「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」シーズン1・第5話のネタバレ

Fear the Walking Dead

第5話「コバルト」(Cobalt)のネタバレ

「火災、地震、洪水。全部信じてたろ。質問じゃないぞ、俺にはわかる。あんたは明らかに、信じやすい買い手タイプ。なぜわかるか?俺は売り手だからさ。なんだって売れる。誰にでもな。例外は― 保険だ。気に食わん。未来を恐れる男がつけこまれ、大事な家族の安全を薄っぺらい紙で買う。企業の口車に乗せられてな。どうかしてる。顔も知らない他人に、妻と子どもを託すんだ。そして旦那はある日―遠くへ旅立つ。残された家族に、オオカミがそっと近付く。それに供える保証は、売ってない」

基地。倉庫のような場所に設置されている大きな檻の中。たくさんの人がうろついている。黒人でスーツを着こなした男が、意気消沈しているダグに一方的に話しかけ続けているのだ。
ダグの家族写真を覗きこみ、マリアが写真通りの美人かどうかを尋ねる男。そして、このプロポーションなら別の頼りになる男を見つけて、生き延びられるだろうと言う。その言葉で泣き出したダグを、軍人たちが連れて行く。
「急におかしくなったんだ」
黒人男は大げさにそうアピールした後、次のターゲットの横に座り、「お前は誰だ?」と囁く。そこに座っていたのは、ニックだ。

オフェリアはフェンスに瓶を投げ、軍に抗議している。母をどこに連れて行ったのかを聞いているのだ。そこに軍人たちが現れ、彼女を制圧しようとするが、彼女の恋人のアンドリューがオフィリアを守ろうとする。彼は中に入っていき、オフィリアと話し合う。
軍人たちの中には、「俺ももう無理だ」と立ち、持ち場を離れる者も出てきている。

マディソンとトラヴィスはこれからどうするかを話し合おうとしているが、入ってきたクリスはマディソンにつんけんする。自分から車に乗った母のことをどうしたらいいか、わからないクリス。泣きだした彼を、トラヴィスも抱きしめる。だが、マディソンに謝るように命令されたクリスは、また反抗して出ていく。
ライザ、ニック、グリセルダ。全員が、失われた家族を求めている。

基地の病院にいるライザは、ケガをした軍人を手当てしている。看護師不足だというエクスナー。最初は7人いたが、2人はヘリ要員になり、現場に残ったのは3人。
「あとの2人は?」
ライザの問いに、エクスナーは何も答えない。
息子に連絡がとりたいと言い、さらにはグリセルダの心配をするライザ。彼女は足の手術をしなければいけないが、回復室に入っていると聞かされるがライザ。だが、ニックにもグリセルダにも会えていない。

マディソンは、アリシアの部屋でスーザンの手紙を見つける。彼女はアリシアを探して、スーザンの家に入りこむ。物音を聞き、その正体を捜すマディソン。地下へと進んでいく。
そこには、ダニエルとオフィリア、拘束されているアンドリューがいる。ダニエルは「妻を取り返すんだ」と言う。

拘束されたアンドリューに水を飲ませているオフィリア。抗議するような目で、彼女を見つめるアンドリュー。彼は何も知らないという。
マディソンは、オフィリアやダニエルを見咎める。アンドリューとグリセルダを交換しようというプランは、おそらく実現しないだろう。それはダニエルも理解している。だが、アンドリューは情報源となる。家族の居所、警備体制、残りの時間。だから、ダニエルは暴力を使おうとしている。
「暴力はやめて」
「息子のためでも?大切なのは奴か?息子か?」
黙るマディソン。

トラヴィスはモイヤーズのところまで話を聞きに行っている。彼はさんざん話をはぐらかす。住人たちはいつ戻るのかについても、彼は語らない。「このままだと不信感を持った住人が押し掛け、騒動になる。兵士の士気も下がる」というトラヴィスは、あくまで「彼らに協力したい」というスタンスを崩さない。それに折れたモイヤーズは、エクスナーと彼を会わせると言い出す。
モイヤーズは兵士に指示を出してトラヴィスを連れていくことを命じるが、軍人たちも疲れ切ってしまっている。50時間寝ていないし、殉職者も出た。だが、モイヤーズは彼らを働かせ続けている。

ダニエルは、アンドリューに話をしている。オフィリアを責めないでくれと話すダニエル。アンドリューも、彼女のことを愛している。しかしダニエルは、彼に拷問をするための準備をしている。アンドリューは彼になんでも協力するというが、ダニエルは自分のカミソリを出して、何かを準備している。

トラヴィスの乗った車は走り出している。兵士は息子でもないニックと、妻でもないライザと、家族でもないグリセルダを捜しに行くというトラヴィスに驚いている。
だが、何かを見つけた兵士たちは車を止め、次々と降車する。
「獲物だ」
トラヴィスもその様子を見ている。
「“市長”さん、出番だ」
モイヤーズは銃を準備して、トラヴィスに撃たせようとする。だが、彼は撃ちたくないと主張する。他の兵士は彼をかばうが、「あれは人間じゃない」「私たちを殺人集団だと思っているのか」と詰め寄られ、撃つことにする。
親切な兵士たちは、彼が怪我をしないように撃ち方を教えている。
トラヴィスはスコープ越しに、ゾンビを間近で見て驚く。ゾンビは女性のウェイトレスだ。「キンバリー」と書かれた名札を見て、なぜかおののく彼。
「やはりそうか」
撃てないトラヴィスを皮肉りながら交代したモイヤーズは、彼女の頭を吹き飛ばす。トラヴィスは呆然としているが、彼の背中を叩いて慰める者もいる。

ライザは基地の病院で働いている。エクスナーはケガ人が感染者だということを見抜き、その者は隔離される。噛み跡を見逃してはいけないと、エクスナーはライザに教える。

図書館から出られなくなった分隊の救助に向かうという軍人たちは、何があっても車の外に出るなとトラヴィスに命令する。どうやら、無人となった場所でも、政府に抵抗する者が残っていることもあるらしい。抗争は続いているという。

ダニエルはアンドリューに、自分の半生を語る。そして彼はアンドリューの腕を傷付けながら、無線でしばしば使用されている「コバルト」という言葉の意味を聞いている。アンドリューはそれを本当に知らないと言うが、拷問は終わらない。

だらだらして車の上に寝ているクリスに、話しかけるアリシア。「見せたいものがある」と彼を誘い出す。
クリスとアリシアは、豪邸に忍び込んでラジコンで遊んだり、ドレスを着て化粧をしたりしている。セクシーなドレスを着たアリシアの姿に躊躇して、クリスは別の部屋に逃げる。

「金網の前に立て」
冒頭の男・ヴィクターは、檻の中で外から熱を測られる。37度。彼は解放される。次に、兵士たちが選んだのはニックだ。ニックは38度熱がある。「彼は違う」と主張するヴィクター。以前、兵士に渡した高級時計に追加して、ダイヤのカフスを兵士に渡す。ニックを連れ去るのを中止させようとしているのだ。「永遠の愛を Aより」と書かれたカフスを見て「ロマンチックだな」と笑う兵士。「Aって誰だ?」と聞かれるが、彼は答えない。ニックは檻に戻される。

図書館から、兵士たちが逃げていく。ゾンビたちが溢れてきて、爆弾が爆発する。兵士たちは司令部に向かうという命令を変更して、別の場所に行くことになった。トラヴィスは近くで下ろされ、そのまま歩いて帰るように命令される。

疲れて眠っていたマディソン。彼女は急いでダニエルのもとにかけつけるが、ショックを受けているオフィリアとすれ違う。ダニエルは血の入った皿を持って出てくる。ダニエルは、オフィリアにアメリカに来た理由を問われ、戦争に苦しんだことを克明に説明したという。
「戦争がどれほどの暴力で人々を苦しめたか。私がどちらに加担したかは言えなかった。娘は分かってくれるか?生き延びるため、必要だった。今もまた、必要なんだ」
マディソンはその剣幕に圧倒されるが、こう尋ねもする。
「あの男は口を割ったの?」

ライザは病院の奥に踏み込んでいく。人間を入れた檻も見える。グリゼルダも、檻の中のベッドで眠っていた。彼女は既に、手術が終わっている。

アリシアとクリスは、豪邸のリビングにある家族の写真立てを見ている。彼らはどこに行ったのだろうか。クリスは写真立てを投げ、そのガラスが割れる。アリシアは飲んでいたシャンパンを投げ、同じように割る。2人は豪邸をめちゃくちゃに荒らして遊ぶ。

トラヴィスは帰宅して、外にいたオフィリアの異変に気が付く。彼は全てを知り、ダニエルを止めなかったマディソンを責める。
しかし、ダニエルは、アンドリューからゾンビの話を聞き出している。アンドリューは『コバルト』の意味について語り出す。それは、LA基地からの撤退開始の指令コードなのだ。軍の関係者たちだけで、逃げるつもりなのか。連れていかれた人間たちは、『人道的な死』が与えられるという。トラヴィスも絶句する。
明日の9時ちょうどに、連れ去られた者たちは殺されるのだ。

嘔吐しているニックに、「しょんべんの臭いを隠すもんが欲しかったんだ。助かったよ」というヴィクター。ニックは、ヴィクターが自分を助けたのがなぜかわからない。
「君に恩をきせたんだ、全然違う。社会のルールは原点に戻り始めた。これまでグランデのラテを飲み、マイルをためてた奴らは、今後はみんなエサになる。必然性の意味を君は知ってる」
「(俺は)麻薬常習者だ」
「いいや、ヘロイン常習者だ。センスがいい、自信を持て」
ジョークを飛ばすヴィクター。
「兵士は撤退している。行動を起こすべき時に、力を貸せ」
彼は、ニックを仲間にしようとしているのだ。
「行動?」
ヴィクターは、手のひらに隠している鍵をちらりと見せる。彼らはまた、黙り込む。

アリシアやクリスは夜の散歩を楽しんでいるが、そこに軍が通りかかる。彼らは巡回じゃないと判断するクリス。
「妙ね」

グリセルダは何かをぶつぶつ話している。うなされているのか、何なのか。支離滅裂だ。ライザとエクスナーが彼女を助けようとしている。
「脳が腫れてる」
不吉なことを延々と呟いている彼女を、ライザはなんとかしたいと願う。だが、彼女は呆気なく死んでしまう。家畜用の銃を持ちだし、蘇らないために脳を破壊しなければいけないというエクスナー。彼女から銃を受け取り、ライザはとどめを刺す。

ダニエルは基地で起きていることも知らず、フェンスの様子を窺っている。彼はアリーナに近付くが、その中には大量のゾンビがいるらしく、一斉にドアを叩いているのが伝わってくる。アリーナの見張りは、アンドリューが言ったとおりいなくなっている。このアリーナの中には、どれだけ大量のゾンビがいるのだろうか?

感想

・イヤミな軍人が唐突に退場。
・ヴィクターがなかなかイイキャラなのですが、これからどういう風にストーリーに絡むのかな?というところは気になります。1人だけ浮きまくりなんだよな。
・マディソンは子どものためにも手段を選ばないタイプ、トラヴィスは理性が優先してしまうタイプ。今後どちらかが変化していくのか、喧嘩のタネになるのか?
・次回から、ゾンビが大量発生します!