「サマー・インフェルノ」

summeri

2016年のアメリカ/スペイン映画「サマー・インフェルノ」を見ました。
・感染者と非感染者が次々入れ替わる!
・森の中、言葉が通じない、襲われ続ける恐怖!という3本立て
・サマーキャンプの指導員という、「グリーンインフェルノ」に並ぶ意識高い系
まあ、指導員を「意識高い」と言い切るのは失礼ですが、「失礼な若者が罰を受ける」という構図ではなく、「人のためになることをしようと言いつつもアホな若者が罰を受ける」構図って最近、増えてきていますね。

登場人物

ウィル:メガネをかけた青年。極度の近視である。思慮深いが、大胆な一面もある。
ミシェル:アクティブな女の子。明るくかわいく元気で、モテキャラである。
クリスティ:お嬢様。バカンス気分で指導員のバイトに参加するも、ワガママぶり全開。
アントニオ:チャラ男。ミシェルに手を出そうとしている。

ネタバレ

縛られている人が逃げている。汚い男が立っている(このあたりのシーン、あんまり覚えてません。ごめんなさい!)

OP。ニュースでは、アメリカ人3人が行方不明だと伝えている。

スペイン。エル・ブオ・キャンプでは、指導員をする若者4人が準備をしている。目を閉じて、パートナーの言う方向に走っていきながらタイムを競うゲームではりきるミシェル。アントニオとウィルも彼女を好ましく思っている。だが、キャンプにハイヒールできたクリスティには呆れているようでもある。交代したクリスティは、目隠ししたまま走ることもできず、森の中で立ち往生している(彼女がワガママすぎて、ミシェルは立ち去ってしまった)。彼女の手を結んだロープを、森から現れた謎の男が切ってくれるが、クリスティはそれに気が付かない。

彼らは宿泊施設に移動中、怪しげな集団に出くわす。森にキャンピングカーを泊め、勝手に宿泊しているのだ。車におしっこをかけてくる男もいる。「ここは子どもを連れてくるようなところじゃない」と彼らは言う。

宿泊施設は水道は壊れていて、水シャワーしかない。クリスティは文句をぶちぶち言う。料理スタッフのカルメンも施設の古さをこぼす。

ミシェルにちょっかいをだすアントニオ。モトクロスが好きな彼女に嘘をつき、デートに誘い出そうとする。だが、モトクロスのある納屋にいる犬が狂犬病だと管理人のハビエルが言い出した。犬はおとなしく寝ている。ウィルはハビエルが考えすぎだと思い、犬を撫でようとする。が、突然目が白濁した犬はウィルを襲い、ハビエルは彼を助け出しつつも起こる。

水道が壊れていたが、ちょろちょろと水が出て着る。スプリンクラーも動き出し、水が飛び出してくる。

クリスティは動きやすい服を持っていないが、ミシェルの貸してくれた服も不満なようだ。彼女はいかにっも高級そうなワンピースを着て、ミシェルの前に現れる。ミシェルは家でトラブルがあったといい、国際電話をしたいとねだる。だが、誰にも聞かれたくない内容だから、別の場所からかけたいとも言う。
ハビエルとカルメンは今晩休みだ。若者たちはパーティをしたいと思っている。
埃っぽい建物の中は、綿毛がすごい。

こっそり侵入して、下着を漁っているおじさんもいる(※お話とは無関係です)。

手から血が噴き出しているウィル。ウィルとアントニオは、ワインセラーにいる。水道のパイプを壊したのはヒッピーかもしれない、と彼らは噂する。

だが、突然アントニオが黒い血を吐き、襲ってくる。暴れる彼と取っ組み合いになるウィル。彼に噛まれ、殺されそうになる、だが、ウィルは反対に彼を殺してしまう。
それをクリスティは目撃し、ウィルが殺人犯だと勘違い。電話中のミシェルを無理やり車に乗せ、逃げ出す。

車の中を漂う綿毛を吸ってしまったミシェル。運転中におかしくなり、ハンドルに頭を打ちつけて、クリスティを襲ってくる。車はそのまま脱輪し、クリスティは逃げるしかない。ウィルとクリスティは合流し、逃げる!

宿泊施設に立てこもる彼ら。ミシェルはなんと、壁をのぼってまで入ろうとしてくる。
キャンピングカーにいた男が悲鳴を聞いて助けに来るが、言葉が通じない。男はミシェルに襲われてしまう。男を助けるべきか、閉じこもるべきか。クリスティが閉じこもることを選択し、彼らは男を見殺しにする。

クリスティを囮にして、彼らは逃げ出そうとする。「絶対に俺が君を守る!」と断言するウィル。

おびきよせられて監禁されるミシェルだが、急に苦しみだす。もとに戻ってきたのだ。閉じ込められていると思い(感染中の記憶はない)、その部屋の中で武器を探すミシェル。

その隙に逃げようとするクリスティとウィルだが、突然、クリスティの具合が悪くなってくる。と、彼女が変化した!黒い血を吐き出す。ウィルはクリスティを担いで移動していたが、脇腹に噛みつかれ、彼女を思わず空のプールの中に落としてしまう。同時にメガネも落ちてしまい、ウィルは慌てる、無事に眼鏡を拾い、逃げるウィル。ミシェルも逃げようとしている。

ミシェルは手に持っていたドリルをウィルの足に刺し、ケガをさせてしまう。
今度は、ミシェルとウィルが逃げることになる。

ミシェルは、感染中の記憶が失われている。モトクロスで逃げようとするが、部品がなくて動かない。納屋に逃げ込んだ彼らはひたすら困惑する。
動物を観察していて、感染しているものとそうでないものがいることを理解するウィル。その境目は?感染の原因は何なのだろうか?綿毛ではないかと思ったウィルは、納屋のウサギに綿毛を食べさせる。だが、何も起きない。
原因は水だったのだ。彼らは水を飲んだり触れたりした順に感染が現れていた。そして少し前、ウィルの足のケガの血を洗い流すために、水を使った……ウィルは慌てて、ミシェルを納屋の中の檻に入れる。おかしくなったクリスティは中へ入ってきて、さらにウィルも変化して凶暴になる。彼らは小屋の外で暴れまわり、ミシェルは怯えてしまう。

逃げるミシェル。だが、スマートフォンが使えるところまで来る。ハビエルに電話をするが「なにいってんだ」と切られてしまう(深夜だし)。クリスティも突然元に戻り、隠れる。ミシェルは母に電話して「許して」と謝り、愛を伝える。だが、その着信音のせいでウィルが気付いてしまう。携帯を投げたミシェルだが、そのせいでクリスティが追われることになる。

しかし、ウィルは眼鏡をなくしていて目が見えない。音でウィルを誘うミシェル。そこに、ハビエルが自転車でやってくる。ミシェルと合流する彼。ハビエルはウィルが彼女を襲ったと勘違いし、ボコボコにしようとする。だが、ハビエルはやられてしまう。
ミシェルとクリスティはお互いが感染者だと思って殴り合うが、お互いまともだと理解して喧嘩をやめる。

ウィルも元通りになり、3人は逃げる。怪しいキャンピングカーに隠れるが、そこに隠れていた男(彼らが森に入ろうとしたら警告した若者)を見つける。彼は、そのへんに自生するキノコを使って薬を作っていたそうだが、その薬を試した家族が全員おかしくなったという。このキノコは、井戸のまわりにも自生していた。去年まではそんなものはなかったのに。ようやく原因がわかったが、こんどはキャンピングカーに住んでいた怪しげな男女が凶暴化して襲ってくる。

ウィルはひらめく。青年が作った薬を同時に飲んで、皆で凶暴化すればいいのだ。まずウィルが飲み、クリスティがミシェルに薬を渡そうとする。だが、彼女はそれをこぼしてしまい、1つしか見つけられない。ミシェルが懇願するなか、それを自分で飲んでしまうクリスティ。ミシェルは車の天窓から逃げようとするが、皆に捕まえられ、噛みつかれる。隠れていた青年も、自分のおかしくなった母に、車のガラスの大きな破片で首を切断される。

正気に戻ったウィルとクリスティ。もう朝だ。ミシェルは死んでいるし、近くではカルメンも死亡している(ハビエルを探しに来たのかもしれない)。彼らは宿泊施設に戻る。クリスティはミシェルの死は自分のせいではないと言い張る。
「誰だって同じことをするはず。私のことを責めないで!」
とすら言う。

ようやく戻ってきた彼らだが、そこにバスがやってきて、生徒たちが降りてくる。キャンプにやってきたのだ!彼らが水を飲もうとするのを止めた2人だが、今度はスプリンクラーが作動する。その水を浴び、飲む子供たち。2人は逃げ出すしかない。

凶暴化した子供たちが追いかけてくる。クリスティは慌てて逃げるあまり、冒頭のゲームでも登場した、尖った木の枝に自ら刺さり、死んでしまう。
ウィルは逃げる途中でメガネを落としてしまう。何も見えない中、彼は発奮して、ひたすら走り続ける。「かかってこ~い!」と叫ぶ彼の目線(輪郭がブレブレで、ぼやけている)には、森と蠢く人影が見えるが、すぐに何も見えなくなる。

感想

・クリスティの性格の悪さがスゴイ。
・おそらく、アントニオだけがスペイン語を喋れる設定なのだと思います。
・水を飲んだ順に感染が現れたのかな?と思いつつ、時間差がありすぎるのはよくわからない。それぞれ、感染者の演技と怯える側の演技をしていたのは楽しそうでした。
・低予算でもなんとかなりそうな内容ですが、映像はとてもキレイです。「REC」と「[リミット]」のスタッフが集まったらしいですけど、私は好き。
・この救いのないラストですが、ちょっと幻想的な感じがしていいですね。