おうとしてるみたいだが、頭を殴られたんだぞ。強すぎたのか、目玉が飛び出しちまってる」
ニーガンは笑っている。
「ゾッとするぜ」
「マギー。君を見つけるよ」
たどたどしく、そう呟くグレン。マギーだけではなく、既に全員が泣いている。ニーガンは、マギーの夫がグレンだと気が付いたようだ。途端にしおらしい顔をするニーガン。
「何だよ。つらいだろうな。気の毒だよ。本心だ。だが言ったろ。例外はない」
血まみれのグレンを吹っ飛ばすニーガン。何度も、何度も、グレンの頭を殴打する音がする。
全員がすすり泣いている

「お前たち全員、腰抜けだ。これはまだ始まりだ」
ニーガンが殴っているグレンの頭から、血が噴き出している。彼の頭部も既に形を失っているが、手だけは痙攣し続けている。
「“ルシール”は喉が渇いてる。“吸血鬼バッド”だ」
泣き続けている面々だが、リックだけは憮然としている。
「何だ、キツイ冗談だったか?」

リックはキャンピングカーの上に寝そべり、一連の出来事を思い出して泣いている。その頭の横には斧があり、下にはウォーカーの群れが彼を求めて押し寄せている。
ニーガンの言葉が聞こえてくる。
「人が死んだのは確かだが、全員死ぬ必要はない。俺の斧を渡せ。俺の斧を持ってこい」

「根性があると思ったが、違ったか」
ニーガンの声で、起き上がるリック。「これで最後だ、今度こそ言うことを聞けよ。最後のチャンスだ。俺の斧を渡せ」
キャンピングカー越しに、ニーガンが発砲してくる!リックは走り出し、そのままぶら下がっている首吊りウォーカーにしがみつく。捕まっているウォーカーからも、下からも危険が迫るリック。彼の足首を、ウォーカーたちは掴みかけている。だが、首吊りウォーカーはリックの体重に耐え切れず、首がちぎれていく。少しずつ下に落ちていくリック。ウォーカーたちは、彼を殺そうと待ち構える!

と、キャンピングカーから、ニーガンが銃を撃ってウォーカーたちを一掃する。次の瞬間、首が完全にちぎれてリックは下に落ちる。
「時間がないぞ、これからのことを考えろ」
ニーガンは楽しそうにキャンピングカーの窓枠を叩いて催促する。リックは急いで起き上がる。

ロジータが殴られる。サシャも。
彼は再度落とした斧を見つけ、追ってきたウォーカーに叩きつける。彼の体のそばには、首吊りウォーカーのちぎれた頭部が落ちていて、それはまだ口をパクパクさせている。
エイブラハムも殴られる。アーロンも。
クラクションを鳴らすキャンピングカー目指して、リックは走っていく。近寄ってくるウォーカーを倒しながら。
マギーも殴られる。ダリルも。ミショーンも。カールも。
応戦を続けるリックは、ニーガンの援護もあり、なんとかキャンピングカーに辿り着く。手を差し出す彼に、斧を渡すリック。
「よくやった!」
また、テーブルに斧を叩きつけるニーガン。リックはその彼をずっと睨んでいる。車はまた走り出す。

止まった車の気配に、驚くリック。
「着いたぞ」
ニーガンが目の前にいる。
「受け入れ難いよな、長い間玉座に降臨してきたんだからな。だが臣下の2人が、次々と無残な姿になった。しかも息子の前でだ。まったく、最悪の気分だろうよ」
キャンピングカーの中を漁るニーガン。何かを見つけたようだ。
ニーガンは斧を手に取り、「クソ」と呟きながらそれについたウォーカーの血や肉片をリックの上着にこすりつけ、汚れを落とそうとしている(おそらく、消毒薬を見つけて斧を拭こうとしているが、おおまかな汚れをリックにこすって落としている)。
「指揮をとってた。お前はそんな自分に酔ってた。だが、もう、チャンチャン。終わりだ。だが、まだ生きられるぜ。俺に実りを供給するならな」
ニーガンは、リックに斧を渡そうとする。
「必要になる」
ニッコリ笑うニーガン。
「そんな気がするんだ。受け取れ」
リックは、その斧を受け取る。

元来た場所に、また車から蹴り出されて戻ってくるリック。ニーガンが再度、彼を引きずって仲間たちの前に座らせる。
「ただいま」
仲間たちが、リックを見守る。
「わかってるか?今のドライブの意味が」
四つん這いになっているリック。
「質問には答えろ」
「ああ、わかった」
「お前が俺を見る目の話をしたかった。理解させ、見方を変えさせたかった。だがいまだに同じ目で見やがる。汚いものでも見るような目だ。だから、チャンスをやろう」
「ああ、分かったよ」
「それじゃあ、こうしよう。特別ゲームだ。お前の行動次第では、この1日がこいつら全員の最後の1日になるか、最悪の1日で済むかだ。銃を頭に向けろ」
仲間たちそれぞれの頭に、銃がつきつけられる。
「それでいい。弾が鼻を突き抜けたら、最高にグロテスクだぜ」
カールを呼ぶニーガン。
「ガキ。来い。ガキ、早く」
呆然としていた彼だが、ニーガンのもとへいく。
「サウスポーか?」
「何だって?」
「左利きか?」
「違う」
「よかった」
カールの左手に、ベルトを巻き付けるニーガン。ミショーンとリックは、ニーガンの思惑に気が付く。
「キツいか?」
「いいや」
「キツいほうがいいんだが。よし、パパの隣でうつぶせに。腕を拡げろ」
カールはそのまま、うつぶせになる。
「サイモン。ペンは?」
「ある」
サイモンと呼ばれた男は、ニーガンにペンを投げる。
「ごめんな、冷たいけど我慢しろよ。まるで黒魔術師のキンタマが触れてるみたいだろ」
ニーガンは、ペンでカールの腕に位置取りを始める。
「肘は使える」
「頼む、やめてくれ」
リックは懇願を始める。
「俺が?俺はやらない。リック、斧を持て。線に沿って、息子の腕を切れ。ああ、そうだよな。すぐには無理だ。気持ちはわかるが、やらないとこいつら全員死ぬぞ。カールも死に、街にいる仲間も死ぬ。最終的にはお前もだ。数年生かし、苦しめた後にな」
「もうやめて。私たち、理解したわ」
ミショーンが口を挟む。
「お前がだ、そうだろ。リックはどうかな。線の上をスパッと切れよ。聞こえは悪いが、サラミみたいに切るんだ。切り口がきれいなら、うちの優秀な医者が助けてくれるさ。たぶんな」
固まっているリック。
「リック、今すぐやれ。急がないと、俺がガキの頭を粉々にする」
「俺をやっておれ、俺にしろ。俺は何をされてもあんたに従うから」
「だめだ、選択肢はない。リック、斧を持て。決心しなければ、それこそ悪い判断だ。全員死ぬんだぞ。お前は醜い惨劇を全て見ることになる。なんだよ、数えさせる気か?数えてやるよ。3!」
「お願いだ」
リックは泣き出してしまう。
「俺を切れ、頼む」
「2!」
リックのあごをつかみ、自分のほうに向けさせるニーガン。
「終わりだ。 1……」
カールがささやきかける。
「パパ、いいよ。やって」
リックの手は、既に斧に触れている。だが、もう片方の手は、カールの左手を掴んでいる。リックは斧を振り上げる。だが、もう彼は混乱していて、その手を下ろせない。
ニーガンが突然叫ぶ。
「俺に従え。俺に供給しろ、俺がボスだ。いいな」
コクコクと頷くリック。
「聞かれたら答えろ!俺に従い、供給しろ!」
「供給する」
「俺がボスだ、そうだな?」
「そうだ」
「よし」
満足したニーガン。
「それだ!その目を見たかった」
仲間たちも震えている。
「成し遂げた。みんなで、協力した。特に死んだ2人は敢闘賞ものだな。今日は実り豊かな1日になった。これでわかったはずだ。理解しただろう。物事の仕組みってものをな。新たな世界だ。今まで信じてたものは、すべて終わりだ」
ニーガンは、ダリルを指す。
「ドワイト、奴を車へ」
連れていかれるダリル。車の後部座席に押し込まれる。
「肝が据わってる、誰かさんと違ってな。気に入った、俺のものだ。また今度俺を殺そうなどと思ったら、あいつをバラバラに……名前は?」
「ダリルだ」
ニーガンの仲間が叫ぶ。
「いいねぇ、ピッタリの名前だ。ダリルをバラバラにして、お前の家の玄関先に置くか、お前のところに連れていき、その手で殺させる」
リックの肩を親しげに叩き、ニーガンは立ち上がる。
「惨めなクソ野郎どもを歓迎するぜ!車はおいていく。俺に供給するものを集めとけよ。1週間後に回収に行くまで、さらばだ」
男たちは、斧を投げ捨てて去っていく。

ボロボロの彼ら。男たちは去っていく(なかには、グレンの死体の写真を記念撮影していく者もいる)。

取り残された彼ら。マギーが立ち上がり、どこかに行こうとする。リックはそれを止めるが、マギーは彼らと戦い、復讐するつもりになっている。だが、誰もそれに続かない。
「ダリルを人質にされた。みんな死ぬ」
「帰って。皆と一緒に。1人で行ける。1人でいい、アレクサンドリアに帰って!私のためにここまで……」
「見放さない」
「私1人で行く、もう来なくていい。お願いだから帰って」
マギーに近付くミショーン。
「マギー、1人にさせない」
「お願い」
リックは遮る。
「ダメだ」
「私が行く。連れていくわ。彼女を守る」
サシャがマギーに寄り添う。
「嫌とは言わせない」
「彼も連れて行く」
マギーはグレンのもとに跪く。

サシャは、ロジータに話しかける。
「私が彼を。いいよね?」
ロジータは頷く。

マギーは激しくすすり泣いている。
「私にやらせて」(グレンの死体を持ち運べるようにしている?)
「手を貸すよ」
アーロンは彼女を支え、カールがマギーを抱きとめる。
「任せて」
「ダメ」
「俺達にやらせてくれ」
リックはマギーに話しかける。
「俺達にとっても、彼は家族なんだ」
マギーはその言葉を聞き、また泣いてしまう。

エイブラハムの体を挟むように座り、その体の上に手を置いているサシャとロジータ。そこにユージーンもやってくる。3人で彼を担架に乗せ、運ぶ。

マギーはカールに抱きつきながら立ち上がり、カールやリックたちもグレンの体を運んでいく。

「共に年を重ねると思ったろ?
日曜日に食卓を囲み、幸せに暮らせると。
だが、そうはいかないんだリック。
これからはな」

血だまりが2つ、彼らが去った後に残される。マギーだけがそこに残って、泣いている。

回想シーン。
食卓を囲んでいるリックたち。
リック、ミショーン、グレン、タラ、ロジータ、モーガン、サシャ、エイブラハム、子供を抱いているグレンとマギー、ヒゲの男性(おそらくスペンサー?)、ユージーン、アーロン、ロジータ、ジュディスとカール、キャロル、神父。

リックはキャンピングカーに乗り込む。
やせ細ったウォーカーガ、彼らの目の前に現れる。車を走らせるリック。ウォーカーは、血だまりを舐めようとしているのか、そのまましゃがみこんでいる。

感想

・グレンとエイブラハムが脱落。
グレンは前作では出番が激減していたので、う~ん……という感じ。アジア人枠がこれから追加になるのだろうか?エイブラハムはシーズン6でやたらとフラグを立てていたのでやっぱりなあ、と思う。2人とも好きだったキャラなので悲しいのですが、さんざんネタふりがあったので心の準備ができていたのは大きい。
・ダリルも連れ去られ、男性陣が激減してしまったリックの仲間たち。
・にしても、ダリルの二の腕がますます太くなっててちょっと笑ってしまった。
・ニーガンは残虐性や恐怖で支配者として君臨しているのか?にしても、今回はグロシーンが非常に多くて、ドラマ要素を楽しみに見ている人にはキツかったのでは。
・ニーガンの「チャンチャン」という和訳は何だったんだ。
・初回はキャロルとモーガンが登場しなかったので、超楽しみに待ちたいと思います。
・今回のリックとマギーの演技が素晴らしかった。