「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」シーズン1・最終話のネタバレ

Fear the Walking Dead

第6話「善者」(The Good Man)のネタバレ

暗闇の中に横たわっている、静かな都市。だが、目をこらすとさまざまな場所で火事が起きている。高速ではたくさんの車が置き去りになっているし、人の気配はない。
アリーナの扉は、今にも破られそうにも揺れている。

マディソンは準備をしている。食料品や荷物をまとめているのだ。戻ってきたクリスとアリソンもその手伝いをしている。クリスは母を取り戻したいと言い、トラヴィスも合意する。だが、どうやって?

ダニエルはアリーナから戻ってきている。そこにトラヴィスやマディソンもやってくる。死者だらけのアリーナは基地の近くだから“利用できる”とダニエルは言い、「これ以上(アンドリューから)聞き出すことはない」と言う。ダニエルは銃を握っている。
アンドリューは、基地の中は迷路のようになっているから、自分が道案内をすると言う。彼をかばうトラヴィス。ダニエルもそれに合意して、彼を殺すのをやめる。マディソンはそれを気まずく感じているようだ。彼女はトラヴィスに咎められ、「あなたもクリスの危機なら同じことをするはずだ」と言い出す。

オフィリアはダニエルに対して怒っている。ダニエルは、アンドリューを連れて行くと明言するが、娘は父に嘘をつかれていたと起こっている。
「パパは被害者と」
「そのほうがよかったか?」
娘は答えない。

マディソンは、思い出の柱を見つめている。そこには、自分と死んだ夫の身長を記した柱も見える。

彼らは次々と車に乗り込む。シベリアンハスキーが吠えていて、犬を散歩させている隣人が見える。彼らに何も言わないまま去ることを悔いるマディソンだが、オフィリアはどうせ助け合ったことがない隣人なのに、と彼女の態度を切り捨てる。

基地では、エクスナーが別の基地に異動すると指示を出している。ライザはクリスと合流できるようにエクスナーに頼むが、全員は助けられない。ライザはクリスと、彼には父親が必要だという理由からトラヴィスを一緒に連れていきたいという。

トラヴィスはアンドリューを車に乗せようとしているが、彼はダニエルに怯えきっており、トラヴィスに自分を逃がしてくれと懇願している。アンドリューはトラヴィスは他の人間と違う、逃がしてくれと頼む。「このままだと、100パーセント殺される」と言うのだ。トラヴィスは困惑している。

彼らは3台の車に分乗して走り出す。マディソンの運転する車からは、街の住人たちが自宅でくつろいているのが見える。それも明日までなのだろうか?フェンスのところまでくるが、警備たちは既にいない。
「見捨てられたんだ」
クリスは呟く。ダニエルが扉を開け、彼らは進んでいく。トラヴィスの運転する車には、彼しか乗っていない。

基地。ダニエルが、警備の兵士の前に姿を現す。
兵士たちはダニエルに警告するが、彼は「弾をとっておいたほうがいい」と言う。その背後から、大量のゾンビたちが現れる。パニックになる兵士たち。あっという間に、基地のまわりにゾンビたちが溢れていく。

ダニエルたちは、基地に入ろうとする。だが、ここで始めてトラヴィスがアンドリューを逃がしたことを理解するダニエル。「後悔するぞ」と怒っている。
トラヴィスはクリスとアリシアを残していくと決めている。彼らは車のところに残り、トラヴィス、ダニエル、マディソン、オフェリアが中に侵入する。

檻の中。ヴィクターはネクタイを締め直している。ウロウロしているニックに「余計な注意をひくんじゃない」と命令する彼。ニックは「家にいるよりつらい」とこぼしている。
彼はニックの自宅の位置を聞き「おれなら再開発して高級住宅地にする」と言う。だが、そんな時代はもう来ないとも思っている。
と、ここで外部の混乱が伝わってきて、兵士たちが基地の外のゾンビたちに気を取られて出ていく。ヴィクターは逃げ出そうと鍵を捜すが、ない。それはニックの手に握られていた。にやりとさせられるヴィクター。

エクスナーは、パニックに圧倒されている。ライザも後ろから来て、その混乱の原因を知る。
ヘリが降りてこないのだ。エクスナーは焦っている。

ダニエルやトラヴィスたちは、無事に中に侵入する。だが、ゾンビたちも同様に基地の中に侵入しているのが見える。

ヘリは退却していってしまう。エクスナーは看護師たちに逃げるように指示を出し、自分は残ると宣言する。エクスナーに言われ、ライザも逃げる。

クリスとアリシアは落ち着かない。クリスは、生存者を助けたいようだ。
「中の人たちは(死んでしまうのだろうか)……」
というクリス。
「全員死ぬより(自分たちだけでも助かるべきだ)……」
と返すアリシア。
「死んでほしくない、誰にもだ」
「父親似だね」
「前向きなんだ」
大きな音がする。
「全員は救えない」
「そんなこと」
「分かるわ、それが現実よ」
だが、何かが後ろから迫ってくる。彼らは車に隠れる。

ニックはヴィクターの後を追う。「助けて」と口にする人々を、「一文の得にもならん」と言い捨てる彼。戸惑うニックだが、「人助けより自己防衛をしろ」という。ヴィクターはまず車を探し、“アビゲイル”に行くと言う。

クリスたちがいる地下駐車場には、何かが近付いてくる。だが、それは車が必要な兵士たちだった。彼らは車の鍵を要求するだけでなく、アリシアを連れて行こうとする。クリスは抵抗して、彼らに殴られてしまう。

大量のゾンビが、基地の入口に迫っている。
ライザは慌ててドアから外に出て、何かを捜す。とうとう、フェンスは破られた。
「最後のチャンスだ!」
トラックに乗るように手を差し伸べられるライザ。だが。感染した兵士が噛まれ、ヘリに乗り込むことを拒否された直後にそのままプロペラに突っ込んで死ぬのを見てしまう。兵士たちは次々と襲われていく。基地の中に逃げ込む者も出てきている。外には、大量のゾンビたちが蠢いている。彼女も基地の中に戻るようだ。

ヴィクターとニックは基地の中を逃げる。兵士たちは噛まれて、侵入したゾンビに食べられている。ヴィクターはナイフを拾い、食われている兵士・メルヴィン(ヴィクターが便宜を図るため、時計やカフスを渡していた男)に近付く。噛まれたメルヴィンは彼に助けてくれと懇願するが、「時計はやるよ」とヴィクターは囁き、カフスを回収する。
「殺してくれ」
「あとちょっとで死ねる」
ゾンビたちがなだれ込んできて、ヴィクターはメルヴィンの車のキーを回収しながら逃げ続ける!

ダニエルやトラヴィスたちは、ニックが捕えられていた檻にやってくる。彼らはニックたちを捜すが、頼まれて(息子の情報と引き換えに)檻の鍵を壊してまわる。逃げ出す人間たち。ダニエルは時間がないとイライラするが、トラヴィスとマディソンは人を逃がし続ける。

ライザも、檻のところまでやってくるが、彼らとは入れ替わりだったので気付かない。

ヴィクターとニックは、閉まっていて開かない扉に行く手を阻まれる。後ろからはゾンビが迫る。ヴィクターは銃を使うが、どう見ても多勢に無勢だ。そこにようやくトラヴィスたちが現れ、彼を助けようと扉を壊す。
「母さん、行って」
ニックは母に逃げるように促す。そこにライザがやってきて、スタッフカードを使う。なかなか通らないが、すんでのところで認証され、ニックとヴィクターはドアのこちら側にやってくる。だが、ゾンビたちも続けて後を追いかけてきた。

基地のキッチンに逃げ込んだライザとマディソン。と、ライザがゾンビに襲われてしまう。彼らは迫りくるゾンビたちに応戦しながら、なんとか逃げ出す。ライザは、エクスナーのところまで戻って抜け道を聞こうとする。
ライザはダニエルとオフィリアに、グリセルダが死んだことを告げる。娘は母の遺体に会いたいと主張するが、ライザはそれを叶えてやることはできない。

患者たちの脳を破壊して、殺していたエクスナー。マディソンは、ここでニックのための薬を手に入れる。
ライザ「先生、出口はある?」
エクスナー「まだいたの?」
トラヴィス「手を貸せ。一緒に逃げよう」
「どこへ行く気?」
「どこかへ」
エクスナーは出口を教えるが、外に出ても安全な場所はないと呟く。ライザは最後まで彼女を連れて行こうとするが、絶望していて動かない。彼女は銃を手に取り、自殺しようとしているようだ。

ヴィクターはマディソンに計画を聞き、東の砂漠ではなく、西の自分の家を目指そうと主張する。マディソンは無言でスルーする。

外は、既に朝になっている。燃やされた人たちが灰になっているのが見える。おそらく、グリセルダもここで燃やされたのだろう。ダニエルと娘は悲しみを隠せない。

トラヴィスたちは地下駐車場に戻ってくるが、クリスとアリシアはいない。と、彼らは無事だった。兵士たちに車を奪われたと主張する2人。抱き合う親子たち。だが、ダニエルとオフェリアは疲れきっている。そこに、隠れていたらしいアンドリューが現れ、ダニエルを銃で狙う。
彼らは凍りつく。オフィリアはアンドリューを説得しようとして、トラヴィスはじりじりと彼に迫る。だが、アンドリューは発砲する。しかも、オフェリアに。彼女は銃弾を受け、トラヴィスはアンドリューを激しく殴る。その鬼気迫る様子に、マディソンは彼を止める。アンドリューは顔が変形するほど、殴られてしまっている。子供たちも呆然としている。トラヴィスは、激しく手を震えさせている。

明るくなった街。火事が広がっている。
皮肉屋で文句ばかりのヴィクターをやりこめるマディソンに、彼は「あと2キロはうまくやっていけそうだ」と笑う。彼らはどうやら、ヴィクターの家を目指しているようだ。事故車の中に挟まって死んでいる死者は、マディソンたちに歯を剥き出す。

目的地に到着したヴィクターたち。この家には発電機もあるようだ。高級住宅に足を踏み入れる彼ら。

ニックはなぜか清々しい顔をしている。
「ごめんね」
「何が?」
「守れなかったこと」
「母さん……」
「何よ」
「おかしな感覚に― 襲われてる」
「新しい世界よ。先が見えない」
「俺は前から見えてなかった。俺が長いこと暮らしてきた世界に、やっと皆が追い付いたみたいだ。妙だろ」
マディソンは、何も答えない。

オフィリアの弾は体を貫通していて、さほど重傷でもないようだ。ライザとクリスも再会して喜びを分かち合う。いくぶんか素直になったクリスとハグするライザ。クリスも不器用に微笑んでいる。だが、マディソンは何かが気になり、部屋を出ていったライザを追いかける。

ヴィクターは、スーツケースにスーツや荷物を詰めている。彼はどこかに出て行こうとしている。
ニックたちはここに残ってもいいのか聞くが、ヴィクターはそれを断る。そして、写真を手にする。

外に出ていくマディソン。それを、トラヴィスも追いかけていく。

“アビゲイル”とはどこなのか?どうして、長くとどまってはいけないこの別荘に連れてきたのか?ニックは詰め寄る。
「イカれた世界では、イカれた者が生き残る」
ヴィクターはそう彼に告げる。彼は双眼鏡で何かを覗く。そして、それを同じように覗くように、ニックに師事をする。そこには船が見える。アビゲイル号だ。

ライザは、フラフラと海岸に降りていく。彼女を追うマディソン。ライザは、既に脇腹を引っかかれていたのだ。彼女は脱出後にその傷に気が付いたという。ライザは既に、銃を手にしている。
「やるしかないのに、自分じゃできそうにない」
「私に頼まないで」
「あなたは頼んだわ。私のこと、好きじゃないでしょ。“トラヴィスには無理よ。耐えられない”」
「でも……」
「わかるの」
かつて、同じことを頼んだマディソン。銃を受け取るしかない。
しかし、そこにトラヴィスが走ってくる。彼は、ライザが噛まれたことを知る。それでも、トラヴィスはライザが治るはずだと信じている。彼は死んではダメだと説得しようとするが、ライザは彼女が見てきた地獄を知っているし、人間らしく死にたいと願っている。マディソンから銃を受け取るトラヴィス。

アイスを食べてはしゃいでいるクリスとアリシアは、その銃声を聞く。ダニエルやニック、ヴィクターも銃声に驚く。

銃を使わないと公言していたトラヴィスは、その誓いを破り、自分の妻を撃つためにそれを使った。波打ち際で彼は泣きじゃくっている。
クリスも母の死体に縋り付いて泣いている。アリシアもそれを見ている。
トラヴィスのもとにやってきたのは、マディソンだ。彼らは波にうたれながら、抱き合っている。

感想

・う~ん……「ウォーキング・デッド」というタイトルがついているにしても、なんだか別モノ感がスゴイ。新品のゾンビばっかりだからでしょうか?展開も王道だし、驚くような演出とか、特殊メイクとか、セリフとか、音楽とかは……ないかなあ……。
・ニックはまたマディソンを裏切るのは?アリシアとクリスの関係は今後どうなるのか?クリスはトラヴィスをまた憎んでしまうのか?ヴィクターは何か隠しているのか?
シーズン2からも新キャラが出てくるみたいなので、それを楽しみにしたい。まあ、一応見ると思いますけど、「Zネーション」と同じくらいの熱量です。