「イット・フォローズ」

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2014年「イット・フォローズ」。前評判通り、面白かった!おすすめできる映画です。
・脚本も、ちょっとしたカメラの構図とかも、見ていておおっと思わせられるところがいくつもある。
・いってしまえばオカルトなのですが、ちょっとSF映画調のBGMも素敵
・登場人物それぞれのキャラクターやビジュアルがいいのはもちろん、主人公を追いかけ続けている“何か”が、毎回姿を変えて登場します。その“何か”がまた面白いし、個性的だし、それでいて怖い。笑いと恐怖が紙一重というのがよくわかる。

あらすじ

低予算のインディーズ作品ながら、斬新な設定と確かな演出力で映画ファンのみならず批評家からも高い評価を受け、全米でサプライズ・ヒットとなった青春ホラー。主演は「ザ・ゲスト」のマイカ・モンロー。監督は、これが長編2作目の新鋭、デヴィッド・ロバート・ミッチェル。
19歳のジェイは、新しい彼氏ヒューとデートし、そのままセックスに興じる。ところが、ことが終わるやヒューに薬を嗅がされ気絶してしまう。手足を拘束された状態でようやく意識を取り戻したジェイに対し、ヒューはにわかには信じがたい告白を始める。曰く、ジェイはある呪いに感染したという。それによって、感染者にしか見えない“何か”が、ゆっくりと、しかし確実に迫ってくる。そして最後には必ず殺される。それを回避したければ、誰かとセックスして移す以外に方法はない、というのだった。以来、ヒューの言葉通り、他人には見えないそれは、様々な人の姿をして自分に向かって歩いてくるようになる。いつ、どこからやって来るかも分からないそれに常に怯え、必死で逃げまどうジェイだったが…。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=354702

登場人物

ジェイ:主人公。美人だが、やや男の趣味が悪い
ポール:ジェイの姉の友達。弱々しい印象だが、ジェイを守るために奔走する
グレッグ:ジェイの家の向かいに住んでいる隣人。イケメンで親切だが、プレイボーイでもある
ケリー:ジェイの姉。妹の言い分を信じ、全面協力する
ヤラ:ケリーの友人のひとり。ポールとケリー3人でいつもつるんでいる。大きなメガネがトレードマーク。
ヒュー:ジェイの新しい彼氏。彼女を拘束して、不思議な行動をとる……

ネタバレ

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アニーと呼ばれている女の子は、後ずさりしながら自分の家から逃げる。ヒールに短パンという慌てた格好で、車に乗り込むアニー。そのまま逃げ、砂漠?らしきところから父に電話をかけてくる。涙で父にお礼を言うアニーだが、翌朝、彼女は足がバッキバキに折れ曲がった死体として発見される。

自宅の庭のプールに入っているジェイ。泳いで出てきたら、ケリーやその友人たちが映画を見ている。ジェイをちらちら見ているポール。それに気付いているようなジェイ。
ジェイは新しい彼氏・ヒューに夢中だ。
姉とも仲がよく、恋愛相談をしている。その姉妹の散歩を、向かいに住む少年・グレッグが洗車しながら見えている。

ジェイはヒューと車の中で関係を持つ。後部座席の扉を開けて、地面から生えている花をもてあそぶジェイだが、クロロホルムをかがされ、連れ去られる。花だけが揺れる。

下着姿のまま、廃墟で拘束されているジェイ。車イスに縛り付けられているが、ヒューは彼女に説明を始める。セックスをしたことで、今までジェイについていた“何か”が、彼女に感染したというのだ。それはゆっくりと、しかし確実に追ってくる。追いつかれたら死ぬ。次に感染させる人を見つけるしかないというヒュー。ヒューはジェイに、「それ」を見せる。「それ」はおっぱいを出したパンツ一丁の女の姿をして、彼らを追いかける。
「どうしたいの?」「これが現実だと、知ってほしいんだ」
常に逃げ道を用意しろ、「それ」は動きは鈍いが頭はいい。そう言って、ヒューは逃げていく。
車イスに乗せられたジェイは引きずり回された後、道にポイ捨てされる。姉と友人たちが助けてくれ、警察が取り調べを行う。向かいの家では、グレッグとその母が噂している(ジェイの家を好きではないらしいグレッグ母)。

ジェイは落ち込んでいる(ちなみに、ジェイは家ではけっこうでっかいパンツはいてます)。窓に何かが当たったような感じがして外を見るが、何もない……かと思いきや、ポールが覗いていた。

大学で授業を受けているジェイ。教室の窓から、白い肌着姿のおばあさんがゆっくりこちらに向かって歩いてくるのが見える。ジェイは「それ」だとわかり、慌てて教室から飛び出す。学校の廊下を追いかけてくる「それ」。
ジェイはスーパーに逃げ込み、ケリーに助けを求める。

皆が泊まりに来てくれるなか、深夜にポールと昔話をするジェイ。二人は同じソファに座っていいムードになる。だが、そこでガラスが割れる。そして、乳を出して歯のない女が、おしっこをもらしながらこちらにやってくるのがわかる。
閉じこもるジェイだが、セスが(外から)扉を開ける。すると、その背後から身長が2メートル近くある男の「それ」が現れ、部屋を覗きこむ。

グレッグは女の子と車の中でイチャイチャしていたが、ジェイが自転車に乗って走って逃げていくのを見て驚く。公園にいるジェイを向かいに現れたグレッグ。ドライブをしながら、彼らはヒューを見つけることを決意する。

彼のいた家を探してみるも、彼は偽名を使っていた。だが、彼が住まいとしていた家に辿り着き、その廃墟に残っていた本から写真を見つける。その写真から、ヒューの通っていた高校がわかる。彼の本名はジェフ。
その一方で、ポールはグレッグとジェイが急接近していることにやきもきしている。

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ヒュー(ジェフ)の家に行くと、彼は話を聞かせてくれる。「それ」はうつすしかない。死んだら、以前の感染者をさかのぼってくるのだ。だが、「それ」は歩きでしか来ないから、車で逃げて距離を稼ぐしかない。
ジェイとケリー、セス、ポールはグレッグの別荘へと行くことになる。そこはオシャレでキレイであり、ちょっと華やいだ気持ちになる彼ら。

グレッグは銃を見つけて、ジェイは射撃のレッスンを受ける。グレッグはジェイとかなりいい感じだ。

湖の近くでくつろぐジェイだが、後ろから女が迫ってくるのに気が付かない。髪の毛をひっぱられるジェイ。その様子に、ケリーたちは驚く。ポールは彼女を助けようとするが、逆に吹っ飛ばされる。霊には銃は効かないこともわかる。ドアも破裂させるように破壊して追いかけてきた。
しかも、それはセスの姿になったり、ポールの姿になったりもする。
グレッグの車で逃げるジェイ。後ろに白い服の女の子が見える。とうもろこし畑に突っ込むジェイ。腕を折る。

気が付いたら病院にいるジェイ。
病院で、ジェイとグレッグはセックスをする。ジェイは久しぶりに平穏な日々を過ごすが、グレッグはジェイと付き合うことはなく、女の子をはべらしている。
ポールはジェイを見守っている。
グレッグのもとに「それ」は現れない。

またプールに入っているジェイ。何か、「それ」には自分たちが知らないルールがあるのだろうか?

だが、夜になってグレッグの家に、白い下着姿の人が入っていくのを見て慌てるジェイ。ジェイはグレッグの家に侵入するが、おっぱい丸出しのグレッグ母(もちろん、本物ではない)がグレッグの部屋に入っていき、彼を殺してしまう。そして、またジェイが終われることになる。

ジェイは車で逃げ、そのままそこで寝る。また同じ日々が戻る。

ポールはジェイに告白する。自分に移すように言うポール。だが、彼女は躊躇する。
しかし、屋根の上にすっぱだかのおじさんが立っているのを見て、耐えられなくなるジェイ。ジェイ、ケリー、ヤラ、ポールは、ある方法に出ることにする。

4人は体育施設のプールに忍び込み、電化製品を大量にプールサイドに用意して準備する。プールの中で待つジェイ。そこに「それ」が来る。男の「それ」はジェイに向かってプールサイドの電化製品をボンボン投げ込む。ポールは「それ」を撃とうとして、ヤラが撃たれてしまう。

「それ」にシーツをかぶせて銃で撃つと、プールに落ちてしまう。ジェイは代わりにプールから出ようとするが、足を掴まれる。それをポールがヘッドショットするが、足首には手の跡がくっくり残る。プールには血が広がっていく。

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ポールとジェイはセックスをする。外には雨が降っている。
ポールは売春婦がいるエリアを車でウロウロしている。
ヤラは入院中で、彼らはお見舞いに訪れている。
ポールとジェイは手をつなぎながら歩く。後ろには、男が歩いているのが見える(ただ、白い服ではないので「それ」ではないのかもしれない)。ポールとジェイが歩いている後ろ姿が続く。